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命題関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

命題関数(めいだいかんすう、:Propositional function) とは、数理論理学において、各変数の変域と終集合とがそれぞれ「真な命題」と「偽な命題」のみから成る、集合に等しいような写像である。命題関数は真理関数でもある。

定義

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命題関数を定義する為に次の 2 つの記号を用いる。

  1. 真な命題を表す記号 :
  2. 偽な命題を表す記号 :

L0 とだけから成る集合とし、D を固定された空でない 1 つの集合とする。そのとき、n 個の D の直積 から L0 への写像を n 変数の命題関数という。命題関数をまた述語性質条件ともいう。n 変数の命題関数をまた n関係ともいう。集合 D議論領域といい、D の各元を対象という。

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議論領域 D自然数全体から成る集合に等しいとする。また、集合 L0 において、真理関数 ¬、∨ が定義されているとする。

D から L0 への写像 F を次の等式で定義すれば、F は 1 変数の命題関数となる。

D×D から L0 への写像 G を次の等式で定義すれば、G は 2 変数の命題関数となる。

2 項関係 R(n,m) をしばしば nRm と書く。従って、上の G(n,m)nGm と書いても良い。

D×D の各元 (n,m) に対して L0 の元 (¬G(n,m))∨G(n,m) を対応させれば、2 変数の 1 つの命題関数が得られる。

限定作用素

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F(x) を 1 変数の命題関数とするとき、命題 ∀xF(x)∃xF(x) とは以下の等式で定義される。

∀x∃x をそれぞれ全称作用素存在作用素といい、それらをまとめて限定作用素という。∀、∃ をそれぞれ全称記号存在記号という。命題 ∀xF(x) は 「 全ての対象 x に対して F(x) が成り立つ 」 を意味し、命題 ∃xF(x) は 「 F(x) を満たす対象 x が ( 少なくとも 1 つ ) 存在する 」 を意味する。

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議論領域 D は整数全体から成る集合に等しいとする。

1 変数の命題関数 F(n) を次の等式で定義する。

F(1) = は正しくないので、F(n) = 恒等式でない。よって、∀nF(n) = である。また、F(2) = は正しくないので、F(n) = は恒等式でない。よって、∃nF(n) = である。

関連項目

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参考文献

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  1. 前原昭二、復刊 数理論理学序説、共立出版株式会社、2010。