コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

利用者:Yutowiki/無登録住民

ここでいう無登録住民(むとうろくじゅうみん)とは、役所に身分が登録されておらず、公的な身分証明書の多くが発行されない立場の日本在住者である。従来、統一した呼び方がなく、無戸籍者や無籍者などと呼ばれることが多かったが、これらは「戸籍はあるが住民登録がない者」などを含めることができず、狭い概念しか含められないので、無登録住民と呼ぶことにする。

近年、無戸籍の女子高生の海外旅行問題で話題になっているが、それまではほとんど取り上げられることがなかった。

日本の身分登録簿には、戸籍簿住民基本台帳外国人登録原票がある。日本国籍者は戸籍簿に記載され、定住していれば居住地の住民基本台帳に登録するものとされている。外国籍者は、日本に定住していれば外国人登録をすることとなっている。しかし、生まれながら登録がない場合や、当初はあったがあるときから登録しなくなった場合があり、これを無登録住民という。

分類

[編集]

無登録住民は大きく分けて、戸籍がない無戸籍者と、戸籍はどこかにあるが住民登録がない(あるいは住所と別な場所にある)無票者の二種類がある。なお、特例的に戸籍がなく住民票がある人もいる。無戸籍者には、外国籍者と無国籍者も含まれる。

下の表では、登録住民も含めて分類する。 ※は登録住民なのでこの項の対象外。 ☆は完全な無登録住民ではないが特殊なので特記することがある。 二重国籍者と皇族については別項で解説。

有戸籍者

[編集]

日本国籍がある。

非住民登録者

[編集]

無登録住民のうち、もっとも多いであろうパターン。定住すればいつでも住民登録できる、比較的恵まれた立場。ホームレスや逃亡者の多くはこれである。

※住民登録者

[編集]

日本で最多の属性。ほとんどの身分認証サービスがこれを前提にしている。

無戸籍者

[編集]

日本の国籍があるはずだが戸籍がない者と、日本の国籍がない者がある。

非登録者

[編集]

住民登録も外国人登録もしていない場合。通常の無戸籍日本人はこれである。日本人と外国人がある。住民登録は容易ではない。

完全無戸籍者
親にも戸籍がない。日本人なら以前はサンカなどがそうであった。不法滞在外国人もこれである。
未就籍者
親に戸籍があり、出生届が出されていない場合。あまり遅い場合は就籍届で戸籍を作成可能。離婚日数の問題などで、発生する。
外国人旅行者
一時的に来ている外国人。

☆住民登録者

[編集]

自治体の判断により、無戸籍ながら住民登録がある場合。少ないが、まれにある。日本国民。やや特殊な立場。

※通常外国人登録者

[編集]

多くの定住外国人。

※無国籍外国人登録者

[編集]

無国籍でも外国人登録ができる。

背景

[編集]

日本の戸籍制度は厳格であり、特例を除いて新たな戸籍を手に入れることが困難である。そのため、すでに持っている戸籍を捨てると、次に戸籍を手に入れられずに生きることになる。また、日常的には戸籍よりも住民票の影響が大きいが、戸籍がない人はスムーズに住民登録をすることが不可能であるため、戸籍を放棄すると住民票も失われることになる。

無登録住民には、自発的なものとそうでないものがある。自主的に戸籍または住民票を放棄するのは、逃亡のためが多い。例えば債権者や警察やストーカーや家族など、誰かから追われている場合である。つまり、犯罪や債務不履行の加害者の場合と、暴力の被害者の場合の両方がある。

住民票を見れば現住所が判明するし、戸籍の附票を見れば住民票の移転記録が判明する。このため、逃亡生活を送る人にとっては、住民登録をすると現住所が判明するので、住民登録をできない。役所はプライバシーの保護に配慮するようになって来てはいるが、実際にはさまざまな理由で他人に書類を出してしまう。

無戸籍者に厳しい制度は、犯罪者の逃亡を困難にする反面、ストーカー被害者の健康な生存も困難にする。しかし、真に巧妙な犯罪者は、犯罪を起こすときには偽名を使うので、戸籍名で指名手配されることはない。また、無登録での生活は確かに不便だが、刑務所よりははるかに楽であるため、逃亡中の犯罪者が「身分がない」ということを苦にして自首することはまれであり、犯罪防止にはならない。

生まれつき無登録の人は、親に戸籍がある場合は、離婚直後の出産などで出生届を出さなかったため未就籍のままであるというのが一例である。親も無登録の場合は、そういった一族の習慣であるか、外国人の場合である。

なお、金銭的に余裕があれば、無登録住民でも十分な生活はできるので、実害は薄い。

家出も、無登録住民に近いといえる。家出をしたい人は、ここを見てデメリットをあらかじめ認識することがよいと思われる。

身分証明

[編集]

身分証明書には、戸籍を基とするものと、住民登録または外国人登録を基とするものに分けられる。生活に密着した多くのものは、住民登録を基にする。このため、戸籍があるかないかよりも、住民票または外国人登録があるかないかの方が日常生活に影響が大きい。

戸籍によるもの

[編集]

・戸籍謄本・戸籍抄本・戸籍の附票

[編集]

・パスポート

[編集]

海外旅行に必要。

住民登録によるもの

[編集]

・住民票の写し

[編集]

・運転免許証

[編集]

・印鑑登録証

[編集]

・国民健康保険証

[編集]

・国民年金手帳

[編集]

その他

[編集]

・社会保険証

[編集]

社保完備の企業に就職すると交付される。無登録住民にとって有力な身分証明書となる。

・厚生年金手帳

[編集]

・学生証

[編集]

公的な本人確認書類としては無効だが、活用場面は多い。

本人確認書類

[編集]

本人確認法などによって、銀行口座や携帯電話の所有に身分証明書が必要になった。携帯電話の購入は、電気料金などの書類が必要な場合もある。

各場面

[編集]

無登録状態では、一般的な社会生活は不可能だが、資産さえあれば衣食住には問題がない。

入学

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

私立学校は、あまり問題ない。公立学校は、小中は学齢簿がないので自動的には入学できない。ただし外国人と同じように希望すれば入学できる場合もある。公立高校は不明、国立大学は、不明。

ただし、学校段階の途中から無登録になった場合(中学卒業までは住民登録があったが、高校入学直前に無登録のまま転居したような場合)は、別な困難がある。

予備校や塾は問題ない。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

多分上と同じ

出産

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

無戸籍の場合、出生届は出せるか不明。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

多分出せる。

結婚

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

事実婚のみ。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

多分婚姻届が可能。

受刑

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

無戸籍では犯罪人名簿に載らない。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

多分載る

資格

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

公道運転免許は取れない(フォークリフトなどは、身分証によっては大丈夫)。国際免許も難しい。 国家資格は困難。中検、高認(大検)も困難。 検定などの民間資格は取れる。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

不明

居住

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

年単位などの一般の賃貸住宅は大家の審査が厳しいので、よほど緩くないと無理。ウィークリーマンションなら、身分証明書が必要だが、保険証だけでいい場合もある。ホテルは身分証明不要だが、高い。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

不明だが、上記より緩和されるであろう。

不動産所有

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

住宅購入は、原則可能だが無登記のままになるので、外圧に対抗する必要がある。売却は困難。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

多分戸籍の附票で登記できる。

健康

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

健康保険証は、就職していれば会社のが発行される。国保は無理。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

不明

選挙

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

投票、立候補は無理。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

不明

金融

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

銀行口座や投資は保険証で作れる。高額の現金の銀行振り込みに証明書が必要になった。

外貨両替は可能。地金購入は可能だが売却は場合による。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

不明

融資

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

クレジットカードは、住民票がなくても保険証があれば作成可能。消費者金融も、職場在籍さえ分かれば、住民票の存在までは確認しない。住宅ローンなどは困難。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

多分同じ。

通信

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

電話回線、携帯電話は保険証でよい。ネットは、会社によって違う。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

不明

就労

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

堅い会社は住民票とかを要求する。保険完備で身分不要の会社を探せばよい。期間工はどうか?

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

不明

海外旅行

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

戸籍がある場合は、どこかに住民登録をして一時的にパスポートをもらえる。戸籍がない場合は、日本のパスポートは無理。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

多分パスポートは出る。

会社設立

[編集]

戸籍も住民票・外登証もない場合

[編集]

印鑑証明等が要求されるので困難。

戸籍があり住民票がない場合

[編集]

不明

身分証明書の要求されるケース。

[編集]

不在郵便物の局での受け取り、古書の売却、一部図書館の利用、金券の売却、鍵の開錠。

改善策

[編集]

ベストな改善策は見当たらない。なお、下記は実践に基づいた情報でないため、信頼性は不確定である。

戸籍新製

[編集]

就籍届というもので、戸籍を作ることは可能。しかし親族の戸籍があるような場合でなければ審査がきつい。

戸籍購入(非合法)

[編集]

非合法に戸籍売買という方法はあるが、ホームレスからの入手となるので、ホームレスに少ない年齢性別の人は難しい。相場は100万円くらい。一生使い続けるのは無理だろう。背乗り(はいのり)とも言う。

住民登録

[編集]

有戸籍者の場合、住所があれば住民登録は可能。しかし住民登録を今までしていないのは逃亡など何らかの理由があるはずで、それが解決されていない場合は意味がない。 無戸籍者の場合、住民登録だけするというのは、実例はあるが可能性は未知数である。

外国人登録・無国籍登録

[編集]

外国人であれば外国人登録をする。ただし不法滞在なら難しい。無国籍の外国人登録については詳細不明。

外国籍取得

[編集]

外国の国籍を手に入れる。セカンドパスポートを取得するという業者が存在する。取得後は帰化するか、外国人登録をする。

法人格利用

[編集]

一部の場面でしか有効でないが、法人格があれば土地の売買なども可能だし、自社で自分の保険証も出せる。しかし登記には身分が必要なので、休眠会社を購入し、実質的な経営権を所有するという方法がある。

保険証取得

[編集]

多くの場合に無難でオーソドックスな方法が、社会保険証の取得であると思われる。これによってある程度の身分証明が可能となり、本人の生活パターンによっては有登録者とあまり変わらない生活ができる。

外部リンク

[編集]