天体位置表
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天体位置表 JAPANESE EPHEMERIS | |
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過去名 | 天體位置表(昭和23年版まで) |
学術分野 | 天文学 |
言語 | 日本語 |
編集者 | |
詳細 | |
出版社 | |
出版国 | 日本 |
出版歴 | 1942年 - 2009年 |
出版間隔 | 年刊 |
分類 | |
ISSN |
0373-3696 |
OCLC | 852224611 |
プロジェクト:出版/Portal:書物 |
天体位置表(てんたいいちひょう、英: JAPANESE EPHEMERIS[注釈 6])とは、海上保安庁海洋情報部が編纂していた精密な視天体暦[1][2]。日本水路協会刊行[3]。現在ではほとんど行われなくなったが、航海時に位置を知る目的で天体を観測(天測)する際に用いる資料として作成される[4]。1942年発行の昭和18年(1943年)版から2009年発行の平成22年(2010年)版まで[5]ほぼ毎年発行されて販売されていたが、すでに廃刊され最終発行分はデータの信頼性理由により1年間の保管の後に破棄された。これに代わる冊子は国内には無いようであり、平成23年より集積され記載されたデータの散逸が始まった。国立天文台では当冊子を管理していない。
沿革
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
創刊前
[編集]- 1904年2月6日 - 日露戦争勃発(- 1905年9月5日)。外国の天体暦輸入が困難になる[6]。
- 1911年 - イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、スペイン間で、天体暦推算の分担が協定される[7]。
- 1914年7月28日 - 第一次世界大戦勃発(- 1918年11月11日)。Uボート作戦の影響で英暦 (The Astronomical ephemeris) の入手が遅れ、海軍航海年表の編集に不都合が生じる[6]。
創刊以降
[編集]- 1942年12月30日 - 創刊(昭和18年(1943年)版)。創刊の背景として[7]、
- 1943年10月30日 - 昭和19年(1944年)版発行。推算に用いた原表が記載される。
- 1959年 - 1960年版から日本での推算を止め、英暦の値を採用する様になる[6][7]。
- 1979年 - 1980年版から日本での推算が復活する[6]。
- 1984年 - 1985年版から、一般相対性理論に基づく数値積分を用いた推算[8]に移行[9][6]。
- 2009年 - 2010年版を以て廃刊。
内容
[編集]主に以下の情報が収録される[4]。
- 1時間ごとの月の視位置[10]
- 太陽・月・太陽系の惑星に関する赤経・赤緯・地心距離(地球までの距離)
- 恒星の平均位置
- 日食・月食
- 日本で観測可能な恒星や惑星の食
- 太陽(10日間隔)や月(毎日)の出没[3]
- その他
航海の補助が目的なため、衛星や物理観測等の情報は無い[4]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 相馬充 (2006年4月). “月の出入りの基準の違いは? 月の出のない日がある?”. 理科年表オフィシャルサイト. 国立天文台. 2023年1月25日閲覧。
- ^ 河合雅司. “天体暦と星表”. 富山高等専門学校航海科学研究室. 2007年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月1日閲覧。
- ^ a b “日本各地の日出・日没時刻と月出・月没時刻を知りたい。”. レファレンス協同データベース. 国立国会図書館. 2022年5月1日閲覧。
- ^ a b c “天体位置表”. 公益財団法人 国際文化交流会 月光天文台. 2007年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月1日閲覧。
- ^ 海上保安庁 (2010年6月1日). “各種天体暦の刊行案内” (html). 海上保安庁. 海洋情報部. 海上保安庁. 2010年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月11日閲覧。
- ^ a b c d e 星の友会 2022.
- ^ a b c 進士, 1979 & pp150-154.
- ^ 『天体位置表の基礎理論』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 「新しい天体位置表」『昭和59年秋季年会講演予稿集』、日本天文学会。
- ^ 相馬充「暦象年表改定版の問題点」(pdf)『国立天文台報』第12巻第1号、国立天文台、2009年、1-11頁、2011年9月1日閲覧。
参考文献
[編集]- 星の友会 (2022年6月10日). “編暦業務の歴史”. 2022年12月3日閲覧。
- 進士, 晃「天体位置表の変遷」『天文月報』第72巻第6号、日本天文学会、1979年6月、150-154頁、ISSN 0374-2466。