墓じまい
墓じまい(はかじまい)は、日本の墓において、墓所や墓石を撤去、処分すること。
概要
[編集]墓じまいの理由
[編集]墓じまいが行われる理由としては、後継者がいないということや、現在の住居が墓が存在しているところとは遠く離れているために墓参りができないといった理由が挙げられる。墓じまいを行った家庭では、以降の先祖の供養は永代供養のできる納骨堂や合同墓地で行うことになったり、散骨や樹木葬など従来の仏教での方法とは異なった自然葬で行うなどの方法が取られている[1]。
手続き
[編集]墓じまいに関連する手続きは墓地、埋葬等に関する法律で定められている[1]。同法では現在の墓地管理者による埋葬証明書、改葬先の寺院や霊園などによる受入証明書、自治体ごとに指定された改装許可申請書、戸籍謄本を提出して改葬許可証を取得する必要があると定められている[1][2]。これらの法定要件を充足したとしても、現在墓地のある寺院の理解を得られず、高額な離檀料を請求されるトラブルも発生している[1]。ただし離檀料に法的な根拠はない[2]。
アンケート
[編集]2024年のニュース記事によると、20代以上を対象としたアンケートでは、墓じまいをしたいと思うかと言う質問に対しては、「とても思う」と「やや思う」と答えた人の割合は約7割と多数派であった。この記事によると全国的に墓じまいが行われている数というのが増加傾向であり、核家族化や遺骨を残さない供養する方法の登場などから墓じまいに関心を持つ人が増加していると見られている。また同じアンケートでは、墓じまいを行いたい理由も質問されており、一番多い理由は墓の維持管理や墓参りが大変だからということであった。続いて跡継ぎがいないことが多い理由であり、この次に跡継ぎがいても子供に負担をかけたくないというのが多い理由であった[3]。
統計調査
[編集]厚生労働省は、墓じまいを行った件数の統計を公表している。2023年10月に公表したデータによると日本全国で墓じまいが行われた件数は2022年が過去最高であるという結果が示されている。2022年の数字は1998年と比較して約2倍となっている。墓じまいを行った件数は年々増え続けている。このデータでは都道府県別での墓じまいの件数も公表されており、都市部ほど多くの墓じまいが行われている[4]。
脚注
[編集]- ^ a b c d 「墓じまい」『日本大百科全書(ニッポニカ)、知恵蔵mini』 。コトバンクより2024年6月23日閲覧。
- ^ a b “「墓じまい」でお寺に法外な離檀料を請求されたら”. 朝日新聞社 (2020年12月25日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “【今や「お墓は不要」が多数派?】約7割が「墓じまい」したい、希望する自分の供養方法でトップとなったのは「散骨」”. マイナビ子育て|夫婦一緒に子育て. 2024年6月23日閲覧。
- ^ 良子, 吉沢 (2024年1月14日). “もうお墓は要らない?【増える墓じまい・避けたい無縁墓】2022年の改葬件数は過去最高に 七回忌?三十三回忌?「うちのお墓はいつまで使う」 | LIMO | くらしとお金の経済メディア”. LIMO. 2024年6月23日閲覧。