区界峠
区界峠(くざかいとうげ)は、岩手県盛岡市から同県宮古市を結ぶ峠。標高751 m。
概要
[編集]北上山地の兜明神獄の西側に位置し、簗川と閉伊川の分水嶺をなしている。盛岡藩の藩政時代に開通した宮古街道が国道106号へ引き継がれたが、現在は区界トンネル(1975年)に国道106号の経路が変更された。さらに、地域高規格道路宮古盛岡横断道路の一部として新区界トンネルが開通している。旧道はトンネルの北側にある。山田線のトンネルは峠にはなく盛岡側の勾配区間にある。
区界トンネル
[編集]国道106号が区界峠をくぐるトンネルである。標高はおよそ730 m[1]で、同国道の最高地点である。東口付近には盛岡市と宮古市の境がある。
トンネルは1975年竣工、延長271 m、幅6.0 m、高さ4.6 m。2車線。歩道が狭い(幅1m未満)。東側には約300 mほどの長いスノーシェルターが接続されている。
スノーシェルターの手前約100 mの位置にJR区界駅(東北標高最高駅)、道の駅区界高原と郵便局がある。
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トンネルの盛岡側(西側)出口
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トンネルの宮古側(東側)出口
新区界トンネル
[編集]国道106号最大の難所とされていた区界峠の解消のため、東日本大震災からの「復興支援道路」として国土交通省が岩手県から権限代行を受けて、地域高規格道路宮古盛岡横断道路の一部として区界峠を回避する「区界道路」(自動車専用道路・第1種第3級)の整備を進め、総事業費約370億円を投じて2020年12月5日に開通した[2][3]。同道路及び岩手県内の道路トンネルでは最長・東北地方でも全体3番目の長さとなる新区界トンネル(全長4,998 m、事業費約250億円)は[4]道路法第46条第3項に基づき5,000 m以上の道路トンネルに適用される危険物積載車両の通行制限適用を回避するためトンネル延長を5,000 m未満に抑えている[5]。
新区界トンネル内は東側ほど標高が高く、東口の標高は666 mである。区界道路は新区界トンネルと盛岡側に続く簗川トンネルで23箇所の急カーブを解消する[6]。
脚注
[編集]- ^ 現道の最高所は、トンネルの東側坑門付近で730mほどである。http://yamaiga.com/road/r106_kuzakai/main3.html
- ^ “宮古〜盛岡間の最大の難所が解消! 宮古盛岡横断道路「区界〜簗川」間が令和2年12月5日(土)15時00分に開通” (PDF). 国土交通省東北地方整備局 岩手河川国道事務所・岩手県・盛岡市・宮古市 (2020年10月27日). 2020年10月30日閲覧。
- ^ 「新区界トンネル着工 宮古盛岡横断道路、難所回避へ」『岩手日報』岩手日報社、2016年6月9日。オリジナルの2018年1月12日時点におけるアーカイブ。2019年3月3日閲覧。
- ^ 「<宮古盛岡横断道>岩手最長4998 m 盛岡と宮古つなぐトンネルが貫通」『河北新報』河北新報社、2018年1月12日。オリジナルの2018年1月13日時点におけるアーカイブ。2019年3月3日閲覧。
- ^ 「新区界トンネル着工 宮古盛岡横断道路、難所回避へ」『岩手日報』岩手日報社、2015年6月29日。オリジナルの2015年7月2日時点におけるアーカイブ。2019年3月3日閲覧。
- ^ 国土交通省 東北地方整備局 岩手河川国道事務所長寄稿
参考資料
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 3 岩手県』角川書店、1985年3月8日。ISBN 4-04-001030-2。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]座標: 北緯39度39分13秒 東経141度20分59.3秒 / 北緯39.65361度 東経141.349806度