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Wilcam
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[編集]電荷 電荷には正と負の二つの状態が存在し、それぞれ正電荷、負電荷とベンジャミン・フランクリンによって名付けられた。原子を構成するものでは陽子が正電荷、電子が負電荷、中性子は電荷を持たない。電子の持つ電荷量の絶対値を電気素量といい、それを記号eで表わすと陽子は+e 、電子は-e 、中性子は0の電荷をそれぞれ持っている。イオンを表わすMg2+やOH-などはそれぞれ+2eや-eだけ帯電していることを示す。素粒子であるクオークは(-1/3)eまたは(+2/3)eの電荷を持っている。なお反粒子はその対になる粒子と正負が逆で絶対値が等しい電荷を持つ。たとえば電子の反粒子である陽電子は+eの電荷を持ち、陽子の反粒子である反陽子は-eの電荷を持つ。
通常、物質や空間の正電荷と負電荷の量は等しく、中性を保たれる。これは原子レベルでは陽子の個数と電子の個数が等しいことを意味する。何かの原因によって正負の電荷のバランスが崩れた時、その物質や空間は帯電しているという。帯電した物体は電場を作り出したりそれに影響を与える。 クーロンの法則によると、電荷を持った物体は電荷の符号が同じものどうしは反発し、異符号のものは互いに引きつけあう。その力はそれぞれの電荷の積に比例し距離の2乗に反比例する。
電荷の流れる速さは電流の大きさに等しく、その次元はC/sである。これはA(アンペア)であり、クーロン量Q[C]は電流I[A]と時間t[s]の積に等しい。つまり Q = It となる。 特殊相対性理論 特殊相対性理論の誕生 20世紀初頭の物理学では、力学の理論的な帰結であるニュートン力学と、電磁気学の理論的な帰結であるマクスウェルの方程式が矛盾することが理論面での大きな問題となっていた。
ニュートン力学によると、一定速度 V で動いている電車を座標系 R とし、地上を座標系 S とすると、電車の中で静止しているボールは、電車の中からみたボールの速度 VR は 0、地上からみたボールの速度 VSは V で運動しているように見える。
すなわち、
VS = VR + V の関係が成り立つ。この関係をガリレイ変換とよぶ。
電車の中の座標系 R でも、地上の座標系 S でも、同じ力学の法則が成り立つことから、「ニュートン力学から導かれる力学の法則はガリレイ変換に対して不変である」(ガリレイ不変)ことが知られていた。
これに対しマクスウェルの方程式では、真空中の電磁波(光)の速度(光速度)が、座標系の採り方によらず一定であることが示されていた。
上記のボールの代わりに電磁波(光)を使うとすると、マクスウェルの方程式からは、電車の中からみた光の速度 VR と、地上から見た光の速度 VS は等しい。つまり、VS = VR でなければならない。
これをもとにヘンドリック・ローレンツは1900年に「マクスウェルの方程式から導かれる電磁気学の法則はローレンツ変換に対して不変である」(ローレンツ不変)ことを発見した。
力学の法則はガリレイ不変であるが、電磁気学の法則はローレンツ不変であるという矛盾に対し、数学者のアンリ・ポアンカレはローレンツ変換に対して不変とした力学の法則を提示した。
この力学では、光速に近い速度では物体の長さが減少するという「ローレンツ収縮」が導入されているなど、後の特殊相対性理論の萌芽的なものであったが、統一的な理論を創りあげるまでには至らなかった。
また当時、エーテルという仮想の物質が空間に充満しており、電磁波はエーテルを媒質にして空間を伝搬すると考えられていた。
しかし、エーテルに対する地球の相対速度を検出すべく1881年に行われたマイケルソン・モーレーの実験では、そのような相対速度は検出されなかった。
この結果は、地球が宇宙に対して絶対的に静止しているか、そもそも絶対静止空間という考え自体が間違っていることを意味していた。
このような背景のもと、アインシュタインは、次の二つの仮定(公理)のみをもとに思考実験によって新しい理論を考え出した。
力学法則はどの慣性系においても同じ形で成立する(相対性原理)。 真空中の光の速さは光源の運動状態に無関係に一定である(光速不変の原理)。 この仮定を満たすために、それまで暗黙のうちに一様で変化しないとみなされていた空間と時間が変化するという結論が導かれた。
「光の速度に近い、加速していないロケットから、光の速度が c に見えるようにするためには、どうすればよいか。」
アインシュタインの答えは、「ロケットの時間が地上と同じように進むとすると、ロケットからは光の速度がのろく見えてしまい、不自然である。ロケットの中の時間の進み方が遅くなるとすれば、ロケットの中から見ても光速度(距離÷時間)は変わらないだろう。」 というものだった(静止していない慣性系での光速度不変についてはマイケルソン・モーリーの厳密な光速度測定において考えられていた)。
このように考えると、確かに、ロケットからも光の速度が地上と同じ c に見える。これが1905年にアインシュタインが提示した特殊相対性理論である。
しかし、このような考えはそれ以前の考え方とまったく相容れないので、大論争を引き起こした。
特殊相対性理論から導かれる帰結
相対性と光速度の不変
特殊相対論が力学の法則を再構成することにより、従来無条件に受け入れられていた基本的な概念が大きく様変わりする。
長さや時間は、もはや絶対的なものではなく、どのような慣性系から観察するかによって異なる、相対的なものとなる。
また、絶対静止空間の存在は否定される。この帰結によってマイケルソン・モーレーの実験においてエーテルに対する相対運動が検出されなかった結果をうまく説明することができる。
特殊相対論において不変な量は光速 c である。光の速度はどのような慣性系から観察しても同じ値を示す。また、質量を持った物体は光速を決して超えることができないことも示された。
相対論的電磁気学と相対論的力学
特殊相対論においては、力学と電磁気学を含むすべての物理法則はローレンツ変換に対して不変であることが要請される。
光速度不変と相対性原理から、修正することなく電磁波である光の物理学である電磁気学はローレンツ変換に対して不変である。むしろ、光速度不変は、電磁気学を相対性原理に対して不変にするための公理であると言うこともできる。
ニュートン力学については、ガリレイ変換に対して不変であるため、ローレンツ変換に対して力学法則を不変とするためには、ニュートンの運動方程式は若干の修正を受ける。これを相対論的運動方程式という。
ガリレイ変換同様に、光速が無限大とみなせる領域では、相対論的運動方程式はニュートンの運動方程式に一致する(逆に、相対論的運動方程式の理論的導出においては、 の極限でニュートンの運動方程式に一致させるようにパラメータを決めた)。
同時性
ニュートン力学では、事件 E1 と事件 E2 が同時刻に起こったとすれば、その事実は宇宙の何処にいる観察者にとっても、等しく受け入れられるべき疑いの余地のないものである。
しかし特殊相対論では、同時刻というのはそれぞれの慣性系に依存する相対的な概念になってしまう。すなわち、ある観察者 A にとって事象 E1 と事象 E2 が同時に起こったとしても、異なる慣性系にいる観察者 B にとっては同時ではないのである。
観測者 B のいる慣性系が、観測者 A のいる慣性系に対し、速度 v で運動していたとすると、この方向に x 軸をとれば、
ただし観測者 B のいる慣性系の座標にプライムをつけることとする。
事象 E1、E2 が起こった時刻をそれぞれ t1、t2、起こった点ををそれぞれ x1、x2 とする。それぞれの慣性系での座標値は、
二式の差をとれば、
観測者 A にとって同時ならば、t2 - t1 = 0 である。
観測者 B にとっては、
x2 ≠ x1 ならば、t2 ≠ t1 つまり同時ではない。
ただし同時性が相対的なものであることが、因果律を犯すものでないことに注意。互いに因果関係の有る二つの事象の間での前後関係はいかなる慣性系の間でも保たれる。
相対論的質量
特殊相対性理論を解釈する上で、相対論的質量というものを導入する場合がある。質量 m の物体が、速度 v で運動している場合、
で表される相対論的質量 mr を持つというものである。
たしかに、相対論的速度域での物体の運動は、質量が増大したかの様になるが、単純に質量 mr の物体である様に扱えるわけではない。
相対論的質量は誤解をまねきやすい概念なので使わない方が望ましく、(一般相対性理論も含めて)相対論では、物体の質量は座標系によらない不変量と考えればよい。
ニュートン力学の運動方程式によれば、質量 m の物体に力 F を加えると、
で表される加速度 a が生じる(F、a はベクトルである)。
しかし、この運動方程式は、ローレンツ変換に対して共変ではないので相対論的速度で運動する物体に対しては適用できない。
特殊相対性理論の運動方程式によれば、質量 m で、速度 v で運動している物体に力 F を加えると、
で表される加速度 a が生じる(v、F、a はベクトルである)。
特殊相対性理論の運動方程式からは、次のことが言える。
ニュートン力学と違い、力 F と加速度 a の方向は(特殊な場合を除き)一致しない。 したがって、ニュートン力学の様に で慣性質量を定義できない。 とはいえ、相対論的速度で運動する物体が、速度が増加するにしたがって加速されにくくなるのは事実である。
この加速されにくさを、よく言われているように質量増大で表すと次の様になる。
速度 v と力 F が垂直の場合、運動速度が光速の 90% になると質量は静止時の約2.3倍に、光速の 99% では静止時の約7.1倍になる。
速度 v と力 F が平行の場合、運動速度が光速の 90% になると質量は静止時の約12.1倍に、光速の 99% では静止時の約356倍になる。
力の加わる方向により質量が異なることから、古くはこれらのことを「横質量」、「縦質量」と呼んでいたこともある。
速度が増加するにしたがって加速されにくくなる効果は実際に観測されている。
荷電粒子を高速に加速する粒子加速器であるサイクロトロンは、加速粒子の速度が相対論的速度に達するとそれ以上加速を続けることが出来なくなる。これは、見かけの慣性質量が増えたことにより磁場中での粒子の曲がり方が鈍くなるためであると解釈できる。
一般相対性理論においてもほぼ同様で、相対論的速度域での物体の運動は、慣性質量と重力質量が増大したかの様になるが、単純に質量 mr の物体であるように扱えるわけではない。
相対論的質量の考え方は、一般相対性理論における等価原理とは相容れないものである。現在の標準的解釈では相対論的質量の考え方を用いることは一般的ではなくなっている。
相対論におけるエネルギー 特殊相対性理論によれば、運動する物体のエネルギーは次の式で表される。
:(式1)
ここで、E はエネルギー、m は質量、 は運動量、c は光速である。
この式の物体が動いていない場合が、静止した物質とその物質の持つエネルギー(静止エネルギー)の関係を表した次の式である。
E0 = mc2 この式は、質量を持つ物体には膨大なエネルギーが内在していることを示している。そして、実際に質量をエネルギーに変換することは可能である。
例えば、電子と陽電子を衝突させると、これらの粒子が対消滅し、元の質量に応じたエネルギーが発生する。また、原子核反応でエネルギーが発生する場合には、反応後の質量はわずかに減少するし(質量欠損)、一般の化学反応でも、非常にわずかではあるが質量が変化する。
速度が遅い場合について
運動量 と速度 の関係は次の式で表される。
:(式2)
式1と式2から、エネルギーと速度の関係は次の様になる。
:(式3)
この式をテーラー展開すると次の様になる。
この式は、速度 が光速度に対して充分小さい場合は、次の様になる。
mc2 は最初に述べた静止エネルギーであるので、結局式は次の様になる。
つまり、速度が遅い場合は、質量 m の物体が速度 で動いている場合の運動エネルギーが になるというニュートン力学と同じ結論になる。
なお、式3を導出するのに、E0 = mc2 の m として相対論的質量 を代入するという説明がなされることがあるが、正しい説明とは言えない。
まず、相対論的質量という概念自体にあまり意味がない(前項の相対論的質量を参照)。そして、E0 = mc2 という式は、静止エネルギーと質量の関係を表わしている式であるから、相対論的質量という質量とは異なるものを代入して、運動している物体のエネルギーが得られるかどうかは定かではない。
特殊相対性理論の幾何
特殊相対性理論ではある事象を記述するために、空間における位置を表す3つの座標と時間を表す1つの座標からなる 3+1 次元の4元ベクトル (x, y, z, ct) を用いる。この4元ベクトルにおける座標は観測者の属する座標系によって変わってくる。
慣性系 S(x,y,z,ct) と、S に対して x 方向に速度 v で等速直線運動をしている慣性系 S'(x',y',z',ct') を考える。S と S' は座標原点は一致しているとする。
ここでは、y, z 方向については考慮する必要が無い。簡単にするため、これらを無視して慣性系 S(x,ct) と慣性系 S'(x',ct') として考える。
特殊相対論以前の考え方は、S と S' の間は以下に示す「ガリレイ変換」と呼ばれる1次変換によって結び付けられるというものであった。
さて、S と S' は共に慣性系であり、お互いに対して等速直線運動をしているので、S に対して等速直線運動をしているものは S' に対しても等速直線運動をしている。
したがって、特殊相対論の元でも( x, ct) と (x',ct') との間は1次変換で変換されなければならない。
ただし、光速度不変の原理と特殊相対性原理を導入することにより、特殊相対論ではガリレイ変換とは異なるローレンツ変換とよばれる1次変換式が得られる。
まず、以下の式を満たす s, s' を導入する。
s2 = c2t2 − x2 (s')2 = c2(t')2 − (x')2 s = 0, s' = 0 のとき、上式は座標原点から発した光の波面をあらわす。
ここで、光速度不変の原理により、座標原点から発した光の波面はどの慣性系でも等しくなるため、s2 = 0 が成り立てば (s')2 = 0 であり、その逆も成り立つ。
これによって、s2 = k(s')2(k は比例定数、ここでは空間と時間は均質であると仮定している)が成り立つ。
特殊相対性原理によると、「いかなる慣性系においても物理法則は不変である」ため、上記において慣性系 S と慣性系 S' を入れ替えても同じ議論が成立する。
このため、逆の (s')2 = ks2 も同様に成り立つ必要がある。したがって k = 1 となり(v = 0 のときも、この等式が成り立つため、k = -1 とはならない)、以下の等式が得られる。
c2t2 − x2 = c2(t')2 − (x')2 ここまでの議論を拡張することで、いかなる慣性系においても、
s2 = c2t2 − x2 − y2 − z2 が不変となるという結果が得られる。ここで τ2 = − s2 としたとき、τ を固有時と呼ぶ。
以上をもとに簡単な計算により、(x,ct) と (x',ct') を結びつける1次変換として以下に示すローレンツ変換が導かれる(4元ベクトルを用いた、より一般的な変換式についてはローレンツ変換を参照)。
なお、速度 v が光速 c に比べ、十分に小さい場合、ローレンツ変換の式はガリレイ変換の式と等しくなる。
このため、光速より十分小さい速度領域では、ニュートン力学を用いても十分良い近似となる。
右図は上記の関係を座標平面に表したものである。慣性系 S を黒で、慣性系 S' を赤で示している。
事象 E1 と E2 は慣性系 S では同時に発生しているが、慣性系 S' では異なる時間に起こっていることがわかる。
また、慣性系 S' では2単位時間を要する事象が、慣性系 S では、より長い時間を要していることも見られる。
時間と空間がひとつになった4次元の空間のことを時空と呼ぶ。右図は時空図、もしくは相対性理論が幾何学で考えられることを発見したヘルマン・ミンコフスキーの名をとってミンコフスキー空間と呼ばれる。
上述の通り、ミンコフスキー空間の各点は事象を表し、各事象の軌跡は世界線を成す。また事象間の距離は固有時に依っており、特殊相対性理論において不変量である。
下図は特殊相対論による、長さの変化、時間の遅れを図示したものである。静止時に長さ l0 の棒が、慣性系 S' と共に速度 v で移動している様子を描いている。
左側の図は慣性系 S から見たもの、右側の図は慣性系 S' から見たものである。
4次元空間では、この棒は帯状に見えている(図中の黄色の帯)。異なる慣性系に属する観察者は、この帯を異なる切り口から見ていることになる。
帯中にある黒太線は、各慣性系におけるある瞬間にみた棒の様子を示している。慣性系ごとに切り口が異なるため、慣性系 S' では棒の長さは l0 であるが、慣性系 S では、ローレンツ収縮により棒は短くなっている。
図中には、時刻 0 に棒の一端から出た光が棒の他端を反射して、戻ってくる様子も描かれている(図中の青矢印)。慣性系 S' では2秒(2単位時間)で戻ってきているが、慣性系 S では、より長い時間で戻ってきているのがわかる。
特殊相対論の実験的検証
特殊相対性理論は、次のような事象からも検証されている。
航空機に乗せた原子時計に生じるわずかな遅れが理論と一致する。 宇宙線の衝突により発生する非常に寿命の短い粒子が地上で観測される(単純に光速度程度で移動したと考えても数百メートル程度しか移動できない)。 粒子加速器で粒子を光速近くまで加速すると、崩壊するまでの寿命が延びる。この寿命の延びは厳密に特殊相対性理論による予想に従う。 光速近くまで加速した電子等の荷電粒子を磁場によって曲げると、放射光と呼ばれる光が発生する。この光は特殊相対性理論の効果により前方に集中し、粒子軌道の接線方向への極めて指向性の高い光となる。
一般相対性理論へ
特殊相対性理論は重力のない状態での慣性系を取り扱った理論である。
後にアインシュタインは空間のゆがみとして重力場をも組み込んだ、より一般的な理論である一般相対性理論を発表した。この理論はアイザック・ニュートンの万有引力論を全面的に書き換えるものになった。
特殊相対性理論と一般相対性理論の2つの理論をあわせて相対性理論と呼ばれる。