取手宿
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取手宿(とりでしゅく)は、水戸街道千住宿から5つ目の宿場町。
概要
[編集]現在の茨城県取手市取手・東のあたり。宿場町は東西に1キロ弱の範囲で広がっている。水戸街道は利根川を南北方向に渡っているが、その水戸側・北岸で向きを変えて東南東に向い、取手宿に入る。対岸の江戸側・南岸にも、正規のものではないが、青山宿という小規模な宿場町があった。
取手宿が水戸街道の宿場町に指定されたのは、天和年間から貞享年間にかけての時期(1681年~1688年)であり、それ以前は我孫子宿から利根川(当時鬼怒川)右岸を下流に向かい、布佐で渡河して龍ヶ崎を経由し、若柴宿付近で合流するという流れであった。そのため、取手宿が正規の宿場町に指定されたのは、水戸街道の他宿場町より、多少遅れている。
取手は、宿場町であるだけではなく、利根川水運の拠点地・物資集積地でもあったことから、二百軒程度の家並みが並ぶ大規模な集落を形成していた。旧道筋には2019年現在も、多少の古建築を見出すことができる。
本陣として使われていた染野家住宅(1795年築)が保存されており、週末には公開されている。
周辺
[編集]隣の宿
[編集]- 我孫子宿 - 取手宿は一里十八町(約6キロ)。
- 取手宿 - 藤代宿は本通りを通って一里三十町(約7キロ)。大廻りを通ると10キロ余り。
取手宿と藤代宿との間には小貝川水系の低湿地があり、小貝川は暴れ川であったことから、長兵衛新田から吉田・酒詰・谷中と経由する「本通り」(本街道)に加えて増水時の迂回路が以下の様に用意されていた。
- 中通り - 長兵衛新田から井野方面に分かれて酒詰・谷中へと至る(県道229号線とほぼ同じ)
- 椚木廻り - 山中坂から井野・毛有を経由して椚木から藤代に至る
- 大廻り - 白山・寺原を経由して岡堰へと至り更に小貝川沿いに山王・神住・椚木を通り藤代に至る
外部リンク
[編集]取手市観光協会 「取手市観光ガイド」