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地面師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

地面師(じめんし)とは、不動産をめぐり、土地の所有者になりすまして架空の売却を持ちかけ、代金をだまし取る詐欺を行う者、もしくはそのような手法で行われる詐欺行為のことである。

歴史

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日本では、太平洋戦争敗戦後間もない頃、東京を始めとする主要都市で地面師による被害が頻発した。背景として、空襲により所有者が家族を含め全員死亡するなどして、権利関係が不明確になる事例が多発したこと、登記所法務局)を含む役所が被災し、書類が焼失したこと、加えて戦後社会の混乱や役所の人員不足なども重なり、不動産登記や証明、相続などが確実に行えない事情があった。

1980年代後半から1990年代初期にかけてのバブル時代には地価が高騰し、大きな利益が得られたことから再び増加した[1]。その後は沈静化し、登記簿や印鑑証明など権利関係の移転に必須な書類の電子化が進み、他人へのなりすましはより困難になってきている。

しかし、2010年代半ば頃より、主に東京都内において、東京オリンピック開催を機に地価が上昇し、管理の行き届かない土地や所有者側の事情で表面化しにくい土地を中心に、地面師による被害が発生している[2]

2017年には、積水ハウスが偽造書類を用いたなりすましにより約55億円の詐取被害に遭い、2017年2-7月期連結決算にて、購入代金の回収が困難になったとして、被害相当額を特別損失に簿記計上したことが大きく報道された[3]

脚注

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  1. ^ 昔からあった「地面師詐欺」の実態とは?”. ZOO ONLINE (2017年8月21日). 2018年10月15日閲覧。
  2. ^ 「地面師」 再び暗躍 その手口とは”. NHK (2017年9月28日). 2018年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月20日閲覧。
  3. ^ 積水ハウス、「地面師」を告訴 詐欺容疑で55億円被害か”. 日本経済新聞 (2017年9月15日). 2018年10月15日閲覧。

関連項目

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