原価率研究所
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒950-0911 新潟県新潟市中央区笹口1丁目10番地21 |
設立 | 2015年6月25日 |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 1110001030752 |
事業内容 | 飲食店の運営、飲食事業のFC展開、各種事業サポート・アイディア提供 |
代表者 | 代表取締役 菅野優希 |
資本金 | 500万円 |
外部リンク | “原価率研究所”. 原価率研究所. 2017年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月13日閲覧。 |
特記事項:2018年1月1日付で別会社に事業譲渡 |
原価率研究所(げんかりつけんきゅうじょ)は、かつて日本においてカレーライス店を展開していた企業。消費税込みで1杯200円の激安カレーライス店としてネットや口コミで話題になった[1][2][3][4][5][6]。
概要
[編集]2014年(平成26年)5月に、新潟市中央区南万代町に1号店である新潟駅前本店をオープン[1][7][3]。創業者の一人は、福島第一原子力発電所事故のため福島市から新潟市に自主避難をしており、新潟に恩返しをしたい[1][2][6][8][7][9][3]と、新潟で知り合った二人と合わせて三人で[4]カレーライス店を始めた。「新潟に来たとき、福島からの避難者だと気づいているのに事情を詮索されず、ゴミの分別など不慣れなことも遠慮なく教えてくれ、居心地が良かった。このまま新潟市民に『おんぶにだっこ』ではいけないと思い、恩返しのつもりでカレー店を開いた」[7]、「衝撃の価格で人を呼び込むお店をつくり、まちを活気づけたい」[2]、「新潟の人に親切にしてもらった。何か自分ができる恩返しをしたいと考えた」[1]、「新潟県がカレールーの購入額が日本一というデータを知り、誰でも購入できるカレーを提供しようと思った」[8]と創業の動機を語っていた。
メニューはカレーライスだけで、食材は新潟県産米に日本国内産の鶏肉、タマネギを使っていた[2][6]。量はオープン当初は約450グラムだったが、大盛りを希望する客が多かったことから、後にライスも合わせて約600グラムで提供していた[2]。業者と交渉して安い食材を仕入れ、価格を抑えており[2][9]、毎日食べられるように「普通」の味を目指していた[2][6][7][9][10]。当初は市販ルーをアレンジして使っていたが、2015年(平成27年)9月下旬頃から、食品販売大手と共同で開発した特製ルーを使うことで、効率的に調理できるようになった[7]。誰もが毎日気軽に食べられる価格設定にしており[1]、徹底したコストカットとオペレーション上の工夫を行っていた[5]。店舗では余分なサービスがなく、水なし、ティッシュなし、エアコンなしの「3無しの状態」になっており、100円の飲み物の自動販売機が置いてあり、トッピングの持ち込みは自由だった[4]。
2016年(平成28年)1月27日には東京都足立区に進出し「竹ノ塚店」をオープン[3][11][10][12][13]。当時は「将来は全国各地に1000店」を目標としていた[3][13]。
しかしその後、経営が悪化し、2018年(平成30年)1月1日付で東京都江戸川区に本社を持つ別会社に事業譲渡された[14][15]。
同年11月に、2017年6月から11月までの賃金を従業員に支払っていなかったとして、経営譲渡前の当時の代表取締役(福島出身の創業者とは別の人物)が書類送検された[16][17]。
事業譲渡後も経営の立て直しには至らず、2022年(令和4年)3月1日、千葉地裁から破産手続開始決定を受けた[18]。
出典
[編集]- ^ a b c d e 「[夢@niigataきらめきトーク]菅野優希さん(35)新潟市中央区 1杯200円のカレーライス販売 衝撃価格で街に活気を」『新潟日報』2014年7月12日、夕1-10版、1面。
- ^ a b c d e f g 「福島から避難・菅野優希さん 200円カレーで新潟に恩返し 伊勢丹にも月末まで出店 盛りの良さも人気」『新潟日報』2015年1月21日、新佐-10版、15面。
- ^ a b c d e 「200円カレーの原価率研究所 東京足立区に県外初店舗」『新潟日報』2016年2月6日、2経-10版、6面。
- ^ a b c 「200円カレーの原価率研究所(上)法政大学経営大学院教授小川孔輔氏-3人で起業、「3無し」で安く(日経MJヒット塾)」『日経MJ』2016年8月8日、2面。
- ^ a b 「200円カレーの原価率研究所(下)法政大学経営大学院教授小川孔輔氏-店効率化、常連づくり工夫(日経MJヒット塾)」『日経MJ』2016年8月15日、2面。
- ^ a b c d 「[ぐるメモ]カレーライス 200円で満腹 移住の「恩返し」=新潟」『読売新聞』2015年2月18日、東京朝刊 新潟2版、34面。
- ^ a b c d e 「[経済人に聞く]原価率研究所 菅野優希社長 36=新潟」『読売新聞』2015年12月17日、東京朝刊 新潟2版、30面。
- ^ a b 「原価率研究所社長菅野優希氏-1杯200円のカレー専門店、出店拡大、国産食材使い安全性配慮(はばたく新潟時の人)」『日本経済新聞』2015年10月21日、地方経済面 新潟版、22面。
- ^ a b c 「地方発ヒット商品、名産産む食の追求、街再生、伝統生かす-200円カレー(新潟県)、ルー共同開発で安く。」『日経MJ』2016年1月1日、14面。
- ^ a b 「200円カレー 東京進出 足立区に県外初=新潟」『読売新聞』2016年2月11日、東京朝刊 新潟2版、30面。
- ^ 「首都圏にカレー専門店、原価率研究所、1杯200円で攻勢。」『日本経済新聞』2016年2月6日、地方経済面 新潟版、22面。
- ^ 「「200円カレー」首都圏攻勢、原価率研究所、2年内メド50店。」『日経産業新聞』2016年2月12日、17面。
- ^ a b “原価率研究所竹ノ塚店”. DEEP案内不動産部. 新日本DEEP案内. 2022年11月16日閲覧。
- ^ “原価率研究所が事業譲渡で新潟から消える!?”. 地方で暮らしちゃえば? -新潟のポテンシャル- (2018年1月21日). 2020年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月16日閲覧。
- ^ 703GTによる2018年1月13日午後0:10のツイート、2022年11月16日閲覧。
- ^ 「賃金未払い容疑で「原価率研究所」代表取締役を書類送検」『新潟日報』2018年11月2日、3社-10版、31面。
- ^ 「賃金払わなかった疑い=新潟」『読売新聞』2018年11月2日、東京朝刊 新潟版、21面。
- ^ “200円カレー「原価率研究所」が破産。過去には賃金未払いで書類送検も…“庶民の味方”な価格設定も結局は低賃金で働く労働者にしわ寄せか”. MONEY VOICE. まぐまぐ (2022年3月2日). 2022年11月17日閲覧。