国家安全保障戦略
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国家安全保障戦略(こっかあんぜんほしょうせんりゃく、英語: National Security Strategy of Japan、略称: NSS)は、日本の国家安全保障に関する基本方針である。
概要
[編集]平成25年度の制定
[編集]2013年(平成25年)12月17日の閣議(第2次安倍内閣)で「国防の基本方針」[1](1957年〈昭和32年〉5月20日国防会議及び閣議決定)[2]に代わるものとして決定された。
「積極的平和主義」の立場から国際平和に寄与することを理念とし、中華人民共和国の対外姿勢や軍事動向を「国際社会の懸念事項」としている。これは外交、防衛において基本方針となるものであり、日本国憲法体制下の日本国政府が策定したものとしては初である[3][4]。
その項目は以下のとおり。
1 策定の趣旨 2 国家安全保障の基本理念 (1) 日本国が掲げる理念 (2) 日本国の国益と国家安全保障の目標 3 日本国を取り巻く安全保障環境と国家安全保障上の課題 (1) グローバルな安全保障環境と課題 (2) アジア太平洋地域における安全保障環境と課題 4 日本国がとるべき国家安全保障上の戦略的アプローチ (1) 日本国自身の能力・役割の強化・拡大 (2) 日米同盟の強化 (3) 国際社会の平和と安定のためのパートナーとの外交・安全保障協力の強化 (4) 国際社会の平和と安定のための国際的努力への積極的寄与 (5) 地球規模課題解決のための普遍的価値を通じた協力の強化 (6) 国家安全保障を支える国内基盤の強化と内外における理解促進
令和4年度の改定
[編集]2022年(令和4年)12月16日、国家安全保障会議及び閣議(岸田内閣)において、国家安全保障に関する基本方針である2013年(平成25年)12月17日制定の国家安全保障戦略を廃止し新たに「国家安全保障戦略」を制定した[5][注釈 1]。
その項目は以下のとおり。
I 策定の趣旨 II 我が国の国益 III 我が国の安全保障に関する基本的な原則 IV 我が国を取り巻く安全保障環境と我が国の安全保障上の課題 1 グローバルな安全保障環境と課題 2 インド太平洋地域における安全保障環境と課題 V 我が国の安全保障上の目標 VI 我が国が優先する戦略的なアプローチ 1 我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主な要素 2 戦略的なアプローチとそれを構成する主な方策 VII 我が国の安全保障を支えるために強化すべき国内基盤 VIII 本戦略の期間・評価・修正 IX 結語
国外の反応
[編集]第VI項第2節(1)ウでは韓国を「重要な隣国」と位置付けつつも島根県の竹島を日本固有の領土とした。これに対し韓国政府は強く抗議し同国外務省は両国の「未来志向の関係構築」に何の役にも立たないと批判し、当該部分を直ちに削除するよう求めた[6]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “1 国防の基本方針”. www.clearing.mod.go.jp. 2022年12月21日閲覧。
- ^ 国防の基本方針平成25年(2013年)版防衛白書 資料6
- ^ “国家安全保障戦略(概要)”. 内閣官房. 2019年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月3日閲覧。
- ^ “初の「国家安全保障戦略」閣議決定”. NHK NEWS WEB (2013年12月17日). 2013年12月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月17日閲覧。
- ^ “国家安全保障戦略について | 内閣官房ホームページ”. www.cas.go.jp. 2022年12月21日閲覧。
- ^ 「国家安全保障戦略の竹島領有権主張、韓国が削除を要求」『Reuters』2022年12月16日。2023年1月16日閲覧。
参考文献
[編集]- 原文(公文書)
- 現行
- “国家安全保障戦略 令和4年12月” (PDF). 内閣官房 (2022年12月16日). 2023年2月3日閲覧。
- 廃止
関連項目
[編集]- 国家安全保障会議 - 日本の国家安全保障の重要事項を審議する会議。事務局の内閣官房国家安全保障局はNSSと略される。
- 帝国国防方針 - 大日本帝国憲法体制下の日本の国家安全保障に関する基本方針
- 国家安全保障戦略 (アメリカ合衆国)
- 自由で開かれたインド太平洋戦略
- 防衛計画の大綱
- 中期防衛力整備計画