城塚翡翠シリーズ
城塚翡翠シリーズ(じょうづかひすいシリーズ)は、相沢沙呼による日本の推理小説のシリーズである。講談社より2019年9月から刊行されている。装画は遠田志帆が手掛けている。
概要
[編集]著作である青春小説『小説の神様』の映画化が決定したとき、代表作がミステリではなくなってしまうことを危惧した相沢は、当時「マツリカ」シリーズ第3作の『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補作に選ばれたこともあって、自分なりの本格ミステリを書こうと決意する[1]。デビュー作から日常の謎と呼ばれるジャンルを扱ってきたが、今こそ殺人事件を書くときかもしれないと思い、『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を書きあげた[2][3]。『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は第20回本格ミステリ大賞受賞などミステリランキング5冠を獲得し、高い評価を得た[4][5]。
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を書く以前、相沢は城塚翡翠をクローズド・サークルなどの本格ミステリの舞台で活躍する探偵か、『古畑任三郎』のような倒叙ものの探偵にしようと考えていた[6][7]。シリーズ第2作ではクローズド・サークルの長編のプロットを組み立てていたが、担当編集者から「なるべく早く続編を」と急かされ、読者の熱が冷めないうちに応えたいという思いもあり、長編よりも書くのに時間がかからない中編を集めた『invert 城塚翡翠倒叙集』が完成した[6][7][8]。
あらすじ
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登場人物
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シリーズ一覧
[編集]- medium 霊媒探偵城塚翡翠
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- 単行本:2019年9月10日発行(2019年9月12日発売[9])、講談社、ISBN 978-4-06-517094-6
- 文庫本:2021年9月15日発行(同日発売[10])、講談社文庫、ISBN 978-4-06-524971-0
- invert 城塚翡翠倒叙集
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- 単行本:2021年7月5日発行(2021年7月7日発売[11])、講談社、ISBN 978-4-06-523732-8
- 文庫本:2023年11月15日発行(同日発売[12])、講談社文庫、ISBN 978-4-06-533789-9
タイトル 初出 雲上の晴れ間 書き下ろし 泡沫の審判 『小説現代』2021年1月号 信用ならない目撃者 書き下ろし
- invert II 覗き窓の死角
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- 単行本:2022年9月12日発行(2022年9月14日発売[13])、講談社、ISBN 978-4-06-528638-8
タイトル 初出 生者の 言伝 『小説現代』2021年9月号 覗き窓 の死角書き下ろし
単行本未収録作品
[編集]- ギガくらりの殺人
- 『紙魚の手帖』vol.05 JUNE 2022(2022年6月10日発行、東京創元社、ISBN 978-4-488-03110-7)掲載
- 春の佩帯
- 『小説現代』2022年10月号(2022年9月22日発売、講談社)掲載
オーディオブック
[編集]audiobook.jp版
[編集]オトバンクが運営する「audiobook.jp」により音声化されている。シリーズ第1作『medium 霊媒探偵城塚翡翠』が2020年9月28日[14]、第2作『invert 城塚翡翠倒叙集』が2022年6月21日[15]、第3作『Invert II 覗き窓の死角』が2023年11月15日[16]に配信された。
漫画
[編集]清原紘の作画で、シリーズ第1作『medium 霊媒探偵城塚翡翠』が漫画化された[17]。
テレビドラマ
[編集]『霊媒探偵・城塚翡翠』(れいばいたんてい じょうづかひすい)のタイトルで、2022年10月16日から11月13日まで日本テレビ系「日曜ドラマ」枠で放送された[18]。主演は清原果耶[18]。原作はシリーズ第1作『medium 霊媒探偵城塚翡翠』。
『invert 城塚翡翠 倒叙集』(インヴァート じょうづかひすい とうじょしゅう)のタイトルで、2022年11月20日から12月25日まで日本テレビ系「日曜ドラマ」枠で放送された[19]。原作はシリーズ第2作『invert 城塚翡翠倒叙集』及び、第3作『invert II 覗き窓の死角』。
脚注
[編集]- ^ “『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』相沢沙呼|講談社文芸第三出版部|講談社BOOK倶楽部”. 講談社. 2022年9月19日閲覧。
- ^ “『medium』の次に読むべき作品はこちら! 二重の謎というこだわりを追求した学園本格ミステリーー 『マツリカ・マトリョシカ』文庫化記念、相沢沙呼インタビュー”. カドブン. KADOKAWA (2020年4月8日). 2022年9月19日閲覧。
- ^ “相沢沙呼さん『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』”. 小説丸. 小学館 (2020年2月21日). 2022年9月19日閲覧。
- ^ “medium 霊媒探偵城塚翡翠特設サイト”. 講談社. 2022年8月17日閲覧。
- ^ nonaka (2021年7月9日). “「城塚翡翠」シリーズ(講談社)/相沢沙呼氏に聞く”. Bunka News B.B.B. 2022年8月18日閲覧。
- ^ a b “話題のミステリ作家二人が「ミステリにおける伏線と反転」をテーマに語り合う!【浅倉秋成×相沢沙呼 緊急対談(前編)】”. カドブン. KADOKAWA (2021年11月16日). 2022年9月19日閲覧。
- ^ a b “『medium』から『invert』へーー相沢沙呼が語る、ミステリ小説における推理、驚き、秘密の暴露”. Real Sound|リアルサウンド ブック (2021年7月31日). 2022年9月19日閲覧。
- ^ 相沢沙呼(インタビュー)「「犯人当て」だけではないミステリのおもしろさを届けたい:相沢沙呼『invert 城塚翡翠倒叙集』インタビュー」『ほんのひきだし』、NIPPAN、2021年8月2日 。2024年4月15日閲覧。
- ^ “『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(相沢 沙呼)|講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2022年9月16日閲覧。
- ^ “『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(相沢 沙呼):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2022年8月20日閲覧。
- ^ “『invert 城塚翡翠倒叙集』(相沢 沙呼)|講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2022年8月20日閲覧。
- ^ “『invert 城塚翡翠倒叙集』(相沢 沙呼)|講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2023年11月16日閲覧。
- ^ “『invert II 覗き窓の死角』(相沢 沙呼)|講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2022年9月16日閲覧。
- ^ audiobook.jp [@audiobook_jp] (2020年9月21日). "\お待たせしました!/五冠獲得&本屋大賞ノミネート!相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』古賀葵・赤羽根健治主演のオーディオブックを、ついに9月28日(月)より配信開始!本日は本編の一部音声を公開!!追加キャストも動画内で公開!". X(旧Twitter)より2022年9月19日閲覧。
- ^ audiobook.jp [@audiobook_jp] (2022年6月21日). "新作オーディオブック『invert 城塚翡翠倒叙集』すべてが、反転。『medium 霊媒探偵城塚翡翠』待望の続編を音声化". X(旧Twitter)より2022年9月19日閲覧。
- ^ “invert II 覗き窓の死角”. audiobook.jp. 2023年11月16日閲覧。
- ^ “霊媒が犯人を当て推理作家が謎を解く「霊媒探偵城塚翡翠」コミカライズ版がアフタで”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2022年9月24日) 2022年11月12日閲覧。
- ^ a b “清原果耶が原作表紙でおなじみのポーズを披露 『霊媒探偵・城塚翡翠』ティザー映像公開”. Real Sound|リアルサウンド 映画部 (2022年9月14日). 2022年9月19日閲覧。
- ^ “清原果耶主演『霊媒探偵・城塚翡翠』“最終話”の意味が判明&伏線回収 来週から“連ドラ史上初”の新番組で第1話再び【ネタバレあり】”. ORICON NEWS. 2022年11月13日閲覧。
外部リンク
[編集]- 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 - 講談社ノベルス
- 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 - 講談社文庫
- 『invert 城塚翡翠倒叙集』 - 講談社BOOK倶楽部
- 『invert II 覗き窓の死角』 - 講談社BOOK倶楽部