前田祇園山笠
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(前田祇園山笠行事から転送)
前田祇園山笠(まえだぎおんやまかさ)は、毎年7月第3月曜(海の日)を最終日とする3日間、福岡県北九州市八幡東区祇園の仲宿八幡宮(なかやどはちまんぐう)に奉納される祇園祭である。約800年の歴史があるとされる祭で[1]、北九州市の無形民俗文化財に指定されている[2]。
概要
[編集]「一番山笠」、「二番山笠」、「本宮山笠」の3基が存在する。
日曜日には御神輿御神幸(おみこしごじんこう)が行なわれ、3つの山笠が仲宿八幡宮から神輿に随従し、お旅所(旧八束髪神社跡地)まで、おくりだしをする。かつて「桃園山笠」も存在したが、2005年(平成17年)に休止している[3]。
昼の部と夜の部があり、夜には人形飾山笠に電飾が施される。
この祇園行事は、地域の平安無事、悪疫退散を願う神事はもとより、地域の活性化・地域の連帯・青少年の健全育成にも貢献している。
歴史
[編集]- 1205年(元久2年、鎌倉時代初期)花尾城を拠点として遠賀郡一帯を支配していた麻生氏が、ふもとの地で領内の除疫、豊穣を祈願して「祇園会」を始めた[4]。
- 1394年( 応永年間、室町時代初期)、麻生氏が祇園原(ぎおんばら)に祇園社「八束髪(やつかひげ)神社を建立し、祭儀を行なった。
これより、杉勾欄に八色の手長旗を立てた旗笹山笠の巡行が始まる。
- 江戸時代に入り黒田氏が前田の地を治めることとなり、八束髪神社の御分霊を洞海湾を囲む各地の祀り、それぞれ祇園祭を始めることになった。
- 明治時代中期まで旗笹山笠、後期からは人形飾山笠の形態が登場した。
- 第二次世界大戦により、八束髪神社本宮焼失。現在は祇園本宮趾の碑と鳥居が残されている。
- 1961年(昭和36年)八束髪神社が仲宿八幡宮に合祀された。
- 2001年(平成13年)3月30日、北九州市の無形民俗文化財に旗笹山笠が指定された。
- 2004年(平成16年)大阪21世紀協会の主催する御堂筋パレードに参加[5]。
- 2005年(平成17年)800年祭を迎えた。
- 2008年(平成20年)旗笹山笠の巡幸は二番山笠のみであったが、本宮山笠も単独で旗笹山笠の巡幸を開始
- 2009年(平成21年)一番山笠も単独で旗笹山笠の巡幸を開始
- 2010年(平成22年)北九州市無形民俗文化財指定10周年記念行事を実施
- 2010年(平成22年)文化財指定10周年記念として起業祭に参加
- 2013年(平成25年)北九州市制50周年市民公募50事業 八幡東祇園まつりに参加
- 2017年(平成29年)旧八幡市制100周年記念事業 八幡東祇園まつりに参加
- 2023年(令和5年)北九州市制60周年を記念した「まつり八幡東」に参加。会場はスペースワールド跡地であるジ・アウトレットの駐車場で開催される。人形飾り山にて各山が参加し、前田祇園山笠のみならず他地域から参加している山笠(黒崎祇園など)の違いや熱意を観客に伝えた。
祇園囃子
[編集]大太鼓、小太鼓、鉦によって以下の曲が奏でられる。ほら貝を使用することもある。
- 据えばち
- 練りばち
- 追いばち
開催期間
[編集]- 例年7月第3月曜(海の日)を最終日とする土・日・月に開催
- お潮井取り 開催期間3週間前の日曜
- 旗笹山笠巡行 開催期間1週間前の日曜
スケジュール
[編集]- 開催期間 3週間前:お潮井取り
- 開催期間 1週間前:笹山笠巡行
- 前日祭(土曜日): 巡行
- 当日祭(日曜日): 御神輿御神幸
- 後日祭(月曜日): 競演会(会場:福岡ひびき信用金庫前田支店前 - 特別養護老人ホーム善興園前)
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 「前田祇園山笠」【7月19日-21日・北九州市】2008年07月20日西日本新聞朝刊
- ^ 『北九州市の文化財』北九州市、2016年、147頁。
- ^ 前田祇園山笠保存会ホームページ
- ^ 境内にある「前田祇園山笠由来」説明書き
- ^ 財団法人大阪21世紀協会御堂筋パレード2004フォトアルバム