国家の品格
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『国家の品格』 | ||
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著者 | 藤原正彦 | |
発行日 | 2005年(平成17年)11月20日 | |
発行元 | 新潮社 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 新書 | |
ページ数 | 191 | |
公式サイト |
www | |
コード | ISBN 4-10-610141-6 | |
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『国家の品格』(こっかのひんかく)は、新潮新書から2005年(平成17年)11月20日に出版された藤原正彦の著書である。
概要
[編集]もともとは、藤原が講演で述べた内容を基礎にした本である。そのため、文体は口語調で、「妻を筆頭に殴りたい女性はたくさんいます」、「(什の掟は)最後の七つ目以外は納得できます」といったユーモアが効いたものになっている。西洋、特にアメリカの「論理万能主義」を批判し「だめなものはだめ」と主張。グローバリズムなどを真っ向から否定し、自国の伝統や美意識などを重んじることを説いた。
世界で唯一の「情緒と形の文明」を持つ日本の“国家の品格”を取り戻すことを書いた。本文中には前著のタイトルでもある「祖国とは国語」と言う言葉が複数箇所で用いられている。
発行部数
[編集]2006年(平成18年)5月までに発行部数265万部を超えるミリオンセラーとなっており[1]、トーハン調べで同年における書籍の年間ベストセラーで総合1位となった[2]。
エピソード
[編集]- 書名の「品格」は、2006年(平成18年)の新語・流行語大賞を受賞したが、それに便乗する形で「-の品格」と銘打った書籍などが相次ぎ[1]、「品格ブーム」などと言われた。坂東眞理子著『女性の品格』(PHP新書)は300万部以上を売り上げ、ドラマ『ハケンの品格』は平均視聴率20.1%を記録した。他に『会社の-』『日本人の-』『自分の-』『親の-』『男の-』『遊びの-』などがある。
- 著者の藤原は本書の出版以後、何か不祥事でも起こそうなら週刊誌などが「『国家の品格』の著者の品格」と書き立てそうで行動が不自由になったと述べている[3]。
関連書籍
[編集]翻訳
[編集]- 『国家の品格 対訳ニッポン』ジャイルズ・マリー訳、IBCパブリッシング、2007年6月。ISBN 978-4-89684-568-6。
演説
[編集]- 藤原正彦述「天才を生む土壌と国家の品格」、日本ペンクラブ編 編『日本ペンクラブ名スピーチ集』創美社、2007年11月。ISBN 978-4-420-31024-6。
批判本
[編集]- 木村和彦『「国家の品格」を撃つ』プレスプラン〈JRC新書〉、2007年3月。ISBN 978-4-903295-06-0。
- 島井宏行『『国家の品格』批判』立志社出版〈立志社新書〉、2007年3月。ISBN 978-4-9903479-0-1。
- 吉孝也、前川征弘『「国家の品格」への素朴な疑問』新風舎〈新風舎文庫〉、2007年10月。ISBN 978-4-289-50602-6。
脚注
[編集]- ^ a b 川村律文 (2008年4月23日). “「品格本」ブーム真っ盛り”. 読売新聞. 2009年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月3日閲覧。。
- ^ “2006年 年間ベストセラー”. トーハン. 2020年6月22日閲覧。
- ^ 藤原正彦『大いなる暗愚』新潮社(新潮文庫)、2012年、51-53頁。ISBN 978-4-10-124811-0。(初出は『週刊新潮』2009年7月30日号)