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奥州宇宙遊学館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
奥州宇宙遊学館

奥州宇宙遊学館(おうしゅううちゅうゆうがくかん)は、岩手県奥州市が運営する社会教育施設。国立天文台水沢VLBI観測所の敷地内に立地し、建物は緯度観測所(現・水沢VLBI観測所)の旧本館を再構築し、再現したものである。

沿革

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1921年、緯度観測所本館完成。当時としては珍しい、望楼を持つドイツ風建築物である。1967年まで使用された[1]

2005年10月、国立天文台は同建物の解体を決定、翌年2月より解体を開始する予定になっていた。ちょうどそのころ、宮沢賢治学会の一行がたまたま同建物を訪れ、「宮沢賢治がたびたび訪れ、『銀河鉄道の夜』などの名作を生んだ貴重な財産を残してほしい」という趣旨の発言を残して帰っていった[1]

2006年1月13日付の朝日新聞には、同建物の歴史的役割と宮沢賢治作品とのかかわりに文化的価値を見出すコラムが掲載された[2]

程なくしてイーハトーブ宇宙実践センター(後にNPOとなり、奥州宇宙遊学館の管理・運営を委託される)会員らが保存のための活動を開始、やがて市民を巻き込む運動へと拡大した。2007年4月4日、ついに国から奥州市に同建物が譲渡されると決定した。奥州市は耐震改修工事・展示の整備などを進め、2008年4月、奥州宇宙遊学館として開館した[1]

2017年10月27日に「旧緯度観測所本館」として国の登録有形文化財に登録された[3]

その他

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緯度観測100年を記念して、いくつかの小惑星に緯度観測所や奥州市に関する名前が与えられ、奥州宇宙遊学館を通して水沢市に贈呈された[4]

緯度観測所または奥州市にちなんで命名された小惑星
英名 和名 発見 発見者 命名の由来 備考
(6233)Kimura 木村 1986-02-08 伊野田繁, 浦田武 初代緯度観測所長・木村栄
(6269)Kawasaki 1990-10-20 浦田武 第二代緯度観測所長・川崎俊一
(6760)Ikeda 1992-01-24 浦田武 第三代緯度観測所長・池田徹郎
(6838)Okuda 1995-10-30 清水義定, 浦田武 第四代緯度観測所長・奥田豊三
(7139)Tsubokawa 1994-02-14 新島恒男, 浦田武 第五代緯度観測所長・坪川家恒
(7308)Hattori 1995-01-31 清水義定, 浦田武 初代国際極運動観測事業中央局長・服部忠彦
(7525)Kiyohira 1992-12-18 名取亮, 浦田武 藤原清衡 江刺市の要望による
(7530)Mizusawa 水沢 1994-04-15 円館金, 渡辺和郎 VERA水沢局 緯度観測100周年を記念して
(7572)Znokai Zの会 1989-09-23 円館金, 渡辺和郎 緯度観測所のスタッフが作った親睦会「Zの会」
(7590)Aterui あてるい 1992-10-26 円館金, 渡辺和郎 アテルイ 水沢市の要望による
(7596)Yumi 1993-04-10 円館金, 渡辺和郎 第二代国際極運動観測事業中央局長・弓滋
(8133)Takanochoei 高野長英 1977-02-18 香西洋樹, 古川麒一郎 高野長英
(13569)Oshu 奥州 1993-03-04 関勉 奥州市 奥州市発足を記念して

出典

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  1. ^ a b c 120周年 2019, p. 181.
  2. ^ 「天声人語」『朝日新聞』2006年1月13日。
  3. ^ 文化遺産オンライン
  4. ^ 120周年 2019, p. 186.

参考文献

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  • 国立天文台水沢創立120周年記念誌編集委員会 編『国立天文台水沢創立120周年記念誌』2019年12月14日、180-187頁。 

関連項目

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外部リンク

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