太田蘭三
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1929年4月19日 - 2012年10月22日)は、三重県鈴鹿市出身の小説家。山岳推理小説の第一人者として知られる[要出典]。本名・太田等(おおたひとし)[1]、別名は太田瓢一郎。
(おおた らんぞう、人物
[編集]同人誌「新表現」を経て1956年に太田瓢一郎の名で時代小説でデビュー。58年から63年まで時代ものの単行本の刊行を続けたが、以後単行本の刊行は止まり、長年続けてきた登山と釣りの経験を生かし、釣り雑誌にエッセイや小説を連載していたが、1978年に太田蘭三の新しい筆名で『殺意の三面峡谷』を刊行して再デビュー、山岳推理の新境地を開拓した。
代表作に『釣部渓三郎』シリーズがあり[2]、テレビドラマ化もされている(渓流釣りシリーズ)。ほかに『顔のない刑事』シリーズ[1]、『北多摩署純情派』シリーズ、映画化された『死に花』など[2]。
著書
[編集]太田瓢一郎名義
[編集](改題は太田蘭三名義)
- 無宿大名 小説刊行社、1958 「無宿若様剣風街道」祥伝社文庫
- 鍔鳴り素浪人 小説刊行社 1958
- 浪人若さま参上 小説刊行社 1959
- あばれ若君 小説刊行社 1959
- 旅に出た若様 小説刊行会 1960
- 退屈ざむらい 小説刊行社 1960 「旗本けんか侍」祥伝社文庫
- 浪人鴉 小説刊行社 1960 「傘張り侍恋情剣」
- わんぱく侍 小説刊行社 1960
- やくざ若様 小説刊行社 1961 「若様侍政太郎剣難旅」祥伝社文庫
- 将棋若様 小説刊行社 1961 「若様侍隠密行」祥伝社文庫
- べらんめえ侍 金四郎行状記 三洋出版社 1961
- はだか侍 金四郎行状記 三洋出版社 1961 「遠山金四郎女難旅」
- 若さま用心棒 三洋出版社 1961 「真三郎捕物帖」
- 浪人長屋 三洋出版社 1961 「幽四郎仇討ち帖」
- 悪太郎江戸を行く 青樹社 1962
- さむらい無情 青樹社 1962
- 直参一本刀 青樹社 1963
- 士道残酷帖 青樹社 1963
太田蘭三名義
[編集]- 殺意の三面峡谷 渓流釣り殺人事件 祥伝社 1978 (ノン・ノベル) のち角川文庫、祥伝社文庫
- 脱獄山脈 祥伝社 1978 (ノン・ノベル) のち角川文庫
- 三人目の容疑者 祥伝社 1979 (ノン・ノベル) のち角川文庫
- 顔のない刑事 祥伝社 1979 (ノン・ノベル)
- 誘拐山脈 祥伝社 1980 (ノン・ノベル)のち角川文庫
- 奥多摩殺人渓谷 祥伝社 1980 (ノン・ノベル) のち角川文庫、講談社文庫
- 尾瀬の墓標 顔のない刑事・単独行 祥伝社 1981 (ノン・ノベル)
- 殺意の北八ヶ岳 祥伝社 1981 (ノン・ノベル) のち角川文庫、講談社文庫
- 白の処刑 角川ノベルズ 1982 のち文庫、講談社文庫
- 浪人釣り師 大江戸必殺剣 広済堂出版 1982 「浪人釣り師今昔」角川文庫
- 殺人幻想曲 角川ノベルズ 1982 のち文庫、講談社文庫
- 赤い雪崩 穂高殺人事件 講談社ノベルス 1982 のち文庫
- ネズミを狩る刑事 角川ノベルズ 1983 「殺人円舞曲」文庫、原題、光文社文庫
- 赤い渓谷 顔のない刑事・追跡行 祥伝社 1983 (ノン・ノベル)
- 破牢の人 講談社ノベルス 1984 のち文庫、光文社文庫
- 一匹竜の刑事 顔のない刑事・決死行 祥伝社 1984 (ノン・ノベル)
- 餓鬼岳の殺意 講談社ノベルス 1985 のち文庫、光文社文庫
- 夕焼け小焼けで殺されて 角川ノベルズ1985 のち文庫、光文社文庫
- 蝶の谷殺人事件 顔のない刑事・脱出行 祥伝社 1986 (ノン・ノベル)
- 南アルプス殺人峡谷 講談社ノベルス 1986 のち文庫、光文社文庫
- 木曽駒に幽霊茸を見た 講談社ノベルス 1987 のち文庫、光文社文庫
- 闇の検事 祥伝社 1987 (ノン・ノベル)のち講談社文庫
- 断罪山脈 顔のない刑事・潜入行 祥伝社 1987 (ノン・ノベル)
- 殺意の朝日連峰 講談社ノベルス 1987 のち文庫、光文社文庫
- 葦が泣く 平手造酒異聞 講談社 1988 のち文庫
- 高嶺の花殺人事件 角川ノベルズ 1988 のち文庫、講談社文庫
- 逃げた名画 顔のない刑事・密捜行 祥伝社 1989 (ノン・ノベル)
- 寝姿山の告発 講談社ノベルス 1989 のち文庫、光文社文庫
- 潜行山脈 顔のない刑事・突破行 祥伝社 1989 (ノン・ノベル)
- 鮫と指紋 顔のない刑事・特捜行 祥伝社 1990 (ノン・ノベル)
- 謀殺水脈 講談社ノベルス 1990 のち文庫、光文社文庫
- 密殺源流 講談社ノベルス 1990 のち文庫、光文社文庫
- 殺人雪稜 講談社ノベルス 1991 のち文庫、光文社文庫
- 恐喝山脈 顔のない刑事・極秘行 祥伝社 1991 (ノン・ノベル)
- 美人容疑者 顔のない刑事・特捜介入 祥伝社 1992 (ノン・ノベル)
- 失跡渓谷 講談社ノベルス 1992 のち文庫、光文社文庫
- 殺人猟域 北多摩署純情派シリーズ 光文社 1992 (カッパ・ノベルス) のち文庫、講談社文庫
- 緋い鱗 顔のない刑事・緊急指令 祥伝社 1993 (ノン・ノベル)
- 夜叉神峠死の起点 光文社 1993 (カッパ・ノベルス) のち文庫、講談社文庫
- 仮面の殺意 釣部渓三郎シリーズ 講談社ノベルス 1993 のち文庫
- 富士山麓悪女の森 顔のない刑事・潜伏捜査 祥伝社 1994 (ノン・ノベル)のち文庫
- 箱根路、殺し連れ 北多摩署純情派シリーズ 光文社 1994 (カッパ・ノベルス) のち文庫
- 被害者の刻印 釣部渓三郎シリーズ 講談社ノベルス 1994 のち文庫
- 待てば海路の殺しあり 角川ノベルズ 1995 のち文庫、講談社文庫
- 密葬海流 顔のない刑事・内偵指令 祥伝社 1995 (ノン・ノベル) のち文庫
- 殺人熊 北多摩署純情派シリーズ 光文社 1995 (カッパ・ノベルス)のち文庫
- 遭難渓流 講談社ノベルス 1996 のち文庫
- 発射痕 顔のない刑事・囮捜査 祥伝社 1996 (ノン・ノベル) のち文庫
- 殺・風景 北多摩署純情派シリーズ 光文社 1997 (カッパ・ノベルス)のち文庫
- 消えた妖精 顔のない刑事・追走指令 祥伝社 1997 (ノン・ノベル)のち文庫
- 摩天崖 警視庁北多摩署特別出動 祥伝社 1998 (ノン・ノベル)のち文庫
- 殺人理想郷 北多摩署純情派シリーズ 光文社 1999 (カッパ・ノベルス)のち文庫
- 遍路殺がし 釣部渓三郎シリーズ 講談社ノベルス 1999 のち文庫
- 緊急配備 顔のない刑事・隠密捜査 祥伝社 2000 (ノン・ノベル)のち文庫
- 虫も殺さぬ 北多摩署純情派シリーズ 光文社 2000 (カッパ・ノベルス)のち文庫 警視庁北多摩署特捜本部 講談社文庫
- 口唇紋 北多摩署純情派シリーズ 光文社 2001 (カッパ・ノベルス) のち文庫
- 死に花 角川書店 2003 のち文庫
- 蛇の指輪 顔のない刑事・迷宮捜査 祥伝社 2004 (ノン・ノベル) のち文庫
- 袈裟斬り怪四郎 祥伝社文庫 2005
- 斧折れ 警視庁北多摩署特捜本部 光文社 2005 (カッパ・ノベルス)
- 首輪 警視庁北多摩署特捜本部 講談社ノベルス 2007
- 無宿千両男 袈裟斬り怪四郎 祥伝社文庫 2008
メディア・ミックス
[編集]テレビドラマ
[編集]- テレビ朝日系
- フジテレビ系
-
- 事件調査員 南条真琴 東京〜隠岐 摩天崖殺人事件(2005年2月25日、「金曜エンタテイメント」枠、主演:森口瑤子、原作:摩天崖)[3]
映画
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d “(おくやみ)作家の太田蘭三氏が死去 「顔のない刑事」シリーズ”. 日本経済新聞. (2012年10月25日) 2022年2月12日閲覧。
- ^ a b c “作家の太田蘭三さん死去 「釣部渓三郎」シリーズ”. 朝日新聞デジタル. (2012年10月26日) 2022年2月12日閲覧。
- ^ “『事件調査員 南条真琴 東京〜隠岐 摩天崖殺人事件』”. BSフジ. 2022年2月12日閲覧。