国際伝熱会議
表示
国際伝熱会議(こくさいでんねつかいぎ 英称:International Heat Transfer Conference)は、伝熱・物質輸送などの熱科学工学に関して世界の学者・技術者が集う会議である。
1951年に第1回が開催され、1966年の第3回以降は4年おきに世界各地で開催される。この分野の中止的な存在で「伝熱分野のオリンピック」とも呼ばれる。
会議全体の運営はThe Assembly for International Heat Transfer Conferences (AIHTC)[1] が行うが、各会議は開催地の組織委員会が担当している。なお、AIHTCには日本伝熱学会[2]から2人の委員を送っている[3]。
概要
[編集]当初は英国と米国の研究者が中心となり、初回は1951年にLondon(英国)とAtlantic City(米国)の2ヶ所で分割開催され、第2回は1961年にBoulder(米国)と1962年にLondon(英国)の2ヶ所でやはり分割開催された。しかし、1966年以降は4年おきに参加国が開催招致する形となり、現在まで続いている。なお、開催地は、開催8年前のAIHTC会議で招致説明をして委員による投票で決定する。
第3回以降の発表論文は、Begell House社のIHTC Digital Library[4]から有料でダウンロードできる(IHTC-14だけはASMEの版権のため不可)。
回 | 年 | 開催地 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 1951 | London London, UK Atlantic City, USA |
|
2 | 1961.8 1962.1 |
Boulder, USA London, UK |
ProceedingsのPreface[5] |
3 | 1966.8.7-12 | Chicago, USA | 以後、4年おき開催 |
4 | 1970.8.31-9.5 | Paris Versailles, France | AIHTCでBrun教授(フランス)が初代会長、Grigull教授(西ドイツ)が初代副会長に選ばれた結果、フランスと西ドイツの共同開催 |
5 | 1974.9.3-7 | Tokyo, Japan | |
6 | 1978.8.7-11 | Toronto, Canada | ポスターセッション導入(以後もIHTC-15以外は継続) |
7 | 1982.9.6-10 | München, West Germany | |
8 | 1986.8.17-22 | San Francisco, USA | |
9 | 1990.8.19-24 | Jerusalem, Israel | |
10 | 1994.8.14-18 | Brighton, UK | 1986年時点では第10回はKiev (USSR→Ukraine) で開催予定だったが、1992年に国内事情を勘案して第11回の予定だったBrightonが繰り上がった。(甲藤好郎、伝熱研究 vol.30, no.116, 1991;平田賢、vol.32, no.124, 1993) |
11 | 1998.8.23-28 | Kyongju, Korea | |
12 | 2002.8.18-23 | Grenoble, France | 大部のProceedings廃止、Abstract冊子と電子媒体 |
13 | 2006.8.13-18 | Sydney, Australia | 地域ごとの論文採択上限数の割振り廃止[6] |
14 | 2010.8.8-13 | Washington, USA | William Begell Medalの創設[7] |
15 | 2014.8.10-15 | Kyoto, Japan[8] | 全発表がオーラルセッション |
16 | 2018.8.10-15 | Beijing, China | |
17 | 2023.8.14-18 | Cape Town, South Africa[9] | COVID-19のため当初の2022年から1年延期 |
18 | 2026.8.2-7 | Rio de Janeiro, Brazil[10] | 予定 |
19 | 2030 | London, UK | 予定 |
関連事項
[編集]- AIHTCが設立されたのは1967年4月3日である[11]。
- The IHTC Digital Library(Begell House社)が、2012年4月にAvram Bar Cohen米国メリーランド大学教授(当時、AIHTC President)と 笠木伸英東京大学名誉教授(当時、AIHTC Vice President)により創設された。
- 現在のAIHTCロゴ[12]は、2013年10月16日にAIHTCに提出された中から投票により決定した。ロゴ作成者は巽和也京都大学准教授(当時)。
- 論文ジャンルを表す3文字コードは2014年のIHTC-15で導入され、以後のIHTCでも使用されている。文字コード提案・作成者は小宮敦樹東北大学准教授(当時)。
脚注
[編集]- ^ “The Assembly for International Heat Transfer Conferences (AIHTC)”. AIHTC. 2024年8月10日閲覧。
- ^ “日本伝熱学会”. 日本伝熱学会. 2024年11月11日閲覧。
- ^ “日本伝熱学会役員”. 日本伝熱学会. 2024年8月10日閲覧。
- ^ “IHTC Digital Library”. BEGELL HOUSE Inc.. 2024年8月10日閲覧。
- ^ “International Developments in Heat Transfer”. AIHTC. 2024年8月11日閲覧。
- ^ “特集:第13回国際伝熱会議”. Watt & Edison. 2024年8月12日閲覧。
- ^ “William Begell Medal”. Thermal. 2024年8月11日閲覧。
- ^ “IHTC-15”. IHTC-15. 2024年8月10日閲覧。
- ^ “IHTC-17”. IHTC-17. 2024年8月10日閲覧。
- ^ “IHTC-18”. IHTC-18. 2024年8月10日閲覧。
- ^ “Early Days of International Organizations of Heat Transfer”. ICHMT. 2024年8月12日閲覧。
- ^ “AIHTC about Us”. AIHTC. 2024年8月11日閲覧。