大野の語彙法則
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大野の語彙法則(おおののごいほうそく)あるいは単に大野の法則(おおののほうそく)とは、日本の国語学者、大野晋が1956年に発表した、日本の9古典作品の品詞の構成比に関して見出した統計的法則[1]。
大野の語彙法則(原版)
[編集]万葉集と源氏物語の名詞、動詞、形容詞、形容動詞、その他の百分率をグラフに目盛り、名詞、動詞、形容詞の万葉と源氏の値を端点として各々を結ぶと、名詞は単調減少の直線となり、他は単調増加の直線となる。ここに、他の七作品の百分率を、上記と同一のグラフの上に目盛ると、その各点は上記の三直線上に、ほぼ垂直に並ぶ[1]。
水谷静夫による大野の語彙法則(改訂版)
[編集]任意の3作品甲・乙・丙の語彙での名詞構成比を とし、しかるべき語類の構成比を とすると、3点 がほぼ一直線をなす[2][3][4]。すなわち:
引用文献
[編集]- ^ a b 大野晋 (1956) 基本語彙に関する二三の研究-日本の古典文学作品に於ける-. 『国語学』24: 34-46.
- ^ 水谷静夫 (1965).「大野の語彙法則について」『計量国語学』35: 1-12.
- ^ 水谷静夫 (1982).『数理言語学』現代数学レクチャーズ D-3、培風館、204pp.
- ^ Shizuo Mizutani (1989). "Ohno's lexical law: Its data adjustment by linear regression", Japanese Quantitative Linguistics, ed. Shizuo Mizutani, Quantitative Linguistics, Vol. 39, Bochum: Studienverlag Dr. N. Brockmeyer, pp. 1-13.