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同変コホモロジー上の局所化公式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

軌道体 に代数的トーラス が代数的に作用しているとする。また、その  固定点は有限集合であると仮定する。このとき局所化公式(Localization formula)は、 上の任意の同変閉形式 及び、十分に小さな に対し、次のことが成り立つことを主張する。

ここで、和は 固定点 の全ての連結成分 に渡り、 同変重複度、 の法束の同変オイラー類を表す。

局所化公式の重要性は、 のトーラス作用の固定点の同変コホモロジー環(特定の可微分代数的スタック)の情報から、重複度とオイラー形式の違いを除いて、軌道体 の同変コホモロジー環を計算可能であるという点にある。但し、同様の結果は、非可変コホモロジーにおいては成り立たない。

局所化公式の主要な帰結の一つは、Duistermaat–Heckmanの定理として知られている。即ち、コンパクトな 次元シンプレクティック多様体 上にハミルトニアン 作用が存在するとき

但し、和は 作用の固定点全体に渡り、 作用に対するハミルトニアン、 は接空間 上の 作用の重みである。(Lie groupを参照)

局所化公式は、余随伴軌道上のKirillov-Kostant-Souriauシンプレクティック形式のフーリエ変換に対しても適用される。この場合、局所化公式はHarish-Chandraの積分公式に帰着し、結果として、Kirillovの指標公式の証明を与える。

また、非有理係数における同変コホモロジーの局所化については、ダニエル・キレンの論文において議論されている。

非可換局所化

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局所化定理は、多様体の同変コホモロジーが、捻れ元の違いを除いて、その固定点集合の同変コホモロジーから復元されることを主張する。同様のことは非可換作用に対しては成立しないが、類似の局所化定理が存在する。

参考文献

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  • Atiyah, Michael; Raoul, Bott (1984), “The moment map and equivariant cohomology”, Topology 23 (1): 1–28, doi:10.1016/0040-9383(84)90021-1 
  • Liu, Kefeng (2006), “Localization and conjectures from string duality”, in Ge, Mo-Lin; Zhang, Weiping, Differential geometry and physics, Nankai Tracts in Mathematics, 10, World Scientific, pp. 63–105, ISBN 978-981-270-377-4, MR2322389 
  • Meinrenken, Eckhard (1998), “Symplectic surgery and the Spin—Dirac operator”, Advances in Mathematics 134 (2): 240–277, doi:10.1006/aima.1997.1701 
  • Quillen, Daniel (1971), “The spectrum of an equivariant cohomology ring, I”, Annals of Mathematics, Second Series 94 (3): 549–572, doi:10.2307/1970770, JSTOR 1970770, https://jstor.org/stable/1970770 ; Quillen, Daniel (1971), “The spectrum of an equivariant cohomology ring, II”, Annals of Mathematics, Second Series 94 (3): 573–602, doi:10.2307/1970771, JSTOR 1970771, https://jstor.org/stable/1970771