厚真猟銃事件
| 厚真猟銃事件 | |
|---|---|
| 場所 |
 日本北海道勇払郡厚真町 |
| 日付 |
2011年2月4日 午前9時半頃 |
| 原因 | 不明 |
| 武器 | 猟銃 |
| 死亡者 | 1 |
| 犯人 | 2 |
| 管轄 | 北海道札幌方面苫小牧警察署 |
厚真猟銃事件（あつまりょうじゅうじけん）とは、2011年2月4日に北海道勇払郡厚真町の山林内で、林業作業中の男性（当時45歳）がライフルで撃たれ死亡した事件。犯人と見られる二人組の男は事件後現場から逃走したとみられる。
2021年2月に業務上過失致死傷罪の公訴時効が成立したが、現在は殺人事件として捜査は継続されている。
事件の詳細
[編集]事件当日、この事件の被害者となった男性を含めた林業会社従業員は、午前7時頃から間伐作業等のため厚真町字桜丘の山林内に入った[1]。
同日午前9時半頃、被害者男性の同僚の男性が銃声を聞いたため「危ない」と叫んだ。その直後、同僚の男性が約200メートル離れた町道上にオレンジ色の上着を着用したハンター風の二人組の男らを発見したが、男らはすぐさま青色のRV車に乗り込み、現場から立ち去った[2]。
約30分後、同僚の男性が数十メートル離れた山の斜面で木材を引き上げるブルドーザー上で倒れている被害者男性を発見し、119番通報したが、被害者男性の左脇腹から右胸にかけてライフルの銃弾が貫通しており、即死だったと見られる[2][3]。
事件現場は厚真町市街地から約10kmの場所で、道道235号線から延びる町道沿いの民有林。町道に沿って知決辺川が流れ、付近には民家も点在している。付近は狩猟が可能な区域であるものの、人や自動車が行き来きする公道上からの発砲は銃刀法と鳥獣保護管理法により禁止されている[4]。
警察による捜査
[編集]北海道札幌方面苫小牧警察署は、被害者男性の死因をライフル銃の銃弾に当たったものと断定[5]。ハンターの誤射による業務上過失致死事件とみて捜査を開始した[1]。被害者男性の体を貫通したライフル銃の弾頭の捜索に延べ二千人を投入し、付近の土壌をスコップで掘り返しふるいに掛けるなどして捜索したものの見つからず、弾頭の捜索は事件から10ヶ月後の同年11月に打ち切られた[6]。一方、道内外の猟銃所持者約6300人への聞き込みも行なったが、有力な情報は得られなかった。事件発生から10年、苫小牧署はハンターの誤射の可能性が高いとみて捜査してきたが、業務上過失致死罪の公訴時効が2021年2月4日、成立した[7]。
現在、警察は容疑を殺人に切り替えて捜査を続けている[7]。
猟友会の対応
[編集]北海道猟友会は翌2月5日、北海道庁で記者会見を行ない「心当たりのある人は名乗り出てほしい」と呼びかけた[8][9]。道内の70の地元猟友会及び上位組織の大日本猟友会にも情報提供を呼びかけたが、有力な情報は得られず、犯人が名乗り出ることもなかった。
脚注
[編集]- ^ a b 「北海道で林業の男性死亡、猟銃の流れ弾か 業過致死で捜査」『日本経済新聞』2011年2月4日。オリジナルの2024年9月26日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b 「民有林の死亡男性 斜面下から撃たれる？ 厚真 ハンター２人の目撃情報」『北海道新聞』2011年2月5日。オリジナルの2011年2月10日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「伐採中に男性撃たれ死亡 厚真の山林、誤射か」『北海道新聞』2011年2月4日。オリジナルの2011年2月7日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「厚真民有林の男性死亡 ハンターが公道から射撃か」『北海道新聞』2011年2月6日。オリジナルの2011年2月10日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「道警、ライフルと断定 厚真男性死亡 道内4300人調査へ」『北海道新聞』2011年2月8日。オリジナルの2011年2月10日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「苫小牧署、厚真町の林業作業員死亡事件で弾丸捜索打ち切り」『苫小牧民報』2011年12月7日。オリジナルの2012年2月2日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b （日本語）『ハンター目撃されるも・・・１０年前の北海道厚真町の銃撃死亡事件 時効が成立【HTB北海道ニュース】』2021年2月4日。2023年5月15日閲覧。
- ^ “「ハンター名乗り出て」 道猟友会呼び掛け”. 北海道新聞 (2008年2月6日). 2011年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月3日閲覧。
- ^ 「「ハンターなら判別できる」と猟友会 林業作業員死亡」『苫小牧民報』2011年2月7日。オリジナルの2012年11月19日時点におけるアーカイブ。
外部リンク
[編集]- 勇払郡厚真町発生の業務上過失致死事件に関する情報提供のお願い！（苫小牧警察署）