大座頭
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大座頭(おおざとう)は、鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』にある日本の妖怪。
解説文には以下のようにある。
大座頭はやれたる袴を穿 足に木履をつけ 手に杖をつきて 風雨の夜ごとに大道を徘徊す ある人これに問て曰 いづくんかゆく 答ていはく いつも倡家に三絃を弄すと[1]
現代語訳は以下の通り。
大座頭はぼろぼろの袴と木履を履き、杖をついて風雨の降りしきる夜を徘徊する。ある人がこの者に、どこに行くのかと訪ねたところ、「いつも娼家(女郎家)に三味線を弾きに行く」と答えたという。
妖怪研究家・村上健司は、夜に徘徊している座頭の姿を石燕が異形視し、妖怪として描いたとしている[2]。また妖怪研究家・多田克己によれば、江戸時代には座頭は幕府の庇護のもとで金融業にも携わっていたことから、鬼のように恐ろしい借金取りとしての座頭の姿を描いたものとしている[3]。
脚注
[編集]- ^ 稲田篤信・田中直日編 著、高田衛監修 編『鳥山石燕 画図百鬼夜行』国書刊行会、1992年、224頁。ISBN 978-4-336-03386-4。
- ^ 村上健司 編『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、71頁。ISBN 978-4-620-31428-0。
- ^ 京極, 夏彦、多田, 克己 編『妖怪画本 狂歌百物語』国書刊行会、2008年、302頁。ISBN 978-4-3360-5055-7。