勝尾金弥
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勝尾 金弥(かつお きんや、1927年9月20日[1] - 2020年4月4日 [2])は、日本の児童文学者。愛知県立大学名誉教授。
経歴
[編集]1927年 警察官であった林弥三郎の四男、九番目の子として石川県金沢市に生まれる。父の仕事の関係で石川県七尾市、茨城県へと移り住む。1937年 当時旅順に住んでいた叔父夫婦の勝尾貞蔵・栄子の養子となり、勝尾姓となる。
1953年 金沢大学教育学部卒業。金沢市内の中学校教諭を経て、愛知県立大学教授(1991年定年退官、現在は名誉教授)、梅花女子大学教授(1999年退職)を勤める。この間、数々の児童文学を著す。後年は金沢市に在住。
受賞歴
[編集]- 1969年 『天保の人びと』で第16回サンケイ児童出版文化賞
- 1973年 『能登のお池づくり』で第1回泉鏡花記念金沢市民文学賞
- 1977年 『黎明期の歴史児童文学』で日本児童文学学会賞奨励賞
- 1981年 『七つばなし百万石』で第21回日本児童文学者協会賞
- 2000年 『伝記児童文学のあゆみ』で第24回日本児童文学学会賞。石川テレビ賞
- 2001年 巖谷小波文芸賞特別賞
- 2003年 中日文化賞
著書
[編集](多くは「かつおきんや」名義、漢字表記は記す)
- 『天保の人びと』(牧書店) 1968、のち偕成社文庫
- 『井戸掘吉左衛門』(牧書店) 1969
- 『安政五年七月十一日』(牧書店) 1970
- 「かつおきんや作品集」(牧書店→アリス書房牧神社)
- 『太郎のみたゆめ』(アリス館牧新社) 1974
- 『鼻かけじぞうさん』(講談社) 1975
- 『ひまか島のたいっ子』(アリス館牧新社) 1975
- 『かさまいじいさん』(アリス館牧新社) 1976
- 『あるく金沢・能登』(新声社、越中・越前 トラベルシリーズ) 1977
- 『黎明期の歴史児童文学 「歴史読本」から「日本お伽噺」まで』(勝尾金弥、アリス館) 1977
- 『歴史と歴史文学の本』(勝尾金弥、いづみ書房、くさぶえ文庫) 1977
- 『燃えよ高尾城』(PHP研究所) 1979
- 『七つばなし百万石』(偕成社) 1980
- 『見えない敵を追え 続・燃えよ高尾城』(PHP研究所) 1980
- 『山から声が降ってくる』(偕成社) 1980
- 『あらしの中の十七年 長屋八内のご一新』(偕成社) 1981
- 『大陸にかけた友情の橋 中国と日本をむすんだ内山完造』(PHP研究所、PHPこころのノンフィクション) 1981
- 「かつおきんや作品集」全18巻(偕成社) 1982 - 1983
- 『天保の人々』
- 『五箇山ぐらし 続天保の人々』
- 『雪の人くい谷 続五箇山ぐらし』
- 『井戸掘吉左衛門』
- 『辰巳用水をさぐる』
- 『まぼろしの木橋』
- 『安政五年七月十一日』
- 『能登のお池づくり』
- 『山から声が降ってくる』
- 『あらしの中の十七年
- 『雪のともしび 金沢にいた高山右近』
- 『らくだは空をとんだか』
- 『白いにぎりめし』
- 『おふゆ捕物帳』
- 『百万石のうらばなし』
- 『七つばなし百万石』
- 『おりょう三郎平』
- 『へそ取り徳平』
- 『人間・新美南吉』(大日本図書、叢書=児童文学への招待) 1983
- 『おばあさんのゾウ』(リブリオ出版、はじめての海外旅行) 1984
- 『サンパイ・ベルジュンパ・ラギ』(リブリオ出版、はじめての海外旅行) 1984
- 『なぞのエス・コンドー』(リブリオ出版、はじめての海外旅行) 1985
- 『マレーシアの語り人』(汐文社、原爆児童文学集) 1985
- 『一乗谷のなぞ 四百年のねむりからさめた』(若草書房) 1986
- 『森銑三と児童文学』(勝尾金弥、大日本図書、叢書=児童文学への招待) 1987
- 『イモチャキによろしく』(学校図書) 1988
- 『ニーハオといわなかったころ』(大日本図書) 1988
- 『緑の島はるかに 台湾少年工物語』(大日本図書) 1989
- 『風をみた人 かつおきんやと読む新美南吉』(民衆社) 1992
- 『時をこえるロバの旅』(箕田源二郎画、大日本図書) 1992
- 『こんなに楽しい絵本の読み聞かせ かつおきんやと読む13の名作』(民衆社) 1993
- 『「ごんぎつね」をつくった新美南吉 人間・新美南吉』(ゆまに書房、ヒューマンブックス「児童文学」をつくった人たち) 1998
- 『トンビと千次』(能登印刷出版部) 1998
- 『伝記児童文学のあゆみ 1891から1945年』(勝尾金弥、ミネルヴァ書房、Minerva21世紀ライブラリー) 1999
- 『百万石ふしぎ話』(けやき書房) 1999
- 『巖谷小波お伽作家への道 日記を手がかりに』(勝尾金弥、慶應義塾大学出版会) 2000
- 『ゆめは野をこえ』(能登印刷出版部) 2002
- 『この父にして 藤岡作太郎・鈴木大拙・木村榮の幼時』(勝尾金弥、梧桐書院) 2004
- 『オブラート発明物語 異才・藤本吉二が行く』(勝尾金弥、能登印刷出版部) 2006
- 『がんばりやの作太郎 古典文学研究の開拓者・藤岡作太郎』(北國新聞社、ふるさと偉人絵本館) 2006
- 『長生きをした貞太郎 禅を広めた鈴木大拙』(北國新聞社、ふるさと偉人絵本館) 2006
- 『譲吉は行く波のりこえて タカジアスターゼを発見した化学者・高峰譲吉』(北國新聞社、ふるさと偉人絵本館) 2007
- 『榮は元気ないちばん星 「Z項」を発見した天文学者・木村榮』(北國新聞社、ふるさと偉人絵本館) 2007
- 『みんな仲よし幾多郎きょうだい 日本を代表する哲学者・西田幾多郎』(北國新聞社、ふるさと偉人絵本館) 2007
- 『いつも誰かがいてくれた 生い立ちの記1』(能登印刷出版部) 2008
- 『かたい人の輪に守られて 生い立ちの記2』(能登印刷出版部) 2009
- 『金沢ふしぎめぐり』(北陸児童文学協会、つのぶえ文庫) 2009
- 『七一雑報を創った人たち 日本で最初の週刊キリスト教新聞刊行の顛末』(創元社) 2012
- 『山へ登ろう。いろんな山へ - 子どもたちへの深田久弥のメッセージ』(桂書房) 2012
共編著
[編集]- 『続・乳幼児の発達と教育』(青木民雄, 勝尾金弥編著、三和書房) 1979
- 『中野重治と児童文学』(勝尾金弥編著、能登印刷出版部) 1994
- 『鈴木三重吉童話集』(勝尾金弥編、岩波文庫) 1996
- 『ブラックブラックは学校ネコ』(編、ポプラ社) 1996
- 『O・S・A・R・U こちらおサルの放送局』(編、ポプラ社) 1997
翻訳
[編集]- 『ぼくは船長の子どもなんだ 中国の児童読物』(鄭開慧、牧書店) 1966
- 『おばあちゃんのたんじょうび』(フランツ・ブランデンバーグ、アリス館牧新社) 1976
- 『きょうはおやすみだよ』(フランツ・ブランデンバーグ、アリス館牧新社) 1976
- 『どろぼうだどろぼうよ』(フランツ・ブランデンバーグ、アリス館牧新社) 1976
脚注
[編集]- ^ 『現代日本人名録』
- ^ “勝尾金弥さん死去 92歳児童文学、中日文化賞”. 中日新聞. (2020年4月6日) 2020年4月7日閲覧。