勝利の女神により戴冠されるルイ13世
フランス語: Louis XIII couronné par la Victoire 英語: Louis XIII Crowned by Victory | |
作者 | フィリップ・ド・シャンパーニュ |
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製作年 | 1634年ごろ |
種類 | キャンバス、油彩 |
寸法 | 163 cm × 154 cm (64 in × 61 in) |
所蔵 | ルーヴル美術館、パリ |
『勝利の女神により戴冠されるルイ13世』(しょうりのめがみによりたいかんされるルイじゅうさんせい、仏: Louis XIII couronné par la Victoire、英: Louis XIII Crowned by Victory)は、フランドル出身でフランスに帰化した17世紀の画家フィリップ・ド・シャンパーニュが1634年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した肖像画である[1][2]。リシュリュー枢機卿から、今日パレ・ロワイヤルとなっている当時の枢機卿宮殿 (Palais Cardinal)のために委嘱された作品である[1][3]。ラ・ロシェル包囲戦 (1627-1628年) の勝利を記念して、フランス王ルイ13世が勝利の擬人像に戴冠される姿を表している[1][3]。1796年以来[1]、パリのルーヴル美術館に所蔵されている[1][3][4][5]。
作品
[編集]本作は枢機卿宮殿の「著名な人物のギャラリー (la gallerie des Hommes illustres)」の南側の壁面を装飾していたもので、サイズ的にはギャラリーで最大であった[1]。南側の壁面には、やはりシャンパーニュが描いたガストン (オルレアン公) とアンリ4世の肖像に加え、アンヌ・ドートリッシュとマリー・ド・メディシスの肖像もかけられていたが、今日、それらは現存していない[1]。
画中のルイ13世は甲冑姿で描かれている[1][3]。甲冑には腕鎧、腿あてなどが付属し、肩から下がる飾帯にはアンリ3世の時代の1587年に創設されたという聖霊騎士団の綬がつけられている。左の台の上には兜と籠手が見える[3]。王は勝利を擬人化した女神により月桂樹の冠を授けられており、女神はもう1方の手にシュロの枝を持っている[1][3]。
この情景は、王がラ・ロシェル包囲戦に勝利した史実を表すものである。背景には、ジャック・カロの版画にもとづいたラ・ロシェルの港が艦船、軍隊とともに描かれている[1][3]。ラ・ロシェルは、フランスにいたプロテスタントのユグノーが根拠地としていた都市であった[3]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 坂本満 責任編集『NHKルーブル美術館VI フランス芸術の花』、日本放送出版協会、1986年刊行 ISBN 4-14-008426-X