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国際連合人権理事会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国際連合人権理事会
国際連合人権理事会の会場
概要 補助機関
略称 UNHRC
状況 活動中
活動開始 2006年6月
公式サイト 国際連合人権理事会
国際連合の旗 Portal:国際連合
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国際連合人権理事会(こくさいれんごうじんけんりじかい、英語: United Nations Human Rights CouncilUNHRC)は、国際連合総会下部機関(国際連合機関)の常設理事会の1つ。国際連合加盟国人権の状況を定期的・系統的に見直すことによって国際社会の人権状況を改善しつつ、深刻かつ組織的な人権侵害などに早急に対処するためコフィー・アナン国際連合事務総長(当時)の提言で設置された。

国際連合人権高等弁務官事務所OHCHR)がその事務局機能を担っている。

国際連合経済社会理事会の機能委員会の一つであった国際連合人権委員会英語: United Nations Commission on Human RightsUNCHR)を改組・発展させた組織であり、2006年6月19日に正式発足している。

沿革

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2006年3月15日、総会は、賛成170、反対4(アメリカ合衆国マーシャル諸島パラオイスラエル)、棄権3(ベラルーシイランベネズエラ)の圧倒的多数を以て、人権理事会創設決議案を可決した。アメリカは、同決議案に規定されたものよりも強力な組織とすることを主張したが容れられず、決議案可決後、他の加盟国と協力して理事会の強化にあたることを表明した(後述)。

2006年5月9日、総会において、全191加盟国による無記名投票で、人権理事会の47の理事国が選出された(#理事国を参照)。

前身の組織である人権委員会は、2006年6月16日までにその活動を総括して解消し、人権理事会へその機能は引き継がれた。

2006年6月19日スイスジュネーヴにある国際連合欧州本部で、初回会合が開かれた。

組織体制

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従来設置されていた人権委員会は、毎年1回6週間だけ、スイスのジュネーヴで開かれる非常置の機関であった。これに対して、人権理事会は、年3回(合計10週間以上)の定例会合の他、理事国の3分の1の要請による緊急会(特別会期)も開かれる常設理事会である。また、人権委員会が経済社会理事会の下部に位置する独立の機能委員会であったのに対し、人権理事会は総会の直接の下部機関(補助機関)へと昇格した。

人権委員会は53ヶ国の委員から成っていたが、人権理事会は47の理事国から成る。人権理事会の理事は、地域グループごとに員数が配分され、アフリカグループに13、アジア太平洋グループに13、東ヨーロッパグループに6、ラテンアメリカ・カリブ海グループに8、西ヨーロッパ・その他グループに7の計47になる。理事国は、総会の秘密投票で、全加盟国の絶対過半数(96票以上)の得票を得、かつ、上位(議席数内)の得票を得た国が選出される。任期は3年で、連続3選は不可。

人権委員会は、委員となる国の資格を特に定めていなかった。そのため、ダルフール紛争の渦中で劣悪な人権状況にあると指摘されるスーダンが議長国となるなど、問題が多かった。人権理事会では、まずその点を改め、理事となる国には「最高水準」(英語: the highest standards)の人権状況が求められるようにした。理事国に深刻かつ組織的な人権侵害があった場合には、総会で投票国の3分の2以上の賛成により理事国資格が停止される。ロシアのウクライナ侵攻においてロシアが人権侵害や国際人道法違反をしたとして、2022年4月7日の国連総会の緊急特別会合にロシアの人権理事会理事国資格の停止決議案が提出され、賛成93、反対24、棄権58により採択[1]。この決議は将来における資格復活の可能性を残すものだったが、採択直後にロシアは人権理事会からの離脱を表明した[2]。1年半後、ロシアは理事国に復帰すべく2024-2026年の理事国に東ヨーロッパグループから立候補したが、2023年10月10日の投開票では83票にとどまり、アルバニアの123票、ブルガリアの160票に及ばず落選した[3]

理事国

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2006年5月9日、総会において、全191加盟国による無記名投票で、人権理事会の47の理事国が選出された。理事国は5つの地域グループごとに、総会の絶対過半数(96ヶ国)の得票で選出される。任期は3年で、毎年3分の1が改選される。初回である2006年選挙では、任期1年の国と任期2年の国を各々3分の1ずつ籤で決めた(なお、日本は任期2年)。理事国に選出された国と得票数は次の通り。

国内の人権状況に問題があるとして、国際社会から厳しく見られている中華人民共和国やサウジアラビアなども理事国となったことについては注目されている。なお、安全保障理事会常任理事国(P5)の中では、唯一、アメリカ合衆国のみ、人権理事会設置決議に反対して理事国に立候補しなかった(しかし理事会への協力は表明し、2010年以降は理事国になっている)。

任期  アフリカグループ アジア太平洋グループ 東ヨーロッパグループ ラテンアメリカ・カリブ海グループ 西ヨーロッパ・その他グループ
2006年 - 2007年 アルジェリアの旗 アルジェリア
モロッコの旗 モロッコ
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
チュニジアの旗 チュニジア
バーレーンの旗 バーレーン
インドの旗 インド
インドネシアの旗 インドネシア
フィリピンの旗 フィリピン
ポーランドの旗 ポーランド
 チェコ
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
エクアドルの旗 エクアドル
 フィンランド
オランダの旗 オランダ
2006年 - 2008年 ガボンの旗 ガボン
ガーナの旗 ガーナ
マリ共和国の旗 マリ
ザンビアの旗 ザンビア
日本の旗 日本
パキスタンの旗 パキスタン
スリランカの旗 スリランカ
大韓民国の旗 韓国
 ルーマニア
 ウクライナ
ブラジルの旗 ブラジル
グアテマラの旗 グアテマラ
ペルーの旗 ペルー
フランスの旗 フランス
イギリスの旗 イギリス
2006年 - 2009年 ジブチの旗 ジブチ
カメルーンの旗 カメルーン
モーリシャスの旗 モーリシャス
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
セネガルの旗 セネガル
バングラデシュの旗 バングラデシュ
中華人民共和国の旗 中国
ヨルダンの旗 ヨルダン
マレーシアの旗 マレーシア
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン
ロシアの旗 ロシア
 キューバ
メキシコの旗 メキシコ
ウルグアイの旗 ウルグアイ
ドイツの旗 ドイツ
カナダの旗 カナダ
スイスの旗 スイス
2008年 - 2010年  エジプト
アンゴラの旗 アンゴラ
マダガスカルの旗 マダガスカル
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
インドの旗 インド
インドネシアの旗 インドネシア
カタールの旗 カタール
フィリピンの旗 フィリピン
ボスニア・ヘルツェゴビナの旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ
スロベニアの旗 スロベニア
ボリビアの旗 ボリビア
ニカラグアの旗 ニカラグア
オランダの旗 オランダ
イタリアの旗 イタリア
2009年 - 2011年 ブルキナファソの旗 ブルキナファソ
ガボンの旗 ガボン
ガーナの旗 ガーナ
ザンビアの旗 ザンビア
バーレーンの旗 バーレーン
日本の旗 日本
パキスタンの旗 パキスタン
大韓民国の旗 韓国
スロバキアの旗 スロバキア
 ウクライナ
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
ブラジルの旗 ブラジル
 チリ
フランスの旗 フランス
イギリスの旗 イギリス
2010年 - 2012年 ジブチの旗 ジブチ
カメルーンの旗 カメルーン
モーリシャスの旗 モーリシャス
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
セネガルの旗 セネガル
バングラデシュの旗 バングラデシュ
中華人民共和国の旗 中国
ヨルダンの旗 ヨルダン
キルギスの旗 キルギス
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
ロシアの旗 ロシア
 ハンガリー
 キューバ
メキシコの旗 メキシコ
ウルグアイの旗 ウルグアイ
ベルギーの旗 ベルギー
 ノルウェー
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2011年 - 2013年 アンゴラの旗 アンゴラ
リビアの旗 リビア
モーリタニアの旗 モーリタニア
ウガンダの旗 ウガンダ
カタールの旗 カタール
マレーシアの旗 マレーシア
モルディブの旗 モルディブ
タイ王国の旗 タイ
モルドバの旗 モルドバ
ポーランドの旗 ポーランド
エクアドルの旗 エクアドル
グアテマラの旗 グアテマラ
スイスの旗 スイス
スペインの旗 スペイン
2012年 - 2014年 ベナンの旗 ベナン
ボツワナの旗 ボツワナ
ブルキナファソの旗 ブルキナファソ
コンゴ共和国の旗 コンゴ共和国
インドの旗 インド
インドネシアの旗 インドネシア
クウェートの旗 クウェート
フィリピンの旗 フィリピン
 ルーマニア
 チェコ
 チリ
コスタリカの旗 コスタリカ
ペルーの旗 ペルー
イタリアの旗 イタリア
 オーストリア
2013年 - 2015年 エチオピアの旗 エチオピア
コートジボワールの旗 コートジボワール
ガボンの旗 ガボン
 ケニア
シエラレオネの旗 シエラレオネ
日本の旗 日本
カザフスタンの旗 カザフスタン
パキスタンの旗 パキスタン
大韓民国の旗 韓国
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦
 エストニア
モンテネグロの旗 モンテネグロ
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
ブラジルの旗 ブラジル
ベネズエラの旗 ベネズエラ
ドイツの旗 ドイツ
アイルランドの旗 アイルランド
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2014年 - 2016年 アルジェリアの旗 アルジェリア
モロッコの旗 モロッコ
ナミビアの旗 ナミビア
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
中華人民共和国の旗 中国
モルディブの旗 モルディブ
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
 ベトナム
北マケドニア共和国の旗 北マケドニア
ロシアの旗 ロシア
 キューバ
メキシコの旗 メキシコ
フランスの旗 フランス
イギリスの旗 イギリス
2015年 - 2017年 ボツワナの旗 ボツワナ
コンゴ共和国の旗 コンゴ共和国
ガーナの旗 ガーナ
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
バングラデシュの旗 バングラデシュ
インドの旗 インド
インドネシアの旗 インドネシア
カタールの旗 カタール
アルバニアの旗 アルバニア
 ラトビア
ボリビアの旗 ボリビア
エルサルバドルの旗 エルサルバドル
パラグアイの旗 パラグアイ
オランダの旗 オランダ
ポルトガルの旗 ポルトガル
2016年 - 2018年 ブルンジの旗 ブルンジ
コートジボワールの旗 コートジボワール
エチオピアの旗 エチオピア
 ケニア
トーゴの旗 トーゴ
大韓民国の旗 韓国
キルギスの旗 キルギス
モンゴルの旗 モンゴル
フィリピンの旗 フィリピン
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦
ジョージア (国)の旗 ジョージア
スロベニアの旗 スロベニア
エクアドルの旗 エクアドル
パナマの旗 パナマ
ベネズエラの旗 ベネズエラ
ベルギーの旗 ベルギー
ドイツの旗 ドイツ
スイスの旗 スイス
2017年 - 2019年  エジプト
ルワンダの旗 ルワンダ
チュニジアの旗 チュニジア
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
中華人民共和国の旗 中国
イラクの旗 イラク
日本の旗 日本
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
クロアチアの旗 クロアチア
 ハンガリー
ブラジルの旗 ブラジル
 キューバ
イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
(→2018年7月からはアイスランドの旗 アイスランド
2018年 - 2020年 アンゴラの旗 アンゴラ
 コンゴ民主共和国
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
セネガルの旗 セネガル
アフガニスタン・イスラム共和国の旗 アフガニスタン
ネパールの旗 ネパール
カタールの旗 カタール
パキスタンの旗 パキスタン
スロバキアの旗 スロバキア
 ウクライナ
 チリ
メキシコの旗 メキシコ
ペルーの旗 ペルー
オーストラリアの旗 オーストラリア
スペインの旗 スペイン
2019年 - 2021年 ブルキナファソの旗 ブルキナファソ
カメルーンの旗 カメルーン
エリトリアの旗 エリトリア
ソマリアの旗 ソマリア
トーゴの旗 トーゴ
バーレーンの旗 バーレーン
バングラデシュの旗 バングラデシュ
フィジーの旗 フィジー
インドの旗 インド
フィリピンの旗 フィリピン
 ブルガリア
 チェコ
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
バハマの旗 バハマ
ウルグアイの旗 ウルグアイ
 オーストリア
 デンマーク
イタリアの旗 イタリア
2020年 - 2022年[4] ナミビアの旗 ナミビア
スーダンの旗 スーダン
モーリタニアの旗 モーリタニア
リビアの旗 リビア
インドネシアの旗 インドネシア
日本の旗 日本
大韓民国の旗 韓国
マーシャル諸島の旗 マーシャル諸島
アルメニアの旗 アルメニア
ポーランドの旗 ポーランド
ブラジルの旗 ブラジル
ベネズエラの旗 ベネズエラ
ドイツの旗 ドイツ
オランダの旗 オランダ
2021年 - 2023年[5] コートジボワールの旗 コートジボワール
ガボンの旗 ガボン
マラウイの旗 マラウイ
セネガルの旗 セネガル
中華人民共和国の旗 中国
ネパールの旗 ネパール
パキスタンの旗 パキスタン
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン
 ウクライナ
ロシアの旗 ロシア[注 1]
 チェコ[注 2]
ボリビアの旗 ボリビア
 キューバ
メキシコの旗 メキシコ
フランスの旗 フランス
イギリスの旗 イギリス
2022年 - 2024年[6] ベナンの旗 ベナン
カメルーンの旗 カメルーン
エリトリアの旗 エリトリア
ガンビアの旗 ガンビア
ソマリアの旗 ソマリア
インドの旗 インド
カザフスタンの旗 カザフスタン
マレーシアの旗 マレーシア
カタールの旗 カタール
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦
 リトアニア
モンテネグロの旗 モンテネグロ
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
ホンジュラスの旗 ホンジュラス
パラグアイの旗 パラグアイ
 フィンランド
ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2023年 - 2025年[7] アルジェリアの旗 アルジェリア
モロッコの旗 モロッコ
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
スーダンの旗 スーダン
バングラデシュの旗 バングラデシュ
キルギスの旗 キルギス
モルドバの旗 モルドバ
 ベトナム
ジョージア (国)の旗 ジョージア
 ルーマニア
 チリ
コスタリカの旗 コスタリカ
ベルギーの旗 ベルギー
ドイツの旗 ドイツ
2024年 - 2026年[8] ブルンジの旗 ブルンジ
コートジボワールの旗 コートジボワール
ガーナの旗 ガーナ
マラウイの旗 マラウイ
中華人民共和国の旗 中国
インドネシアの旗 インドネシア
日本の旗 日本
クウェートの旗 クウェート
アルバニアの旗 アルバニア
 ブルガリア
ブラジルの旗 ブラジル
 キューバ
ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
フランスの旗 フランス
オランダの旗 オランダ

議長[9]

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 氏名  国  期間
1 ルイス・アルフォンソ・デアルバ メキシコの旗 メキシコ 2006年6月19日 - 2007年6月18日
2 ドル・ロムルス・コエスタ ルーマニアの旗 ルーマニア 2007年6月19日 - 2008年6月18日
3 Martin Ihoeghian Uhomoibhi ナイジェリアの旗 ナイジェリア 2008年6月19日 - 2009年6月18日
4 アレックス・ファン・メーウェン ベルギーの旗 ベルギー 2009年6月19日 - 2010年6月18日
5 シハサック・プアンゲッゲオ タイ王国の旗 タイ 2010年6月19日 – 2011年6月18日
6 ラウラ・デュプイ・ラセール ウルグアイの旗 ウルグアイ 2011年6月19日 – 2012年12月31日
7 Remigiusz Henczel ポーランドの旗 ポーランド 2013年1月1日 – 2013年12月31日
8 Baudelaire Ndong Ella ガボンの旗 ガボン 2014年1月1日 – 2014年12月31日
9 ヨアキム・リュッカー ドイツの旗 ドイツ 2015年1月1日 – 2015年12月31日
10 Choi Kyong-lim 大韓民国の旗 大韓民国 2016年1月1日 - 2016年12月31日
11 Joaquín Alexander Maza Martelli エルサルバドルの旗 エルサルバドル 2017年1月1日 – 2017年12月31日
12 Vojislav Šuc スロベニアの旗 スロベニア 2018年1月1日 - 2018年12月31日
13 Coly Seck セネガルの旗 セネガル 2019年1月1日 - 2019年12月31日
14 エリザベート・ティヒー=フィッスルベルガー英語版 オーストリアの旗 オーストリア 2020年1月1日 - 2021年1月[10]
15 ナザト・シャミーム英語版 フィジーの旗 フィジー 2021年1月15日[11] - 2021年12月31日
16 フェデリコ・ビジェガス英語版 アルゼンチンの旗 アルゼンチン 2022年1月1日 - 2022年12月31日
17 ヴァーツラフ・バレク チェコの旗 チェコ 2023年1月1日 - 2023年12月31日
18 オマル・ズニバーフランス語版[12] モロッコの旗 モロッコ 2024年1月1日 - (現職)

活動内容

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  • 2006年6月19日、人権理事会の初回会合が、ジュネーブにある国際連合欧州本部で開幕した。コフィー・アナン事務総長は、演説で、「人権分野における国際連合の活動に新しい時代が開かれた」と宣言した。また、事務総長は、「設立から5年間の見直し期間中に、主要機関へ格上げされるだけの働きを見せてほしい」と演説した。29日、人権理事会は、「強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約」(強制失踪防止条約)案を全会一致で採択し、総会に対し、同年中の採択を勧告した。この条約は、2006年12月20日に第61回国連総会にて採択され、2010年12月23日に発効した。
    この条約案は、アルゼンチンチリなど南米軍事政権による、国内の反体制者の逮捕・監禁を防止することを主たる目的として、20年以上前から起案作業が進められた。しかし、関係各国の利害対立により、採択されるに至らなかった。その後、北朝鮮による日本人拉致問題などを念頭に、日本が「国境を越えた拉致」も条約案に盛り込むよう働きかけて採択のために積極的に活動した。2003年から本格的に議論が開始されて採択に至った。
    この条約案は、条約加盟国に対しての強制失踪を重大な犯罪として法的に禁じるとともに刑罰を設けるよう定める。司法による手続きに基づかない逮捕、監禁、拉致の理由に、内戦などを挙げることを認めず、秘密情報員国家の承認を受けたグループによる拉致を「人道に対する罪」と断定している。被害者やその遺族には、失踪の真相に対して知る権利を付与している。当該国家に対しては、拉致被害者の解放と補償を求めている。また、強制失踪問題を監視する委員会を創設して必要があれば同委員会が現地調査も行う。
  • 2008年5月14日には、日本の人権状況に関する報告書の中で、慰安婦(日本軍性奴隷制)問題に関する完全な解決を日本国政府に対し要求した。
  • 2011年6月17日の第17回会合では、性的指向と性自認に関する宣言とウィーン宣言及び行動計画の実現のため、国際連合人権高等弁務官に、2011年12月までに全世界の性的指向性自認に関連した人権蹂躙の調査を求め、その問題を理事会第19回会合にて議論するという内容の決議を採択した[13](賛成:23 反対:19 棄権:3)
  • 2011年12月2日、シリアアサド政権による反政府デモ弾圧に関する特別会合を開き、非難決議を賛成37、反対4、棄権6で採択した。ピレイ国連人権高等弁務官は殺害された市民が子ども307人を含む計4000人以上になったと述べ、国際連合安全保障理事会への勧告を求めたが採決案から外された。シリアの人権状況を継続的に監視する「特別報告者」の設置も決めた。本特別会合は8月に続き今年に入って3回目である[14][15]
  • 2013年3月21日、北朝鮮人権状況を調べる調査委員会の立ち上げを全会一致で承認した[16]
  • 2013年3月31日、日本の精神保健精神障害者の非常に大勢が、自らの意思に反して長期間に渡って社会的入院身体拘束と隔離が過剰に用いられているとして、全ての精神科病院を訪問監査する独立組織を立ち上げること、外来ケアとコミュニティケアを充実させ、入院患者数を削減する(脱施設化)よう、日本国政府に勧告している[17]。同様に経済協力開発機構も、日本は他国に比べると「脱施設化が遅れている」と、日本国政府に勧告している[18]
  • 2014年7月23日、イスラエルガザ侵攻を非難する決議を29ヶ国の賛成多数で可決。理事会議長が派遣する調査委員会が国際人道法・国際人権法違反を調べるとしている[19]
    • 当事者のパレスチナ自治政府と、アラブ諸国などが共同で決議案を提出。アメリカ合衆国が反対、欧州連合諸国と日本など17ヶ国は棄権。イスラエルは「衡平を欠く」と猛反発しており、調査に協力する可能性は低いと見られている。
  • 2017年、国連特別報告者のデビット・ケイが日本の放送メディアの独立性を強化するため、独立した監督機関を検討する必要があると報告[20]
  • 2018年6月19日、アメリカのドナルド・トランプ政権は、国際連合人権理事会からの脱退を表明した[21]
  • 2019年7月11日、日本や欧州連合諸国など22カ国の大使が中国の新疆ウイグル再教育キャンプを非難する共同書簡を理事会に提出[22]
  • 2020年6月17日、ジョージ・フロイドの死に端を発したアメリカ国内及び世界各地での人種差別状況について討議[28]
  • 2023年8月、「ビジネスと人権」作業部会は訪日調査報告書を発表し、その中で日本に根強く残る問題として、「女性、LGBTQI+性的少数者)、障害者先住民族アイヌ民族)、部落労働組合が特にリスクにさらされている」とした上で、この他にも技能実習制度移民労働者)や気候変動対策環境問題福島第一原子力発電所事故収束作業を巡る強制労働、PFAS(有機フッ素化合物)、ジャニー喜多川性加害問題、女性ジャーナリスト性的被害に対する救済措置不足、アニメ業界での長時間労働やクリエイターの知的財産権についても改善を求めた[29]

批判

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アメリカ合衆国のバラク・オバマ政権の人権担当のアメリカ国連大使だったキース・ハーパーは、2006年の設立から2009年のアメリカが初出馬後の選出されるまでの間に人権理事会を牛耳っていたのは中国やキューバ、パキスタンのような人権抑圧国家だったと批判している[30]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 2022年4月7日に資格停止、のち離脱。
  2. ^ 資格停止になったロシアに代わり、2022年5月10日に選出された。

出典

[編集]
  1. ^ “国連、ロシアの人権理事国資格を停止-賛成多数も反対・棄権が82カ国”. ブルームバーグ. (2022年4月7日). https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-07/R9ZCUCT1UM1201 2022年4月8日閲覧。 
  2. ^ “国連人権理事国の資格を停止されたロシア 自ら離脱で復帰の道を絶つ”. 朝日新聞. (2022年4月8日). https://www.asahi.com/articles/ASQ4821DPQ48UHBI005.html 2022年4月8日閲覧。 
  3. ^ “ロシア、国連人権理事会への復帰逃す 投票で落選”. ロイター. (2023年10月11日). https://jp.reuters.com/world/ukraine/A7EYPBQQDZI27PE7WKRWNKJBYM-2023-10-10/ 2023年10月11日閲覧。 
  4. ^ Election of the Human Rights Council (17 October 2019)”. United Nations General Assembly. United Nations (17 October 2019). 17 October 2019時点のオリジナルよりアーカイブ17 October 2019閲覧。
  5. ^ 2020年10月選挙結果レポート
  6. ^ Election of the Human Rights Council (14 October 2021)”. United Nations General Assembly. United Nations (14 October 2021). 7 January 2021閲覧。
  7. ^ Election of the Human Rights Council (11 October 2022)”. United Nations General Assembly. United Nations (11 October 2022). 2023年1月5日閲覧。
  8. ^ Election of the Human Rights Council (10 October 2023)”. United Nations General Assembly. United Nations (2023年10月10日). 2023年10月11日閲覧。
  9. ^ Human Rights Council President” (英語). 国際連合人権理事会. 2024年6月11日閲覧。
  10. ^ President of the 14th Cycle”. 21 June 2019時点のオリジナルよりアーカイブ8 January 2020閲覧。
  11. ^ Farge, Emma (January 15, 2021). “Fiji wins presidency of U.N. rights body after vote unblocks leadership impasse”. msn.com. Reuters. https://www.msn.com/en-us/news/world/fiji-wins-presidency-of-un-rights-body-after-vote-unblocks-leadership-impasse/ar-BB1cMyUD?ocid=ob-fb-enus-1541512262291 January 15, 2021閲覧。 
  12. ^ Human Rights Council Elects Omar Zniber of Morocco to serve as its President for 2024” (英語). 国際連合人権理事会. 2024年6月11日閲覧。
  13. ^ Human Rights Council Resolution, Seventeenth session Archived 2011年7月8日, at the Wayback Machine.
  14. ^ シリア:デモ弾圧、非難決議を採択--国連人権理事会 毎日新聞 2011年12月3日
  15. ^ シリア非難決議採択 安保理に言及せず 国連人権理事会 朝日新聞 2011年12月3日
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関連項目

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外部リンク

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