利用者:Zorac/引用のガイドライン試案

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この文書は、ウィキペディア (Wikipedia) における引用の扱いと方法についてのガイドラインです。


ウィキペディアにおける引用のガイドライン[編集]

ウィキペディアでの編集方針として、ウィキペディアではGFDLの制限と著作権法上のグレーゾーンを考慮し(備考参照)、著作権法上の引用より厳しい制限が必要だと考えています。このため独自に引用のガイドラインを設け、ウィキペディアにおいて認められる引用のあり方を定めるものとします。 以下のすべてを満たす場合のみ、他の著作物を引用して利用することができます。

このガイドラインの対象[編集]

A. 一般著作物

B. 著作権者から複製が認められた著作物(引用者自身が著作権を持つ場合も含む)

C. 著作権が存在しない著作物、パブリックドメインまたは GFDL での提供により自由な再利用が認められた著作物

Aを対象とするが、B.においてもその証明が困難であるため、これに準じるものとします。C.については適用されませんが、ウィキペディア全体の整合性を保つ為、できる限り本ガイドラインに従うようにして下さい。

※現在、引用の対象となる著作物を限定するかどうかについては議論中です。議論の対象として、文書のみを引用可能とする、文書の中でも歌詞や漫画のセリフは引用不可とするなどの方針について議論されています。

引用の条件[編集]

ウィキペディアの記事においては、いかなる著作物も、その著作物を引用しないで記事を書いたときに記事の意味が通らなくなる場合に限り、引用して利用することができます。

また、引用は、記事本文の記述に対しての補助的な利用に限り、引用が記事中で質的に主体となる位置を占めてはなりません。引用部分が記述の中心的事項となる場合や、引用に対する解説文を必要としない場合の引用は、Wikipedia では正当な引用とは認められず、著作権を侵害していると判断されます

引用の目的[編集]

以下の目的のいずれかに合致する場合に限り、ウィキペディアの記事において他の著作物から引用を行うことができます。

  1. ある事物について定義された文章が著作物になっており、その文章を記事に取り込む必要がある場合
  2. 語源や言葉の使い方の変遷を紹介する場合
  3. ノートでの議論に際してある文献にどう書いてあるかが重要である場合
  4. Wikipedia:中立的な観点およびWikipedia:言葉を濁さないに従い、ある人物の発言や著述を評価や意見のひとつとして取り上げる場合
  5. ある事物について論述された文章があり、その事物について説明する際にその論述が必要となる場合

以下の項目について引用を認めるかどうかは現在議論中です。

  1. 社会的な事件・事象・現象の説明を補強または反証する為にレポート・報告・報道を引用する場合

ウィキペディアの記事において、以下の場合の引用は認めていません。(この部分をどのように記述するかは議論中です)

  1. 記述の手間を省くために、著作物の文章をそのまま利用する場合
  2. 自分では優れた記事が書けないため、他人が書いた文章をそのまま利用する場合

引用の方法[編集]

ウィキペディアの記事において他の文書から引用を行う場合、引用部分の前後をかぎ括弧でくくる、インデントを行うなどして、明確に区別することとします。かぎ括弧は「」を用いることを基本とするが、引用文中に「」が含まれている場合などは、『』など別の括弧で代用することもできます。インデントは引用が複数の文章に渡るなど、長い場合に用います。

引用した部分の直後に、引用した文書(書籍、URL など)の標題、著者、ページまたは URL を記述し、引用元を明記しなければなりません。同一の文献から複数個所を引用している場合などは、引用元の記述を略記し、記事の末尾に「参考文献」などの章を設けて引用した文書の情報を記述することもできます。

著作権法の対象外である文書や、パブリックドメイン、GFDL で提供されている文書についても、上記の方式に従って引用することが望まれます。

引用の範囲[編集]

引用は、質的にも量的にも、解説文(地の文)に対して従属的であることが求められます。

ウィキペディアの記事における引用は、引用の目的を満たすために必要かつ最低限の部分でなければなりません。ここで最低限の部分とは、文の開始から句点までの範囲を指し、必要に応じて複数の文または文の一部を引用することができます。

ガイドラインに従っていない記事を見つけたときは[編集]

このガイドラインに従っていない記事を発見したときは、以下のように対処することが望まれています。

  1. まず、編集によってガイドラインに従う形式にできるかどうかを検討してください。可能であれば、編集によってガイドラインに従った形式に修正してください。
  2. 編集による修正が不可能と判断した場合は、以下のようにして編集部分を削除してください。
    1. 引用部分が著作権法に抵触すると判断される場合は、Wikipedia:削除依頼を通して削除処理を行ってください。
    2. 上記以外の場合は、編集により引用部分を取り除いた形で修正を行ってください。

免責事項[編集]

このガイドラインはウィキペディアにおける引用の標準的な方法および範囲について示したものであって、この方法に従っていればいかなる引用も認められるとは限りません。冒頭に掲げた引用の要件を満たさない形式での著作物の挿入は行わないようにしてください。

引用文の挿入時点では引用の要件を満たしていたものでも、編集によって要件を満たさなくなることも考えられます。そのような場合には、速やかに引用部分を取り除くか、修正を行わなければなりません。


備考[編集]

定義[編集]

  • このガイドラインにおいてとくに断りのない限り、「引用」とは、著作物の引用を指します。
  • このガイドラインに置いてとくに断りのない限り、「著作物」とは現在、著作権が保護されている著作物を指します。

著作権法と引用[編集]

日本国の著作権法では、次のように引用が認められています。

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
(昭和四十五年五月六日法律第四十八号『著作権法』、第三十二条より引用)

また、最高裁判所での判決(最高裁第三小法廷昭和55年3月28日判決(判例時報967-45))により、引用には以下の要件が求められています。

  1. 引用する必然性があること
  2. 引用文と地の文が明確に区別できること
  3. 地の文が主、引用文が従の関係にあること
  4. 引用元を明示していること

上記のように、引用と違法な複製との境界は不明確な部分があります。違法行為のリスクや、原著作者からの訴訟のリスクを避けるため、ウィキペディアではすべての引用を認めるべきでないという意見もあります。ウィキペディアにおいて引用を認める場合でも、著作権法によって認められた範囲よりも限られた部分で、引用が認められるべきであるという意見が大勢です。

記事の執筆者が引用であると主張しても、違法な複製と見なされる可能性の高い記述、すなわち著作権法違反による訴訟リスクの高い記述は、それを理由とした削除依頼の対象となります。

GFDL と引用[編集]

GFDL においては、引用に関してはいかなる記述もありません。このことが、GFDL では引用が禁止されていないという主張と、自由な改変を許さない引用は GFDL 上不可能であるという主張が対立する原因となっています。

Juriwiki-l メーリングリストでのひとつの意見として、文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約の第10条第1項で、正当な目的、方法での引用が認められているため(参照:[1])、GFDL で提供される文書内に他の著作物を引用することは可能とする見解が出ています。