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声 (武満徹)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

声 -独奏フルート奏者のための-』は、武満徹が作曲したフルート独奏のための曲。「声」と書き「ヴォイス」と読む[1]1971年4月、オーレル・ニコレのために作曲された[2]

フルートは完全に演奏家の肉体の一部であり、楽器の音と奏者の発する肉声の間の区別はない。作曲者は不特定多数の〈聴衆〉ではなく、ひとりの聴き手を求めている。この作品には滝口修造の《手づくり諺》の一行、〈誰か?まずは物を言え、透明よ!〉の仏訳と英訳が用いられている[2]。演奏では、演奏者の声も入る。

初演

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1971年6月9日、「クロストーク」演奏会で野口龍の演奏により行われた[3]

出版

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デュラン=サラベール=エシーク出版。現在サラベール社から出版されている楽譜はピエール=イヴ・アルトーフランス語版による改訂版で、初期の演奏に使われていた楽譜とは異なる[4]。そのため、重音による演奏箇所が数か所減っていたり、click with tongueだった指示がpizzicatoに変更されていたり、と初期の楽譜とは全く違っている[4]。また、フルーティストの小泉浩によると、楽譜で指示されている2本のマイクの使用 (エア・マイクとコンタクト・マイク) に関して、使用しない演奏も武満は許可している[4][注 1]。改訂版よりもそれ以前の版の方がずっとよい、というのが小泉浩の見解である[4]

脚注

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  1. ^ マイクの音の方が大きくなりすぎて、フルートの生音を邪魔してしまうのが避けられないため[4]

出典

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  1. ^ ショット・ミュージック株式会社|武満徹 作品リスト
  2. ^ a b 『武満徹の世界』編集斎藤愼爾・武満眞樹 1997年 ISBN 4-08-774245-8 武田明倫執筆の248頁
  3. ^ 『武満徹の世界』 秋山邦晴執筆の257頁
  4. ^ a b c d e 武満徹 響きの海 室内楽全集 1、キングレコード KICC 581-582、ライナーノーツ