大ダーク
大ダーク | |
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ジャンル | サイエンス・ファンタジー(SFコメディ[1]) ブラック・コメディ[1] バイオレンス・アクション[独自研究?] |
漫画 | |
作者 | 林田球 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ゲッサン |
レーベル | ゲッサン少年サンデーコミックス |
発表号 | 2019年4月号 - |
発表期間 | 2019年3月12日[2] - |
巻数 | 既刊8巻(2024年10月11日現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『大ダーク』(だいダーク)は、林田球による日本の漫画。『ゲッサン』(小学館)にて、2019年4月号から連載中[2]。
概要
[編集]沿革
[編集]2018年9月12日発売の『ゲッサン』10月号にて、林田の『ドロヘドロ』の最終回が掲載され、同号にて本作の連載を準備していることを発表[3]。2019年3月12日発売の4月号より連載を開始[2]。
第1巻のカバーの初期のコンセプトは「クラシカルでノスタルジーを感じる1冊にしたい」であった[4]。そこで「今売れているコミックスを見に行こう」と林田と担当編集者が都内の大型書店へ訪れたところ、「色々と悩んだ」林田は青山剛昌の『まじっく快斗』の単行本を手に取った[4]。しかし紆余曲折あり、第1巻は別物となった[4]。単行本第1巻と同日に発売した『ゲッサン』2019年12月号では、その「初期コンセプトが詰まったデザイン」を採用したアナザーカバーが付属している[4]。
2019年、ヴィレッジヴァンガードの公式フリーペーパーの『VVマガジン』12月号の表紙に『ドロヘドロ』とともに本作が採用される[5]。2020年1月1日より、ヴィレッジヴァンガードにて「ドロヘドロ&大ダーク」福袋を展開[5]。2020年1月、YouTubeにて本作のCMを公開[6]。
作風
[編集]広い宇宙を舞台としたブラック・コメディ[1]。コミックナタリーによると、本作は「『ドロヘドロ』にもあったコメディ要素がさらにパワーアップ」し、「アップテンポで賑やかに描かれて」いるが、「登場キャラクターがかぶっている“マスク”」や「主人公を囲む陽気なキャラクターたち」など、『ドロヘドロ』の読者も楽しめるよう描かれている[1]。『このマンガがすごい!』では「バイオレンスなのにキャラクターやストーリーにはキュートな魅力もあって、その世界観はさながらダークでポップな現代アート」と表現している[7]。
制作背景
[編集]連載決定
[編集]2017年、『ヒバナ』(小学館)がなくなり、『ドロヘドロ』が『ゲッサン』に移籍した時には、同作のアニメの話があった[1]。その当時は2019年の秋アニメの予定で当時の『ゲッサン』の編集長が「アニメと同時に新連載の1巻を出したいね」と言ったことにより、同作の終了時には新連載の掲載号が決定していた[1]。しかし同作の終了後から本作の開始までの半年には、同作の企画や作業をしていたため、本作の「準備期間はほぼゼロ」であった[1]。主人公の外見も性格も、全然決まらず「主人公って難しい」と何か月も考えながら、2019年1月くらいに本作の第1話のネームを描き始めた[1]。「編集長のOKを取る前に、連載が始まることだけ決定して」いたため、同月、担当編集者は編集長から「タイトル以外影も形もないけど大丈夫」かと言われていた[1]。
構想
[編集]「もともと、映画の『エイリアン』が好き」で、「宇宙でクリーチャーと戦う『Dead Space』という洋ゲーが大好き」な林田は、「宇宙がすごく好きでも、宇宙……つまりSFは私には描けないとほぼ諦めていた」状態に追い詰められてしまうが、新連載の予告をしなければならないため、「もう宇宙しかない」と考え、「『宇宙でいく、好きだからなんとかなるだろう』と宇宙と向き合うこと」にした[1]。「予告には内容が多少わかるように書きたい」と考えていた担当編集者が「『宇宙、惑星、大冒険』でどう」かと提案したため、林田は「じゃあそれでなんとかします! それでいきましょう!」と答え、「予告の通りの展開」となった[1]。林田は「『ドロヘドロ』が長期連載できつい時期もあった」ため、「次は軽いものを、という思いもあ」った[1]。林田によると「『ドロヘドロ』にもコメディ要素」があったが、本作は「軽く読める、ちょろちょろって読んでもらうのに適したマンガ」であり、「本当にコメディだと思っている」と話している[1]。
連載開始と主人公
[編集]主人公の「名前も決まらない、性格も決まらない、どうしよう」と考え、「一人称は「ぼく」で、14歳にしてみようか」程度の「あんまり固まりきらない」状態で第1話が開始された。林田は「普通の少年を描くのはあまり得意ではない」ため、大きくしようと考えた[1]。林田によると「最初は主人公をおっさんにしようとか、すごくぽっちゃりにしようとか、いろいろ考えた」が、「自分が好きになれるキャラクターというのは大前提として、みんなが描かない主人公のほうが、まだ勝機がある」と考え、試行錯誤の末、「14歳と言いつつ少年らしさを排除したサンコ」が誕生している[1]。『ゲッサン』は「恋愛を描く作品がすごく多い」が、「恋愛や青春の描写を描けない」林田は、「恋愛を描かずにネームが通るのか」と悩んだこともあると話している[1]。林田は『おかしなガムボール』や『ぼくはクラレンス!』などの「小学校が舞台の作品が多い」ようなカートゥーンアニメを観ており、ネタ帳に「小学校」とメモをしていたが、「新連載のネタとして「宇宙」とくっつけてみようかと」考え、サンコの8歳の時のエピソードが挿入されている[1]。
作品について
[編集]林田によると、「SFを描いていて大変なこと」は用語であり、「独自のカッコいいSF用語」は無理だと考え、「想像しやすい、簡単な言葉で作るように」している[1]。ネーミングのルールを決めるまで、時間がかかったという[1]。「主人公側のアイテムは“闇の某”、敵対勢力の光力塊が作ったものは“光”土コンテナとか“光”油先生」と決まっている[1]。
「食べたいけどすぐ食べに行けないものをマンガに出す」という林田は、「ギトギトしたのが食べたい」と考え、みぼすぱん(ミートボールスパゲティパン)を登場させている[8]。
あらすじ
[編集]主人公のザハ=サンコの骨を奪った者は「どんな願いも叶える」と言われ、絶えず多くの宇宙人から命(骨)を狙われる運命にある。相棒のアバキアンと共に、襲い掛かる宇宙人を返り討ちにしながら骨を集め、噂を流した者を特定するため宇宙を旅し続ける[9]。
世界観・用語解説
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登場人物
[編集]- ザハ=サンコ
- 良く言えば明るく前向きな思考の持ち主、悪く言えばかなり能天気な性格の少年。常に命を狙われながらもマイペースに旅を続けている。好物はみぼすぱん(ミートボール・スパゲティをはさんだただのパン)。
- ミートボール・スパゲティ
- 6年前、正体を隠しアバキアンと巨大小学校船・タイボクガンに通っていた時のサンコの偽名。学校に友達はいないが、マイペースに通学していた。
- アバキアン
- 宇宙人の標準装備であるニーモツの中でも特別な「闇のニーモツ」。色々な機能を持つ。いつもサンコの身の上を案じている。
- 死ま田=デス
- サンコの初めての友達になった異形の者。宇宙人の『死』を食って生きる、闇の世界で生まれた謎の生物。様々な特技を使って宇宙人を滅殺する。多分不老不死。
- 一=ダメ丸
- 「4匹の害悪」最後の1匹。自らのことを「ただの人間」だと言うが正体は不明。何か特別な力を持っている…?
- モージャ
- サンコの宇宙船・モージャ号のサポート用のチビロボ。オケツで本体と繋がっているが、離れても内蔵バッテリーで72時間位動ける。
- 店谷=ボックス
- 闇の世界・クライの武器商人。骨と引き換えに色々な物を売ってくれる。「店谷の土鈴」を鳴らせばどの星でも呼び出す事が可能。
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評価
[編集]2021年、「このマンガがすごい!2022」オトコ編の第22位を受賞[7]。2022年8月「次にくるマンガ大賞 2022」コミックス部門にて、14位を獲得[10]。
書誌情報
[編集]- 林田球『大ダーク』小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉、既刊8巻(2024年10月11日現在)
- 2019年11月12日発売[4][11]、ISBN 978-4-09-129486-9
- 2020年8月12日発売[12][13]、ISBN 978-4-09-850215-8
- 2021年4月12日発売[14][15]、ISBN 978-4-09-850496-1
- 2021年11月12日発売[16][17]、ISBN 978-4-09-850799-3
- 2022年8月10日発売[18][19]、ISBN 978-4-09-851251-5
- 2023年4月12日発売[20][21]、ISBN 978-4-09-852022-0
- 2024年1月12日発売[22]、ISBN 978-4-09-853096-0
- 2024年10月11日発売[23]、ISBN 978-4-09-853641-2
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t “「大ダーク」特集 林田球インタビュー”. ナタリー (2020年8月12日). 2023年4月21日閲覧。
- ^ a b c “舞台は宇宙!林田球の新連載「大ダーク」開幕、「ドロヘドロ」マグカップの全サも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年3月12日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ “林田球「ドロヘドロ」18年の連載に幕!最終巻はガイド本と同発、新連載も予告”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年9月12日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ a b c d e “「ドロヘドロ」林田球の新作「大ダーク」1巻発売、ゲッサン付録に別カバーも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年11月12日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ a b “「ドロヘドロ」ギョーザ男のマスコットやTシャツなどがVVに、年賀状風特典も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年12月26日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ “ゲッサンで「陽気なしめりけ」が連載化、「ドロヘドロ」の特別鼎談&全サも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年1月11日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ a b このマンガ 2021, p. 88, 「21位から50位までを総レビュー オトコ編」
- ^ “アニメ「ドロヘドロ」特集 林田球インタビュー”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年1月10日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ “大ダーク1”. 小学館 (2019年). 2023年4月21日閲覧。
- ^ “次にくるマンガ大賞2022、コミックス部門1位はつるまいかだ「メダリスト」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年8月31日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ “大ダーク 1”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
- ^ “「大ダーク」アナザーカバーがゲッサンに、あだち充読み切り「足つりバカ日誌」も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年8月12日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ “大ダーク 2”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
- ^ “「大ダーク」「ドロヘドロ」の会員証もらえる書店フェア、ゲッサンに別カバー付録も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年4月12日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ “大ダーク 3”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
- ^ “「大ダーク」描き下ろしイラストのメンコもらえる書店フェア、ゲッサンに付録も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年11月12日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ “大ダーク 4”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
- ^ “「大ダーク」「ドロヘドロ」の描き下ろしミニうちわもらえる書店フェア開催”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年8月8日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ “大ダーク 5”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
- ^ “「大ダーク」6巻発売、表紙にも登場した宇宙貨物用ステッカーもらえる書店フェアも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年4月12日) 2023年4月22日閲覧。
- ^ “大ダーク 6”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
- ^ “大ダーク 7”. 小学館. 2024年1月12日閲覧。
- ^ “大ダーク 8”. 小学館. 2024年10月11日閲覧。
参考文献
[編集]- このマンガがすごい! 編集部『このマンガがすごい! 2022』宝島社、2021年12月9日。ISBN 978-4-299-02389-6。