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双球座標系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
双球座標系の図。双極座標系の2つの焦点を結ぶ軸を中心に回転させることによって得られる。焦点は (x, y, z) = (0, 0, ±1)。赤、青黄はそれぞれ σ = π/4、τ = 1/2、φ = π/3 の等値面である。黒の点は等値面の交点で、 (x, y, z) ≈ (0.841, -1.456, 1.239) である。

双球座標系英語: bispherical coordinates)は3次元の直交座標系の一つで、2次元の双極座標系を、2つの焦点を結ぶ軸を中心に回転させたものである。そのため、双球座標系の2焦点は回転軸上の点として維持される。

定義

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)を焦点とする双球座標 は以下のように定義される:

逆変換は

で、 である。座標 は焦点 で、z 軸上で不定となる。

各座標の範囲は

である。

等値面

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の等値面は

で表される。 のときはリンゴ(極がへこむ)、 のときはレモン(極が尖る)のような形状になり、 のときは球である。なお、 はそれぞれ z 軸の に対応する。

の等値面は

で、 のときは交差しない2つの球である。なお、xy 平面、 は焦点 に対応する。

の等値面は半平面

である。

微分

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双球座標系のヤコビ行列

である。したがって計量テンソル

である。 これより、微小体積要素は

となる。また、ラプラシアンは以下で与えられる:

応用

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双球座標の古典的な応用例は偏微分方程式である。双球座標系でラプラス方程式変数分離することはできるが、ヘルムホルツ方程式は分離できない。たとえば、2つの導体球がつくる電場を双球座標系で解くことができる。

参考文献

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  • Morse PM, Feshbach H (1953). Methods of Theoretical Physics, Part I. New York: McGraw-Hill. pp. 665–666 
  • Korn GA, Korn TM (1961). Mathematical Handbook for Scientists and Engineers. New York: McGraw-Hill. p. 182. LCCN 59-14456 
  • Zwillinger D (1992). Handbook of Integration. Boston, MA: Jones and Bartlett. p. 113. ISBN 0-86720-293-9 
  • Moon PH, Spencer DE (1988). “Bispherical Coordinates (η, θ, ψ)”. Field Theory Handbook, Including Coordinate Systems, Differential Equations, and Their Solutions (corrected 2nd ed., 3rd print ed.). New York: Springer Verlag. pp. 110–112 (Section IV, E4Rx). ISBN 0-387-02732-7 

外部リンク

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