利用者:YODAFON/クルアーンへの批判

クルアーンへの批判の項目では、イスラームの聖典クルアーンへの批判について記述する。他の聖典同様クルアーンへの批判は科学的観点、反イスラーム的観点などさまざまな観点からなされている。

クルアーンの起源に関して

イスラームの伝統的信仰では、クルアーンはムハンマドに啓示された神の言葉そのものであり、後の編集でもその文言を一字一句変更なく記載したとされている。これはキリスト教徒やユダヤ教徒にとっての聖書が伝統的に神の言葉そのものであるとされていたのと同じである。

しかし科学的に見れば、クルアーンはムハンマドの著作であるとされる。さらに、後代の編集の際ムハンマドが語ったクルアーンの内容を完全に盛り込んだのかは当然のことながら歴史学的には確定できない。ムハンマドが当初語ったクルアーンの内容とのずれや文書の脱落、追加などを疑う声もある。

上記のとおり神の言葉であるはずのクルアーンには、科学的な間違いなどはあってはならないものである。

しかし現実には、他の古代聖典と同様クルアーンも主として神話的世界観に基づいており、当時の不正確な科学的知識による記述も存在している。そのため、反宗教的科学者からの批判を受けている。

このような記述として最も有名なのは進化論の否定と創造論の主張^[1]である。実際にこれに基づき進化論を否定するムスリムも存在している。

神の言葉であるはずのクルアーンは人間の守るべき倫理に関しての最終的な指針である。

しかし現実のクルアーンの章句を紐解くと、異教徒への暴力を奨励する文言^[2]や、男性の女性に対する優越を謡った文言^[3]なども散見される。そしてクルアーンを神の言葉であるとしてその倫理をそのまま現代社会に適用しようとするイスラーム主義者たちの活動などが存在している。

そのため反イスラーム的な論者は積極的にクルアーンの中の暴力的文言や性差別的文言をあげつらい、イスラームを野蛮な宗教として攻撃している。

しかしこれらの文言はクルアーンの書かれた時代の倫理的水準が、現在とは大きく異なっていたことを考えれば理解しうるものでもある。また多くのムスリムはクルアーンの文言は7世紀における神の言葉であり、現代にそのまま当てはめるわけには行かないことを認めているとして、このような攻撃を批判する論者もいる。