堀本武功
人物情報 | |
---|---|
国籍 | 日本 |
出身校 |
中央大学法学部卒業 インド国立デリー大学政治学研究科修士課程修了 |
学問 | |
活動地域 | インド、南アジア |
研究分野 | インド政治外交史 |
研究機関 |
岐阜女子大学 客員教授 元国立国会図書館調査及び立法考 査局長 |
学位 | 博士号 |
特筆すべき概念 | リアリズムの観点からのインド政 治外交史を研究 |
主な業績 | 日本を代表し、国際的に活躍するインド研究者である。 |
学会 | 日本南アジア学会、日本国際政治学会、アジア政経学会 |
堀本 武功(ほりもと たけのり、HORIMOTO Takenori、1943年(昭和18年)1月8日 - )は、日本の国際政治学者。岐阜女子大学の客員教授、公益財団法人日印協会インド研究センター上席研究員。
国立国会図書館の調査及び立法考査局局長、尚美学園大学大学院教授、京都大学大学院特任教授、拓殖大学、放送大学客員教授などを歴任。
専攻は国際政治学、地域研究、インド政治、南アジアの政治、印中関係、印米関係など。
日本を代表し、国際的に活躍するインド研究者である。
略歴
[編集]学歴
[編集]- 1966年中央大学法学部卒業 3月 -
- 1968年 - インド政府奨学生としてインド国立デリー大学政治学研究科修士課程留学
- 1970年 - 同修士課程修了、修士号を取得
- 2016年 - 「現代インド外交の研究」で博士号を取得
職歴
[編集]- 1972年 4月 - 国立国会図書館、入館
- 1984年 - 在インド日本大使館政務担当専門調査員として(〜1986)
- 1999年 - 国立国会図書館調査及び立法考査局局長
- 2003年[1]。 2月 - 局長退任、国立国会図書館、退職
- 2003年尚美学園大学大学院教授 (2013年まで) 4月 -
- 2006年拓殖大学大学院客員教授 (2013年まで) 4月 -
- 2010年京都大学大学院特任教授(2016年まで) 4月 -
- 2015年 - 公益財団法人日印協会インド研究センター 上席研究員
- 2016年岐阜市所在の私立大学)の客員教授、南アジア研究センターに属する 4月 - 岐阜女子大学(
人物
[編集]中央大学法学部卒業後(1966年)、1968年よりインド政府奨学生としてデリー大学大学院政治修士課程に2年間留学、その後に国立国会図書館に入館した(1972年)。
長年のインド研究に従事した回顧として、以下のようなエピソードがある。
国会図書館入館当時、著名なアメリカ研究者から『なぜインドなどに行ったのか』と尋ねられ、発奮してインド研究を中心に取り組みはじめた。さらに、在インド日本大使館政務担当専門調査員(1984年-1986年)の経験が、研究の本格化につながった。そして20年後、その研究者からインドの大国化を背景に「インドをやっていてよかったね」と言われたと いう。
活動
[編集]デリー大学での留学、国立国会図書館での調査研究活動に取り組み、在インド日本大使館専門調査員としてフィールド研究を重視するインド外交の包括的研究を継続した。インド国内政治、外交政治において業績を積み上げた。特に1990年代より日印、印米、印中関係にも研究対象を広げるとともに、各大学の学部・大学院において指導を続けた。
現代インド外交政治については特に日本・インド・アメリカ・中国というキーワードを軸に論を展開している。また、日本を代表するインド専門家として、インド、アメリカ、中国などにおける多数の国際会議に招待されており、その発言は議論をリードするものとして各国研究者より高く評価されている[3]。
マスメディアにも頻繁に登場しており、NHKのクローズアップ現代はじめとして時事解説、ニュース解説番組での番組出演は50回を越えるという。朝日新聞などの新聞、岩波書店の月刊誌『世界』、『中央公論』[4]などの雑誌に多数執筆しており、現在に至るまで論壇で盛んに活躍している。
著作
[編集]単著
[編集]- 堀本武功 『インド現代政治史』 刀水書房、1997年
- 堀本武功 『インド グローバル化する巨象』』 岩波書店、2007年
- 堀本武功 『インド 第三の大国へ―〈戦略的自律〉外交の追求―』 岩波書店、2015年
単編著
[編集]共編著
[編集]- 堀本武功・広瀬崇子 『アフガニスタン 南西アジア情勢を読み解く』 明石書店、2002年
- 堀本武功・広瀬崇子 『叢書 現代南アジア第3巻 南アジアの政治』 東京大学出版会、2002年
- 堀本武功・西原正 『軍事大国化するインド』 亜紀書房、2010年
- 堀本武功・三輪博樹 『現代南アジアの政治』 放送大学教育研究会、2012年
- 堀本武功・長崎暢子・近藤則夫『現代インド3 深化するデモクラシー』 東京大学出版会、2015年
- 堀本武功・村山真弓・三輪博樹編『これからのインド 変貌する現代世界とモディ政権』 東京大学出版会、2021年
訳書
[編集]- 堀本武功 『アメリカはなぜインドに注目するのか:台頭する大国インド』明石書店、2003年
(Stephen P. Cohen, India:_Emerging_Power India: Emerging Power, The_Brookings_Institution Brookings Institution, 2002)
- 堀本武功・塚田洋 『冷戦後のアメリカ外交―クリントン外交はなぜ破綻したのか』 明石書店、2005年
(William G. Hyland, Clinton’s World Remaking American Foreign Policy, ISBN 978-0275963965, Praeger Praeger, 1999)
英文共編
[編集]- (Lalima Varma)India-Japan Relations in Emerging Asia, Manohar, 2013年
主要業績(2010年以降)
[編集]共著
[編集]- HORIMOTO Takenori, “Chapter 1 India-China Relations: Bonhomie with Ambivalence“ in S.Kondapalli & M. Mifune (ed.), China and its Neighbours, Pentagon_Press Pentagon Press, 2010年
- 堀本武功 「インドのアジア外交―米日中との関わり」近藤則夫編『現代インドの国際関係: メジャー・パワーへの模索』 アジア経済研究所調査研究報告書、2010年
- 堀本武功 「第2章 アンビバレントな印中関係―協調と警戒」天児慧・三船恵美 三船恵美 編『膨張する中国の対外関係―パクス・シニカと周辺国』 勁草書房、2010年
- 堀本武功 「Ⅰ章 南アジアの大国インドと日本」、「Ⅱ章4節 インドをめぐる日本の動き」、「Ⅳ章 インド・南アジア・インド洋・アフガニスタンの将来」 西原正・堀本武功編『軍事大国化するインド』 亜紀書房、2010年
- 堀本武功 「第2章第3節 2000年以降におけるインド内政」(浦田秀次郎・小島眞他編 『インド 成長ビジネス地図』日本経済新聞、2010年
- 堀本武功 「印パ核実験問題」 和田春樹他編『東アジア近現代史 第10巻 和解と協力の未来』 岩波書店、2011年
- 堀本武功 「第1章 現代インド外交路線の検討」近藤則夫編『現代インドの国際関係―メジャー・パワーへの模索―』研究双書No.599 アジア経済研究所、2012年
- HORIMOTO Takenori, ”Chapter 18 Japan: Between pacifism and pragmatism,” in Harsh V.Panted, Handbook of Nuclear Proliferation Handbook of Nuclear Proliferation , Routledge, 2012
- 堀本武功 「バングラデシュと南アジア」(日本経済研究センター編『アジア『新・新興国戦略 アジア『新・新興国戦略』 日本経済研究センター、2013年
- 堀本武功 「第7章 日本の南アジア外交―緊密化する対印関係と今後の課題」 国分良成編『日本の外交 第4巻 対外政策地域編 日本の外交 第4巻 対外政策地域編』 岩波書店、2013年
- HORIMOTO Takenori, “Chapter 1 Power Transition in Asia,” in Uttar_Kumar_Sinha Uttar Kumar Sinha (ed.), Emerging Strategic Trends in Asia Emerging Strategic Trends in Asia, (Pentagon Press, 2015年)
- HORIMOTO Takenori and Purnendra Jain, “Chapter 2 Japan and the Indo-Pacific” in Chacko, Priya Chacko, Priya (ed.), New Regional Geopolitics in the Indo-Pacific New Regional Geopolitics in the Indo-Pacific, Routledge, 2016
- HORIMOTO Takenori, “Chapter 11 India-Japan Relations on a New High,” Anirban Ganguly (et.al eds.), Modi’s Doctrine, Freedom Tree, 2016年
主要単行論文
[編集]単行論文は126本あり、2010年代以降、英文論文が多い。
- 堀本武功 「富国強兵を目指すインド・モディ政権の外交戦略」『外交 外交』No.41 時事通信出版社、2017年1月
- 堀本武功「日印関係の回顧と展望:共存する緊密さとズレ」『現代インド・フォーラム』現代インド・フォーラム2022年春季号 No.53 - 公益財団法人 日印協会 (japan-india.com)
- 堀本武功「インド・ファースト外交の思惑―ロシアのウクライナ侵攻と米中覇権の狭間で」『海外事情』2022年9月
- HORIMOTO Takenori, “Japan-India Rapprochement and Its Future Issues” Japan’s Diplomacy Series, Japan Digital Library, The_Japan_Institute_of_International_Affairs The Japan Institute of International Affairs, April 2016 [2]
- HORIMOTO Takenori ”Explaining India’s Foreign Policy: From Dream to Realization of Major Power,” International Relations of the Asia-Pacific International Relations of the Asia-Pacific, Volume 17, Issue 3, Oxford University Press, 1 September 2017 [3]