コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

女刑事キャグニー&レイシー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
女刑事キャグニー&レイシー
Cagney & Lacey
ジャンル 海外ドラマ 刑事ドラマ
企画 バーバラ・アベドン
バーバラ・コーディ
出演者 タイン・デイリー
シャロン・グレス
メグ・フォスター
ジョン・カーレン
アル・ワックスマン
ハーヴェイ・アトキン
ロバート・ヘジス
カール・ランブリー
マーティン・コーヴ
オープニング "Ain't That the Way" Marie Cain(第1シーズン)
ビル・コンティ(第2シーズン以降)
製作
製作総指揮 バーニー・ローゼンツワイグ
制作 CBS
放送
放送国・地域アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
放送期間1982年3月25日 - 1988年5月16日
放送分60分
回数125
テンプレートを表示


女刑事キャグニー&レイシー(おんなけいじキャグニーアンドレイシー、Cagney & Lacey )は、1982年から1988年までCBSで放送されたアメリカテレビドラマ。2人組の女性刑事を主人公とする刑事ドラマで、エミー賞の作品賞を2回受賞。日本では、1980年代に地上波テレビにおいて放映され、その後海外ドラマを放送するCS放送でも放映された。

概要

[編集]

ニューヨークのミッドタウン南地区を管轄するニューヨーク市警察第14分署を舞台に、二人の女性刑事キャグニーとレイシーの活躍を描いた刑事ドラマ。推理を中心としたドラマではなく、独身のキャリアウーマン・キャグニーと、既婚者で2児の母・レイシーという好対照な主人公の2人が事件に立ち向かう様子を、職場での同僚たちや家族と過ごす場面も交えて、人間性豊かに描いている。1時間ドラマ。

1981年10月、映画『ダーティハリー3』の女性刑事役の演技で鮮烈な印象を残したタイン・デイリーをレイシー役に、CBSの人気シリーズ『マッシュ』にレギュラー出演中のロレッタ・スウィットをキャグニー役に起用したパイロット版を放送し、それが好評だったことからレギュラー放送が決定したが、継続出演を希望したスウィットが『マッシュ』の降板が認められず参加できなくなり、キャグニー役をメグ・フォスターに変更して、1982年3月に木曜21時からの1時間枠でレギュラー放送を開始。しかし第1シーズン全6話が不調に終わると、CBSの上層部は「キャグニーが女性的でない」とフォスターの演技に不満を示し、番組存続の条件としてキャストの交代を要求。その結果、フォスターに代わるキャグニー役として、ユニバーサルとの契約が終了したばかりのシャロン・グレスが新たに起用され、同時にオープニングもビル・コンティ作曲のテーマ曲に変更し、時間帯も前年度まで『事件記者ルー・グラント』が放送されていた月曜22時台に移動した。しかし視聴率は第1シーズンを少し上回った程度で、CBSは低視聴率を理由に第2シーズン終了後の1983年5月に打ち切りを発表。ところがその直後からCBSや新聞各社に打ち切りに反対する抗議の手紙が来るようになり、9月にデイリーがプライムタイム・エミー賞でドラマシリーズ部門の主演女優賞を受賞した事も追い風となり、CBSは打ち切りを撤回し1984年3月にシリーズが再開。その後は安定して高視聴率を獲得するようになり、第7シーズンまで続く長寿番組となった。レギュラー放送終了後、1994年から1996年にかけてデイリーとグレス主演で単発のTVムービーが4本製作された。

作品の舞台はニューヨークだが、撮影の大半はトロント(パイロット版)とロサンゼルスで行われた。

登場人物

[編集]
  • メリー・ベス・レイシー刑事 
演:タイン・デイリー Tyne Daly/吹き替え:弥永和子
ニューヨーク市警察第14分署の刑事。2児の母[1]。ヘビースモーカー。
  • “クリス”クリスティン・キャグニー刑事
演:ロレッタ・スウィット Loretta Swit(パイロット版)→メグ・フォスター Meg Foster(第1シーズン)→シャロン・グレス Sharon Gless(第2シーズン以降)/吹き替え:吉田理保子
ニューヨーク市警察第14分署の刑事。独身。
  • ハービー・レイシー
演:ロナルド・ハンター Ronald Hunter(パイロット版)→ジョン・カーレン John Karlen/吹き替え:島香裕
メリー・ベスの夫。かつては建築関係の仕事についていたが、不景気や持病のためなかなか復帰できずにいる。
  • バート・サミュエル警部 
演:アル・ワックスマン Al Waxman/吹き替え:藤本譲
ニューヨーク市警察第14分署署長でクリスとメリー・ベスの理解者。別れた妻セルマとの間に生まれた3人兄弟の長男デヴィッドの非行に悩まされている。
ワックスマンはシリーズ後期に6エピソードで監督を務めた。
  • ロナルド・コールマン内勤巡査部長
演:ハーヴェイ・アトキンHarvey Atkin)/吹き替え:広瀬正志
  • ポール・ラガーディア刑事
演:シドニー・クルートSidney Clute
クルートが1985年に死去した後も、番組終了までオープニングに登場し続けた。
  • ビクター・イスベッキ刑事
演:ジェファーソン・マッピン Jefferson Mappin(パイロット版)→マーティン・コーヴMartin Kove)/吹き替え:秋元羊介
  • マーカス・ペトリー刑事 
演:カール・ランブリーCarl Lumbly)/吹き替え:佐藤正治
イズベッキの相棒。妻クローディアと娘ローレンがいる。第7シーズン序盤に昇進に伴う異動のため14分署を去る。
  • ドリー・マッケンナ刑事
演:バリー・プリマス
第2シーズンと第4シーズンの数回に登場。
  • ジョナ・ニューマン刑事
演:ダン・ショア Dan Shor/吹き替え:喜多川拓郎
第4シーズン中盤から登場。クリスに想いを寄せていたが、第5シーズンの最終話でクリスたちの目の前で射殺される。
  • マニー・エスポジート刑事 
演:ロバート・ヘジスRobert Hegyes)/吹き替え:荒川太郎
ニューマンの後任として第6シーズンから着任。
  • アル・コラッサ刑事
演:ポール・マンティ Paul Mantee
ニューマン、エスポジートとコンビを組むベテラン刑事。
  • ヴェルナ・ディー・ジョーダン刑事
演:メリー・クレイトン Merry Clayton
ペトリーに代わるイズベッキの相棒として14分署に赴任した中年の女性刑事。
  • チャーリー・キャグニー
演:ディック・オニール Dick O'Neill/吹き替え:堀勝之祐
クリスの父親。元警官。アルコール中毒になり、それがもとで第6シーズンの終盤に死亡する。
  • マイケル・レイシー
演:トロイ・スレイトンTroy W. Slaten
  • ハービー・レイシー・ジュニア 
演:トニー・ラトーレTony La Torre
メリー・ベスの息子。

サブタイトル

[編集]

1982年から1988年にドラマシリーズとして7シーズンにわたって全125話放送されたが、これに先立つ1981年に、テレビ映画のパイロット版として1話が制作・放映されていた。

第1シーズン(1982年)

[編集]

#1 Bang, Bang, You're Dead

#2 Pop Used to Work Chinatown

#3 Beyond the Golden Door

#4 Street Scene

#5 Suffer the Children

#6 Better Than Equal

第2シーズン(1982年-1983年)

[編集]

#7 Witness to an Incident 私は見た!

#8 One of Our Own チーム・メイト

#9 Beauty Burglars 美容院怖い!

#10 High Steel 灰色の青写真

#11 Hot Line 殺しのホットライン

#12 Internal Affairs スパイ大作戦

#13 Mr. Lonelyhearts ミスター孤独

#14 Conduct Unbecoming 賭ける、駆ける

#15 I'll Be Home for Christmas クリスマスプレゼント

#16 Recreational Use 

#17 Hopes and Dreams 赤い自転車

#18 The Grandest Jewel Thief of Them All 華麗なる大泥棒

#19 Affirmative Action 対決・ルーキー刑事

#20 Open and Shut Case ごく簡単な事件

#21 Jane Doe #37 ジェーン・ドゥ37号

#22 Date Rape 憎むべき男

#23 Burn Out 燃えつきて…

#24 Chop Shop ばらしや稼業

#25 Let Them Eat Pretzels 裏取引

#26 The Gang's All Here 14分署の大失態

#27 A Cry for Help 女性の敵

#28 The Informant 密告者

第3シーズン(1984年)

[編集]

#29 Matinee 昼下がりの出来事

#30 A Killer's Dozen 警官ストに赤いバラ

#31 Victimless Crime 被害者なき犯罪

#32 The Bounty Hunter 賞金稼ぎアメリカン

#33 Baby Broker ベビーブローカー

#34 Partners 私のパートナー

#35 Choices 続、私の大事な人

第4シーズン(1984年-1985年)

[編集]

#36 Child Witness 小さな証言者

#37 Heat 暑くて長い一日

#38 Insubordination 不服従

#39 Old Debts 借りは返せ

#40 Fathers and Daughters 父と娘

#41 Taxicab Murders タクシーに乗らないで

#42 Unusual Occurence 少年を撃った

#43 Thank God It's Monday 素晴らしき週末

#44 Hooked あなたを信じたい

#45 Lady Luck 人の命を救ったら…

#46 Out of Control 立派な母親

#47 American Dream アメリカの夢

#48 Happily Ever After 私の好きな生き方

#49 Rules of the Game 昇進のルール

#50 Stress 普通の生活に戻りたい

#51 Who Says It's Fair - Part 1 目の前に暗闇(Part 1)

#52 Who Says It's Fair - Part 2 目の前に暗闇(Part 1)

#53 Lost and Found そして失うものは…

#54 Two Grand 華麗なる大泥棒、再び登場

#55 Con Games 根くらべ

#56 Violation 犯されて

#57 Organized Crime マフィアの手

第5シーズン(1985年-1986年)

[編集]

#58 On the Street 娼婦A

#59 Ordinary Hero 悲しき英雄

#60 The Psychic 女刑事対占い師

#61 Lottery 賢者の贈り物

#62 Entrapment 私はうそはつけない

#63 The Clinic 女性クリニック

#64 Mothers & Sons 母と子

#65 Filial Duty

#66 Old Ghosts

#67 Power

#68 Play It Again, Santa

#69 Rebukes

#70 Act of Conscience

#71 DWI

#72 The Gimp

#73 Family Connections

#74 Post Partum

#75 The Man Who Shot Trotsky

#76 Exit Stage Centre

#77 Capitalism

#78 Extradition ロスでリラックス

#79 A Safe Place 安らぎを求めて

#80 Model Citizen 突然の他人

#81 Parting Shots さよならニューマン

第6シーズン(1986年-1987年)

[編集]

#82 Schedule One 第一級重要犯罪

#83 Culture Clash 機械の歯車

#84 Sorry, Right Number 呪われた週末

#85 Disenfranchised 親の資格

#86 Role Call

#87 The Zealot

#88 The Marathon

#89 Rites of Passage

#90 Revenge

#91 To Thine Own Self Be True

#92 Cost of Living

#93 Waste Deep

#94 Favours

#95 Ahead of the Game

#96 Easy Does It

#97 To Sir, With Love

#98 Divine Couriers

#99 Right to Remain Silent

#100 Special Treatment

#101 Happiness is a Warm Gun

#102 Turn, Turn, Turn - Part 1 アイ・ラブ・チャーリー

#103 Turn, Turn, Turn - Part 2 アイ・ラブ・キャグニー

第7シーズン(1987年-1988年)

[編集]

#104 No Vacancy ハリーの災難です。

#105 The City is Burning 色々な人々がいて…

#106 Loves Me Not さよならペトリー

#107 Different Drummer おばあさんは魔女

#108 You've Come a Long Way, Baby あたし達なりの道のり

#109 Video Verite 売り込みは楽じゃない

#110 Greed クイズの達人

#111 Secrets 秘め事はなしにして

#112 Do I Know You?

#113 Old Flames

#114 Trading Places

#115 Shadow of a Doubt

#116 Hello Goodbye

#117 School Daze

#118 Land of the Free

#119 A Class Act

#120 Button, Button

#121 Amends 闇の中からヘルプ

#122 Friendly Fire

#123 Yup やっぱりヤッピー

#124 A Fair Shake - Part 1 迫る影 Part I

#125 A Fair Shake - Part 2 迫る影 Part II

TVムービー(1994年-1996年)

[編集]
  • Cagney And Lacey: The Return (1994)
TVシリーズ終了から6年後を描く。キャグニーは結婚してキャグニー=バートン姓となり、地方検事局の捜査官として働いていた。一方のレイシーは警察を退職し主婦として過ごしていたが、夫ハービーが心臓発作で倒れ、再び家庭を支えるため、銃器窃盗犯を追っていたキャグニーに協力する。
  • Cagney And Lacey: Together Again (1995)
  • Cagney And Lacey: The View Through the Grass Ceiling (1995)
  • Cagney And Lacey: True Convictions (1996)

受賞歴

[編集]

プライムタイム・エミー賞の作品賞を2回をはじめ、7つの賞を14回受賞している[2]

  • ドラマシリーズ部門・作品賞 2回(1985年、1986年)
  • ドラマシリーズ部門・主演女優賞 6回(1983年・1984年・1985年・1988年:タイン・デイリー、1986年・1987年:シャロン・グレス)
  • ドラマシリーズ部門・助演男優賞 1回(1986年:ジョン・カーレン)
  • ドラマシリーズ部門・脚本賞 1回(1985年、パトリシア・グリーン)
  • ドラマシリーズ部門・演出監督賞 2回(1985年:カレン・アーサー、1986年:ジョーグ・スタンフォード・ブラウン)
  • シリーズ部門・フィルム音響編集賞 1回(1985年)
  • シリーズ部門・フィルム編集賞 1回(1985年、ジム・グロス)
  • テレビシリーズ ドラマ部門・最優秀女優賞(1986年:シャロン・グレス)

日本での放映局

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 放送期間中にデイリーが妊娠したため、それに合わせて番組でも3人目の子供が誕生した。
  2. ^ Academy of Television Arts & Sciences
  3. ^ 『長野放送二十年の歩み』(1989年5月25日、長野放送発行)175p『平成元年3月基本番組表』より。

外部リンク

[編集]