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大沢健夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大沢 健夫(おおさわ たけお、1951年 - )は、日本の数学者名古屋大学名誉教授(大学院多元数理科学研究科)。専攻は、複素解析多変数関数論、特に複素解析幾何。

来歴

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富山県生まれ[1]京都大学理学部卒業[2]、1978年京都大学大学院理学研究科修士課程修了[1]。1981年理学博士[1]京都大学数理解析研究所助教授を経て、1991年名古屋大学理学部教授、1996年名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授[1]、2017年定年退職[3]ののちに名誉教授[4]

  • 1978年 - 中野茂男の予想に取り組む[注釈 1]
  • 1987年 - 有界擬凸領域超平面に対して上の正則関数はすべて上の正則関数として拡張可能であることを示した[11]大沢-竹腰のL2拡張定理英語版
  • 1990年 - 国際数学者会議に招待講演者として招聘される[12]
  • 1991年 - Goreski-MacPherson予想の部分的解決[13][14]
  • 2000年 - 日本数学会幾何学賞受賞[15]
  • 2014年 - Stefan Bergman賞受賞[16][17]

著書

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  • 大沢健夫 (2010). 寄り道の多い数学. 岩波科学ライブラリー. 172. 岩波書店. ISBN 978-4-00-029572-7 
  • 大沢健夫 (2014). 多変数関数論の建設. 双書・大数学者の数学. 12. 現代数学社. ISBN 978-4-76-870438-7 
  • 大沢健夫 (2017). 現代複素解析への道標 : レジェンドたちの射程. 現代数学社. ISBN 978-4-7687-0480-6 
  • 大沢健夫 (2018). 多変数複素解析 増補版. 岩波書店. ISBN 978-4-00-006332-6 
  • 大沢健夫 (2022). 関数論外伝 -Bergman核の100年-. 現代数学社. ISBN 978-4-76-870592-6 
  • 大沢健夫 (2023). 孫子算経から高木類体論へ 割算の余りの物語. 現代数学社. ISBN 978-4-7687-0623-7 

主な記事・論文

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京都大学数理解析研究所発行の『数理解析研究所講究録』に収録されたもののうち、主要なもの。


日本数学会発行の『数学』に収録されたものうち、主要なもの。


ケンブリッジ大学出版局発行の『Nagoya Mathematical Journal』に収録されたもののうち、主要なもの。

注釈

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  1. ^ 同年の論文[5]については、大沢自身が後に述べている[6] が、最終的に中野自身が解決したとされる[7][8]。その他の中野予想についても大沢が言及[9]しており、誌面にまとめられている[10]

出典

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  1. ^ a b c d 大沢 2014, p. 228.
  2. ^ 大沢 2010, p. 125.
  3. ^ 名古屋大学大学院多元数理科学研究科平成28年度教育・研究活動年次報告書”. p. 3. 2023年12月23日閲覧。
  4. ^ 大沢 2017, p. 257.
  5. ^ Ohsawa, Takeo (1979). “Finiteness Theorems on Weakly 1-complete Manifolds”. PRIMS (京都大学数理解析研究所) 15 (3): 853-870. doi:10.2977/prims/1195187880. ISSN 00345318. NAID 110004713398. https://doi.org/10.2977/prims/1195187880. "The purpose of this article is to prove the following statement which was conjectured by S. Nakano" 
  6. ^ 解析接続の解析と幾何(2019)第26回沼津改め静岡研究会”. p. 2. 2023年12月23日閲覧。
  7. ^ Nakano, Shigeo; Tong-Shieng RHAI (1980). “Vector bundle version of Ohsawa's finiteness theorems”. Mathematica Japonica 24 (6): 657-664. https://dl.ndl.go.jp/pid/10996806/1/49. 
  8. ^ Ohsawa, Takeo (1982). “Isomorphism Theorems for Cohomology Groups of Weakly 1-Complete Manifolds”. PRIMS (京都大学数理解析研究所) 18 (1): 191-232. doi:10.2977/prims/1195184021. ISSN 00345318. https://ems.press/journals/prims/articles/3041. 
  9. ^ 大沢 1996.
  10. ^ 中野茂男、大沢健夫、風間英明、鈴木昌和、安達謙三、佐藤肇、志賀潔、一松信(著)、若林功(編)「問題特集-多変数関数を中心として-」『数学』第32巻第2号、日本数学会、1980年、161-187頁、doi:10.11429/sugaku1947.32.161ISSN 0039470XNAID 130001557198 
  11. ^ Ohsawa, Takeo; Takegoshi, Kensho (1987). “On the extension of holomorphic functions”. en:Mathematische Zeitschrift 195 (2): 197-204. doi:10.1007/BF01166457. 
  12. ^ ICM Plenary and Invited Speakers” (英語). 2023年12月22日閲覧。
  13. ^ 京都大学百年史編集委員会『【部局史編 3】第25章: 数理解析研究所』京都大学後援会、1997年9月。hdl:2433/152955https://hdl.handle.net/2433/1529552024年2月13日閲覧 
  14. ^ Ohsawa, Takeo (1991). “Cheeger-Goreski-MacPherson's conjecture for the varieties with isolated singularities.”. Mathematische Zeitschrift 206 (1): 219-224. doi:10.1007/BF02571337. NAID 10004197807. 
  15. ^ 幾何学賞受賞者の実績”. 2023年12月23日閲覧。
  16. ^ 最近の受賞者等 - 名古屋大学大学院多元数理科学研究科・理学部数理学科”. 2023年12月22日閲覧。
  17. ^ Kołodziej and Ohsawa Receive Bergman Prize”. 2023年12月23日閲覧。