味覇
味覇(ウェイパァー[注 1])は、兵庫県神戸市に本社を置く株式会社廣記商行が販売する中華風調味料である。
歴史
[編集]1961年(昭和36年)、創味食品(京都市)より業務用調味料「シャンタンDX」が発売された。1981年(昭和56年)には創味食品のOEM生産により、廣記商行から「味覇」が一般消費者向けに発売された。当時の商慣習により契約書は交わされず、「廣記は創味シャンタンDXを家庭用パッケージとして販売していた」とする創味食品側と、「当社の味覇を創味食品に製造委託していた」とする廣記商行側で、当初から相互の認識にずれがあった[1]。
2014年(平成26年)3月、廣記商行からチューブタイプの味覇を発売開始。創味食品側は「廣記が、創味に無断で他社に製造を依頼した」ことを不服とし、同年7月に製造契約が破談となった。2015年(平成27年)3月末をもって、創味食品製造による味覇の出荷が終了[2]。創味食品は翌月より、従来の味覇と同一レシピによる一般向け「創味シャンタンDX」の発売を開始した[3]。廣記商行からは、別の製造会社(アリアケジャパン)の委託生産による「味覇」が引き続き販売される。
2022年(令和4年)4月にはヴィーガン(完全菜食主義者)向けに、動物性原料やうま味調味料を使っていない製品を発売し、輸出も展開している[4]。
関連商品
[編集]2014年(平成26年)8月18日より、カルビーから味覇風味のポテトチップスがコンビニエンスストア向けに期間限定販売された[5]。
徳島県に本社を置く岡本製麺は、廣記商行監修のもと、味覇をベースにスープに使用した「味覇拉麺」を販売している[6]。
原材料
[編集]食塩、肉エキス(ポーク、チキン)、野菜エキス、動植物油脂、砂糖、乳糖、小麦粉、香辛料、調味料(アミノ酸等)[7]
用途
[編集]製造元では、スープやチャーハン、餃子をはじめとする中華料理のほか、カレー、ペペロンチーノ、おでんの出汁、ミートタコスにも使えるとしている[8]。
商品名
[編集]調味料の王様になってほしいとの願いから、味の王様を意味する「味覇」[注 1]と名付けられた[9]。なお、OEM供給元の創味食品の商品名であるシャンタン(上湯)[注 2]は丁寧にアクをとった高級中華スープを表す[10]。
関連項目
[編集]- 創味食品 - 過去の製造会社
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ JPN Manatee (2015年3月31日). “廣記商行社長「今後も“味覇”は変わらない。無断という認識は不適切」”. IRORIO 2015年7月26日閲覧。
- ^ “中華調味料「味覇」、「プロの味」は守れるのか 3月末で製造委託メーカーと契約解消、新出発”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2015年3月31日) 2022年8月5日閲覧。
- ^ 『創味シャンタンDX新発売』(プレスリリース)創味食品、2015年4月1日 。2015年7月26日閲覧。
- ^ 広記商行、ビーガン仕様「味覇」発売/SNSで話題 女性・海外に照準『日経MJ』2022年6月8日コンビニ・フード面
- ^ 『『ポテトチップス 味覇(ウェイパァー)味』2014年8月18日(月)よりコンビニエンスストアで期間限定発売!』(プレスリリース)カルビー、2014年8月6日 。2015年7月26日閲覧。
- ^ 商品一覧 岡本製麺より
- ^ 「創味シャンタンDX」vs「味覇」の終わらない“バトル”日刊ゲンダイDIGITAL(2015年5月8日)2022年7月5日閲覧
- ^ 味覇と意外な組み合わせ
- ^ 味覇の名前の由来は"王様"?
- ^ 創味シャンタンDX
外部リンク
[編集]- 味覇(廣記商行)
- 味覇【公式】ウェイパァー (@koukishoko) - X(旧Twitter)
- 株式会社廣記商行 (koukishoko) - Facebook
- 廣記商行味覇 - YouTubeチャンネル