動物探偵まどかの推理日誌
動物探偵まどかの推理日誌 | |
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ジャンル | 推理漫画、ミステリー風味コメディ[1] |
漫画 | |
原作・原案など | 宮﨑克 |
作画 | 左藤圭右 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊少年ライバル |
レーベル | ライバルコミックス(ライバルKC) |
発表号 | 2013年5月号 - 2014年7月号(終刊号) |
巻数 | 全4巻 |
話数 | 全15話 |
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『動物探偵まどかの推理日誌』(どうぶつたんていまどかのすいりにっし)は、原作:宮﨑克、作画:左藤圭右の漫画作品。講談社『月刊少年ライバル』2013年5月号から、同誌の終刊号である2014年7月号まで全15話連載された。単行本はライバルコミックス(ライバルKC)で全4巻。キャッチコピーは「史上初!の動物ミステリーコミック」[2]。
概要
[編集]動物に関する豊富な知識を持ち、その行動を読み解くことで動物と(比喩的に)会話ができるバイリンガル的少女、阿仁円(あに まどか)を探偵役とする推理漫画。「山羊さん」こと八木刑事から協力を求められ、動物が関わる事件を解決する。単行本の表紙等に記された英題は「Detective Bilin-Girl MADOKA」。基本的に1話完結形式だが、第5・6話だけは前後編になっている。第9話が発表された2013年12月、掲載誌『月刊少年ライバル』が2014年7月号をもって休刊となることが発表された[3]。休刊にともない一部の連載作品は別の雑誌やアプリ、Web連載に移行したが、本作は休刊とともに最終回を迎えた。
原作担当の宮﨑克は過去にも『人形草紙あやつり左近』などのミステリー漫画を手掛けてきた漫画原作者。本作の連載期間中、ミステリー漫画『月は囁く』(隔月刊誌『ビッグコミックオリジナル増刊』2013年3月号〜2015年11月号)の原作も同時に手掛けていた。
作画担当の左藤圭右(さとう けいすけ)はゴツボ☆マサルやゴツボ×リュウジのアシスタントを経験したのち[4]、少年ライバルコミック大賞からデビューした漫画家[5]。その縁で、左藤の初の単行本となった本作第1巻(2013年9月発行)の帯にはゴツボ☆マサルが、第2巻の帯にはゴツボ×リュウジがそれぞれ推薦コメントとイラストを寄せている[5][6]。
登場人物
[編集]- 阿仁円(あに まどか)
- 高校2年生にして、阿仁動物公園の園長。
- 動物の生態、行動に関するエキスパートで、動物に関する事件が起こると警察から協力を求められ、解決に力を貸す。八木刑事からは、「動物の行動(ことば)を聞きとって真相までも洞察する」さまはまるで、あらゆる動物の言葉を理解できる「ソロモンの指環」のようだと評された(第1話)。
- 動物の行動や痕跡等から事件の真相を見抜いたときの決め台詞は「○○は斯く語りき」。「○○」には「猫」、「熊」などの動物名やペットの固有名、あるいは「彼ら」、「彼女」(いずれにしろ動物を指す)等の代名詞が入る。
- 父の阿仁無間(あに むげん)はマタギ。母(名前不明)は獣医。母方の祖父であるジョーンズ・メビウスはトレジャー・ハンター。
- 高校生活はあまり描かれないが、お嬢様学校である折園学院大学附属高校[7]に通っており、クラスは2年酉組。仲の良いクラスメイトに亀梨万里と千羽千鶴がいる。
- 八木(やぎ)刑事
- 捜査一課所属。いつもスーツで眼鏡をかけた男性刑事。階級や年齢は不明だが、見た目は若い。
- 動物がらみの事件が起こると、まどかに協力を求める。まどかには「ヤギ(山羊)」のアクセントで「山羊さん」と呼ばれている。フルネームは本編には出てこなかったが、八木亜門(やぎ あもん)であることが単行本最終巻巻末のおまけページで明かされた[8]。
- 九玉藻(いちじく たまも)刑事
- 八木に好意を寄せる同僚の刑事。第5話で初登場し、以降は八木と2人1組で事件捜査をする。
- 名前のモチーフは九尾の狐と玉藻御前で[9]、ポニーテールの先端が9つに分かれた髪型をしている。まどかには「キューちゃん」[10]、「九(キュー)ちゃん」[11]と呼ばれている。
- 亀梨万里(かめなし まり)
- まどかの高校でのクラスメイト。まどかには「亀ちゃん」と呼ばれている。本編では、第11話「三匹が行(い)く」で初登場。
- 祖父は八木刑事が勤務する警察署の署長。UMA(ユーマ=未確認動物)に強い興味を持つ。なお、実はまどかもUMAには興味津々であり、第11話ではまどかと亀梨万里、千羽千鶴の3人で「妖怪屋敷」とうわさされる近所のボロ屋敷の探検に行く。続いて第12話では、宇宙人による動物の連続アブダクションと思われる事件の解明に3人で乗り出すが、本編への登場はこの2話だけであった。
- 千羽千鶴(せんば ちづる)
- まどかの高校でのクラスメイト。まどかには「鶴ちゃん」と呼ばれている。本編では、亀梨万里と同じく第11話「三匹が行く」で初登場。
- アウトローな組織「千羽組」の一人娘で、登下校はいつも高級車で送迎されている。亀梨万里とは中学からの同級生で、「マリ」「つるちゃん」と呼び合う仲。3人のなかでは比較的常識人でツッコミ役だが、怒るとすぐに手が出てしまう。UMAや宇宙人などには興味がないが、まどかと万里が突っ走ってしまうので、千鶴も結局一緒に行動することになる。本編への登場は第11話と第12話の2話だけであった。
- なお、作画担当の左藤は亀梨万里と千羽千鶴の2人をもっと早く本編に出したいと思っていたが、第4話用に2人の登場エピソードを「原作無視して描いたら全ボツ」になったと、第2巻巻末のおまけまんがで書いている。2人とも本編での初登場は第11話(第3巻に収録)だが、第1巻巻末のおまけまんが「未確認動物探偵まどかの周辺事件。」で先に登場している。
- 怪盗BONE(かいとうボーン)
- 広島弁で話す怪盗。第8話「参上! 動物怪盗BONE」で初登場。
- 動物を使ったトリックを用い、高価なものを盗み出す。犯行後には自分の犯行の証として現場に頭蓋骨のレプリカを残す。犯行前に予告状を送る場合は、頭蓋骨のレプリカに予告状をはさんで送りつける。まどかには「ボンさん」と呼ばれている。本名は本編には出てこなかったが、辻六道(つじ りくどう)であることが単行本最終巻巻末のおまけページで明かされた[12]。
書誌情報および収録エピソード一覧
[編集]原作:宮﨑克、漫画:左藤圭右『動物探偵まどかの推理日誌』(ライバルコミックス、講談社、全4巻)
巻 | 発行年月 | ISBN | 収録エピソード | 初出 |
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1 | 2013年9月4日[13] | ISBN 978-4-06-380285-6 | PAGE:001「蛇に魅入られた蛙」 | 『月刊少年ライバル』2013年5月号〜7月号 |
PAGE:002「笑い猫と招き猫」 | ||||
PAGE:003「ある日森の中熊さんが召し上がった」 | ||||
2 | 2013年12月27日[14] | ISBN 978-4-06-381303-6 | PAGE:004「鳥物帖」 | 『月刊少年ライバル』2013年8月号〜11月号 |
PAGE:005「化粧狐の嫁入り」 (読み:けしょうキツネのよめいり) | ||||
PAGE:006「化粧狐の嫁入り」 (読み:けしょうキツネのムショいり) | ||||
PAGE:007「フクロウの密室」 | ||||
3 | 2014年6月4日[15] | ISBN 978-4-06-381324-1 | PAGE:008「参上! 動物怪盗BONE」 | 『月刊少年ライバル』2013年12月号〜2014年3月号 |
PAGE:009「Catch me If youキャ――ン」 | ||||
PAGE:010「沈黙の金、雄弁の狼」 | ||||
PAGE:011「三匹が行く」 | ||||
4 | 2014年9月4日[16] | ISBN 978-4-06-381333-3 | PAGE:012「宇宙人だよ!全員集合!!!」 | 『月刊少年ライバル』2014年4月号〜7月号 |
PAGE:013「窮鼠 耳を貸す」 | ||||
PAGE:014「怪盗乱麻を断たれる」 | ||||
LAST PAGE「ソロモンリングは斯く語りき」 |
第5話「化粧狐の嫁(よめ)入り」と第6話「化粧狐の嫁(ムショ)入り」は、1話完結を基本とする本作の唯一の前後編作品。
日本国外での翻訳出版
[編集]2018年1月、台湾で繁体字中国語版『動物偵探小圓的推理日誌』の刊行が開始された。「圓」は「円」の正字体で、「小圓」は「圓ちゃん(円ちゃん)」のような意味。
- 『動物偵探小圓的推理日誌』1(訳:王薇婷、東立出版社、2018年1月、ISBN 9789863827924)
脚注
[編集]- ^ 作画担当の左藤圭右は本作について「『まどか』はミステリー風味コメディですよね?(自問)」と書いている。(第3巻表紙カバーそでの著者コメントより)
- ^ 単行本第2-4巻裏表紙より。単行本第1巻裏表紙では「の」がなく、「史上初! 動物ミステリーコミック」となっている。
- ^ 『月刊少年ライバル』休刊と新少年漫画誌刊行に向けてのお知らせ(PDF、講談社、2013年12月5日)
- ^ ゴツボ×リュウジTwitter 2013年9月26日7:55参照
- ^ a b 月刊少年ライバル編集部Twitter 2013年9月4日19:05参照
- ^ ゴツボ×リュウジTwitter 2014年2月4日18:06参照
- ^ 高校名は単行本最終巻(第4巻)巻末のおまけページ(191頁)より。
- ^ 単行本第4巻、190頁。なお、活字では「亜門」とされているが、同ページの書き文字では「亞門」、同巻188ページのおまけ4コマ内の書き文字でも「亞門」という表記になっている。
- ^ 単行本第4巻、190頁
- ^ 第5話(単行本第2巻、83頁、139頁)
- ^ 第12話(単行本第4巻、19頁、23頁、28頁、39頁)
- ^ 単行本第4巻、191頁
- ^ “『動物探偵まどかの推理日誌(1)』(左藤 圭右,宮崎 克)|講談社コミックプラス”. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “『動物探偵まどかの推理日誌(2)』(左藤 圭右,宮崎 克)|講談社コミックプラス”. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “『動物探偵まどかの推理日誌(3)』(左藤 圭右,宮崎 克)|講談社コミックプラス”. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “『動物探偵まどかの推理日誌(4)<完>』(左藤 圭右,宮崎 克)|講談社コミックプラス”. 2020年8月2日閲覧。