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和差算

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

和差算(わさざん)とは、算数文章題において、いくつかの数のから元の数を求める解法のことである。連立方程式を使わないで解く[1]、算数の特殊算で有名な問題の一つ。

例題

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ある銭湯に2012人の入場者がいる。入場者のうち、女性は男子より146人多い。銭湯に入場している男性と女性の人数はいくらか。

解答

線分図より

  • 和:女子+男子=2012人
  • 差:女子-男子=146人

である。ここから

  • 和+差=女子×2
  • 和-差=男子×2

という式が導かれる。ゆえに求める人数は、

  • 男子:(2012-146)÷2=933
  • 女子:(2012+146)÷2=1079

で導ける。

答:男子が933人、女子が1079人

別解
  • 女子をxとすると、男子は2012-xになる、x=2012-x+146となり、2x=2158、x=1079となる。
  • 故に、男子は、2012-1079=933となる。

一般公式

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大小2数の和と差が与えられたとき、小さい方は(和-差)÷2、大きい方は(和+差)÷2で求められる。

証明
大きい数をx、小さい数をyとする。
和はx+y、差はx-yとなる。
和+差は2x、和-差は2yとなる。
(和+差)÷2=x、(和-差)÷2=yとなる。

応用問題

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次のような問題もこの問題の変種と見ることができる。

3組の2数の和

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3組の2数の和から各々の数を求める問題。3元1次連立方程式にあたる。

例題

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3数A, B, C について、ABの和は15、BCの和は18、CAの和は17であるとき、Aを求めよ。

解答
2数A, Bの和は15で、BからAを引いた差が18-17=1なので、(15-1)÷2=7
3数A, B, Cの和は(15+18+17)÷2=25なので、Aは25-18=7
別解
A=15-B=17-Cとする。C=18-Bより、15-B=17-(18-B)、(A,B,C)=(7,8,10)

和積算

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2数の和・から2数を求める問題。2次方程式である。

例題

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2つの整数がある。和は17、積は70であるとき、その数を求めなさい。

解答
  1. 積が70になる整数の組を考えると、(1, 70), (2, 35), (5, 14), (7, 10)である。
  2. このうち和が17になる組を捜すと、7+10=17なので、答えは(7, 10)。
別解
  1. それぞれA、17-Aとする。
  2. A(17-A)=70、A=10,7より、2つの整数は、10と7になる。

積商算

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2数の積・から、2数を求める問題。

例題

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正である2つの整数があり、2数の積が24、大きい数を小さい数で割ったときの商が6であった。2つの整数を求めなさい。

解答
  1. 小さい数をa、大きい数を6×aとしたとき、6×a×a=24となる。
  2. したがってa×a=24÷6=4となり、a=2のときこの式が成り立つため、小さい数は2であると分かる。
  3. よって大きい数は6×2=12である。
別解
  1. 小さい数をa、大きい数をyとする。
  2. したがってay=24、6a=yとなる。
  3. これを解くと、(a,y)=(2,12),(-2,-12)となるが、題意を満たすのは、(a,y)=(2,12)

脚注

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  1. ^ 連立方程式を使わなくてもよいが、使うと速く解けるケースもある

関連項目

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外部リンク

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