南の星 (雑誌)
南の星(みなみのほし)とは、台湾本島で1939年(昭和14年)6月に創立された天體觀測同好會(台北市公会堂事務所内)の機関誌である。昭和23年7月創刊の同名雑誌とは無関係である。第3巻第12号まで、國立臺灣圖書館に収蔵されている。月刊。
概要
[編集]1940年(昭和15年)2月に第1巻第1号が発行され、同年12月に第11号が発行された。
1941年(昭和16年)1月から12月まで、第2巻全12号が発行された。
1942年(昭和17年)1月から12月まで、第3巻第12号までの発行が確認されている。
1943年(昭和18年)1月3日に窪川一雄が病没したため、発行が停止したものと考えられる。
内容
[編集]第一巻第一號(昭和15年2月20日発行)
- 「南天の星は招く」(窪川一雄)、「合歡山で見た十字星」(中澤孝一郎)、紙上天文講話「太陽の知識(一)太陽の構造」、「天體写真コント」(和泉宏彌)、「續高砂族物語(一)宵の明星と暁の明星」、「恍惚夜空を飾る」、本會會員御紹介
第一巻第二號(昭和15年3月26日発行)
- 「天體觀測と氣象の關係」(窪川一雄)、「本島に於ける太陽の傳説」(東方孝義)、紙上天文講座「太陽の知識(二)」(窪川一雄)、「彗星探しを奨める」(XYZ生)、「世界天文界消息」(中島精治)
第一巻第三號(昭和15年4月18日発行)
- 「現代の宇宙觀」(松隈健彦)、紙上天文講座「星座の解説(一)」(窪川一雄)、「觀天漫語」(XYZ生)、「續高砂族物語(二)」、彙報
第一巻第四號(昭和15年5月15日発行)
- 「現代の宇宙觀(二)」(松隈健彦)、「星と人生」(シ、グリフイン)、紙上天文講座「星座の解説(二)」(窪川一雄)、「思ひつくまゝ」(MA生)、「續高砂族星物語(三)」、彙報
第一巻第五號(昭和15年6月17日発行)
- 「臺灣旅行日記から」(水野千里)、「百萬兩の天文學」(村上晴明)、紙上天文講座「星座の解説(三)」(窪川一雄)、觀天漫語」(XYZ生)、「二重星の美」(蔡章献)、「星と中學生」(C・P生)、「續高砂族星物語(四)」
第一巻第六號(昭和15年7月14日発行)
- 「星とプラネタリウム(一)」(小林正男)、「百萬兩の天文學(二)」(村上晴明)、紙上天文講座「星座の解説(四)」(窪川一雄)、「天文學的人生觀」(不人生)、彙報
第一巻第七號(昭和15年8月8日発行)
- 「百萬兩の天文學(三)」(村上晴明)、「星とプラネタリウム(つづき)」(小林正男)、紙上天文講座「星座の解説(五)」(窪川一雄)、「旅の星」(東方孝義)、彙報
第一巻第八號(昭和15年9月発行)
- 「百萬兩の天文學(四)」(村上晴明)、「俳句と天文(一)」(藤田芳仲)、「流星」(蔡章献)、彙報
第一巻第九號(昭和15年10月12日発行)
- 「航海と天文」(秋吉海軍大佐)、「百萬兩の天文學(五)」(村上晴明)、「俳句と天文(二)」(藤田芳仲)、紙上天文講座「星座の解説(六)」(窪川一雄)、「新體制と科學する心」(XYZ生)、彙報
第一巻第十號(昭和15年11月5日発行)
- 「水星の太陽面經過に就て」(窪川一雄)、「航海と天文(承前)」(秋吉海軍大佐)、「百萬兩の天文學(六)」(村上晴明)、「消息四つ」、彙報
第一巻第十一號(昭和15年12月7日発行)
- 「木星と土星」(窪川一雄)、「百萬兩の天文學(七)」(村上晴明)、紙上天文講座「星座の解説(七)」(窪川一雄)、「彗星探訪記」(S・S生)、彙報
第二巻第一號(昭和15年12月31日発行)
第二巻第二號(昭和16年2月5日発行) 題字:平山清次博士、表紙(星圖):和泉宏彌
- 「目次」、「今年の皆既日食に就て」(窪川一雄)、「天文閑話」(村上春太郎)、「冬星を詠む」(昌久)、一九四〇年度に於ける太陽黒點觀測を了りて」(蔡章献)、「地球の後継者は金星か」(秋風散人)、紙上天文講座「星座の解説(八)」(窪川一雄)、「星の思ひ出」(S・S星)、「百萬兩の天文學(九)」(晴明星)、彙報
第二巻第三號(昭和16年3月10日発行) 題字:平山清次博士、表紙(星圖):和泉宏彌
- 「目次」、「天文閑話(二)」(村上春太郎)、「『ローソツプ島』日食觀測の思ひ出」(窪川一雄)、「百萬兩の天文學(十)」(晴明星)、觀測、彙報
第二巻第四號(昭和16年4月15日発行) 題字:平山清次博士、表紙(星圖):和泉三思
- 「目次」、「天文閑話(三)」(村上春太郎)、「南天の壽星カノープスを詠む」(藤田芳仲)、紙上天文講座「星座の解説(九)」(窪川一雄)、「古代天文學史序説」(晴明生)、「野尻抱影先生より」、「星圖の見方に就て」(和泉三思)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」
第二巻第五號(昭和16年5月20日発行) 題字:平山清次博士、表紙(星圖):和泉三思
- 「目次」、"THE SUN-HEAT IN FORMOSA" Roy Budoni、「天文閑話(四)」(村上春太郎)、「日食は何故起るか」(窪川一雄)、「フオーブス古代天文學史序説(二)」(晴明生)、「日蝕に對する臺灣の慣習」(東方孝義)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」
第二巻第六號(昭和16年6月24日発行) 題字:平山清次博士、表紙(星圖):和泉三思
- 「目次」、「天文閑話(五)」(村上春太郎)、「地球はいつ亡ぶ?」(W. Camffert)、「フオーブス古代天文學史序説(三)」(晴明生)、「觀測欄」、「彙報欄」
第二巻第七號(昭和16年7月14日発行) 題字:平山清次博士、表紙(星圖):和泉三思
- 「目次」、「本年九月二十一日の日蝕について」(山本一清)、「天文閑話(六)」(村上春太郎)、「夏星を詠える」(小林土志朗)、「高砂族と星の傳説」(平岡生)、「フオーブス古代天文學史序説(四)」(晴明生)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」
第二巻第八號(昭和16年8月)
- 「目次」、「天文閑話(七)」(村上春太郎)、「沸騰する巨大の大気」、「火星雑考(一)」(X・Y・Z生)、「夏星に拾ふ」(藤田芳仲)、「肉眼による日食共同観測」、「觀測欄」(蔡章献)、以下、不明。
第二巻第九號(昭和16年9月6日発行) 題字:平山清次博士、表紙(古代星圖)
- 「目次」、「三度び日食觀測を前に」(窪川本會長)、「天文閑話(八)」(村上春太郎)、「南の星随想」(井本進)、「星座を詠める(二)」(小林土志朗)、「火星雜考(二)」(X・Y・Z)、「天體・音樂」(O・P・Q)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」(肉眼による日食觀測記入用紙が添付されている。)
第二巻第十號(昭和16年10月15日発行) 題字:平山清次博士、表紙(古代星圖)
- 「目次」、「天文閑話(九)」(村上春太郎)、「太陽病む(一)」(藤田芳仲)、「彭佳嶼に於ける日蝕觀測記」(窪川一雄)、「富基角随想」(分部照成)、「富基角日蝕觀望記」(富谷隆雄)、「婦人會員による日蝕見参記」(金村那美子、佐藤登貴子、菊池うめ子)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」
第二巻第十一號(昭和16年11月8日発行) 題字:平山清次博士、表紙(古代星圖)
- 「目次」、「天文閑話(十)」(村上春太郎)、「コロナをスケッチする」(大賀潔)、「太陽病む(二)」(藤田芳仲)、「日蝕觀測班手記」(臺北高校觀測班)、「日蝕片々録」(高橋雅子、東方孝義)、紙上天文講座「星座の解説(十)」(窪川一雄)、「觀測欄」(蔡章献)
第二巻第十二號(昭和16年12月14日発行) 題字:平山清次博士、表紙(古代星圖)
- 「目次」、「天文閑話(十一)」(村上春太郎)、「日食を觀察して(一)」(天満屋常太郎)、「コロナの眼視觀測記」(蔡章献)、「觀測欄」(S・S生)
第三巻第一號 (昭和17年1月2日発行) 題字:平山清次博士、表紙(冬の星座):和泉三思
- 「目次」、「臺灣への希望」(山本一清)、「彭佳嶼日食遠征記」(服部忠彦)、「天文閑話(十二)の一」(村上春太郎)、「天文メモに拾ふ」(唯夫生)、紙上天文講座「星座の解説(十一)」(窪川一雄)、「天體距離の計算」(中嶋精治)、「水星の日面経過とその観測報告」(渓々生)、「觀測欄」「小望遠鏡による火星觀測(一)」(蔡章献)、「彙報欄」
第三巻第二號(昭和17年2月8日発行) 題字:平山清次博士、表紙(冬の星座):和泉三思
- 「目次」、「天文閑話(十二)の二」(村上春太郎)、「小望遠鏡による火星觀測(二)」(蔡章献)、「黄裳天文圖(一)」(渓々生)、「空を眺める」(井野一正)、紙上天文講座「星座の解説(十二)」(窪川一雄)、「二月の天象」(S.I.生)、「萬華天體觀測所便り」(蔡章献)
第三巻第三號(昭和17年3月13日発行) 題字:平山清次博士、表紙(春の星座):和泉三思
- 「目次」、「天文閑話(十三)」(村上春太郎)、「春の月」、「黄裳天文圖に就て(承前)」(渓々生)、「臺灣日食觀測行」(坂上務)、紙上天文講座「星座の解説(十三)」(窪川一雄)、「三月の天象」(S.I.生)、「觀測欄」(蔡章献)
第三巻第四號(昭和17年4月29日発行) 題字:平山清次博士、表紙(春の星座):和泉三思
- 「目次」、「天文閑話(十四)」(村上春太郎)、「一般天體觀測の仕方(一)」(蔡章献)、「『天文資料展』を觀る」(金村那美子)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」
第三巻第五號(昭和17年5月14日発行) 題字:平山清次博士、表紙(春の星座):和泉三思
- 「目次」、「天文閑話(十五)」(村上春太郎)、「一般天體觀測の仕方(二)」(蔡章献)、「星座を詠める」(小林土志朗抄)、紙上天文講座「星座の解説(十四)」(窪川一雄)、「南十字の便り」(中島精治)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」
第三巻第六號(昭和17年6月16日発行) 題字:平山清次博士、表紙(夏の星座):和泉三思
- 「目次」、「六月の天象」、「天文閑話(十六)」(村上春太郎)、「昭和十六年度の太陽黒點觀測綜合報告」(蔡章献)、「夏來る」、「生物は流星に乘つて」(X・Y・Z生)、「觀測欄」(蔡章献)
第三巻第七號(昭和17年7月16日発行) 題字:平山清次博士、表紙(夏の星座):和泉三思
- 「目次」、「七月の天象」、「天文閑話(十七)」(村上春太郎)、「一般天體觀測の仕方(三)」(蔡章献)、紙上天文講座「星座の解説(十五)」(窪川一雄)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」
第三巻第八號(昭和17年8月16日発行) 題字:平山清次博士、表紙(夏の星座):和泉三思
- 「目次」、「八月の天象」、「天文閑話(十八)」(村上春太郎)、「一般天體觀測の仕方(四)」(蔡章献)、「星座に寄する」(小林土志朗)、「子午環室」、紙上天文講座「星座の解説(十六)」(窪川一雄)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」
第三巻第九號(昭和17年9月10日発行) 題字:平山清次博士、表紙(秋の星座):和泉三思
- 「目次」、「九月の天象」、「天文閑話(十九)」(村上春太郎)、「新星探し」(岡林滋樹)、「星の便り」(津留繁雄、窪川一雄、村上春太郎、鈴田望)、「觀測欄」(蔡章献)、「彙報欄」
附録:天體觀測同好會 會員名簿(昭和17年8月末現在)
第三巻第十號(昭和17年10月13日発行) 題字:平山清次博士、表紙(秋の星座):和泉三思
- 「目次」、「天文閑話(二〇)」(村上春太郎)、「自然に親しむ心」(早坂一郎)、紙上天文講座「星座の解説(十七)」(窪川一雄)、「明月觀望會の集ひ」(劍持哲夫)、「觀測と彙報欄」
第三巻第十一號(昭和17年11月16日発行)
- 「目次」、「天文閑話(二十一)」(村上春太郎)、「赤道に見る季節の星」(窪川一雄)、「俳句に現はれたる名月」(藤田芳仲)、「觀測欄」(蔡章献)
第三巻第十二號(昭和17年12月26日発行)
- 「目次」、「天文閑話(二十二)」(村上春太郎)、「新星の話(一)」(窪川一雄)、「觀測欄」、「彙報欄」
奥付
[編集]- 発行兼印刷人 吉村昌久
- 印刷人 青木一良(臺北市太平町2丁目18番地)
- 印刷所 三和印刷所
- 発行所 天體觀測同好會(臺北市公會堂内)