姜在彦
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人物情報 | |
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生誕 |
1926年10月25日 日本・済州島(現・ 韓国 済州島) |
死没 | 2017年11月19日 (91歳没) |
出身校 | 大阪商科大学 |
子供 | 竹中均(社会学者) |
学問 | |
研究分野 | 歴史学(朝鮮半島近代史、思想史) |
研究機関 | 花園大学 |
姜 在彦(カン ジェオン、朝鮮語: 강재언、英語: KANG je-on, 1926年10月25日[1] - 2017年11月19日[2])は、朝鮮半島出身の歴史学者。朝鮮近代史、思想史を専門とした[3]。花園大学客員教授。小説家の司馬遼太郎と親しかった[4]。
経歴
[編集]1926年、日本統治下の済州島で生まれた[4]。済州農業高校を卒業。
太平洋戦争終結後、朝鮮半島は解放されたが、1948年に朝鮮戦争が始まるとその初期に日本へ密航した。大阪商科大学で経済学を学び、同大学研究科を修了。その後は、 大阪市立大学など関西圏の多くの大学で非常勤講師を務めた。次第に研究テーマを朝鮮史に変え、1981年に学位論文『朝鮮の開化思想』を京都大学に提出して文学博士号を取得。1971~81年には、京都大学人文科学研究所研究員。1984年、花園大学嘱託教授となった。後に文学部客員教授[5]。学界では、1989年より雑誌『季刊青丘』の編集委員をつとめた。
故郷朝鮮に心を寄せ続け、1970年代初めに関西地方において朝鮮史・朝鮮半島情勢に関心の高い日本人青年たちが作った「むくげの会」などと持続的に交流しながら、活発な講演活動を行った。1968年まで朝鮮民族運動に参加した。
受賞・栄典
[編集]- 1993年:第1回海外同胞賞を受賞。
研究内容・業績
[編集]家族・親族
[編集]著作
[編集]著書
[編集]- 『朝鮮 歴史と風土』法律文化社 1966
- 『朝鮮近代史研究』日本評論社 1970
- 『近代朝鮮の思想』紀伊国屋書店・新書 1971
- 『近代朝鮮の変革思想』日本評論社 1973
- 『朝鮮の攘夷と開化 近代朝鮮にとっての日本』平凡社選書 1972
- 『近代における日本と朝鮮 朝鮮問題入門』すくらむ社・文庫 1978
- 『朝鮮の開化思想』岩波書店 1980
- 『日朝関係の虚構と実像』竜渓書舎 1980
- 『日本による朝鮮支配の40年』大阪書籍 朝日カルチャーブックス 1983 のち朝日文庫
- 『近代朝鮮の思想』未来社 1984
- 『朝鮮近代史』平凡社選書 1986 のち平凡社ライブラリー
- 『朝鮮の歴史と文化』大阪書籍 朝日カルチャーブックス 1987
- 『玄界灘に架けた歴史 日朝関係の光と影』大阪書籍 1988 のち朝日文庫
- 『世界の都市の物語 7 ソウル』文芸春秋 1992 のち文庫
- 『満州の朝鮮人パルチザン 一九三〇年代の東満・南満を中心として』青木書店 1993
- 『韓国と日本の交流史 近世篇』明石書店 講座制「民族大学」ブックレット 1994
- 『西洋と朝鮮 その異文化格闘の歴史』文芸春秋 1994 のち朝日選書
- 『姜在彦著作選』明石書店 1996
- 第1巻(朝鮮の儒教と近代)
- 第2巻(朝鮮近代の変革運動)
- 第3巻(朝鮮の開化思想)
- 第4巻 朝鮮の西学史 / 鈴木信昭訳
- 第5巻(近代朝鮮の思想)
- 『「在日」からの視座 姜在彦在日論集』新幹社 1996
- 『金日成神話の歴史的検証 抗日パルチザンの<虚>と<実>』明石書店 1997
- 『朝鮮近代の風雲誌』青丘文化社 2000
- 『朝鮮儒教の二千年』朝日選書 2001 のち講談社学術文庫
- 『朝鮮通信使がみた日本』明石書店 2002
- 『歴史物語朝鮮半島』朝日選書 2006
共編著
[編集]- 『朝鮮の歴史』朴慶植共著 三一書房 三一新書 1957
- 『近代朝鮮の社会と思想』飯沼二郎共編 未来社 京都大学人文科学研究所報告 1981
- 『手記=在日朝鮮人』金達寿共編著 竜渓書舎 1981
- 『植民地期朝鮮の社会と抵抗』飯沼二郎共編 未来社 京都大学人文科学研究所報告 1982
- 『朝鮮における日窒コンツェルン』編 不二出版 1985
- 『日本と朝鮮の二千年』上田正昭共編 大阪書籍 朝日カルチャーブックス 1985
- 『在日韓国・朝鮮人-歴史と展望』金東勲共著 労働経済社 1989
- 『日朝交流史 新しい隣国関係を構築するために』李進煕共著 有斐閣選書 1995
- 『朝鮮学事始め』李進煕共編 旗田巍ほか著 青丘文化社 1997
- 『歳月は流水の如く』竹中恵美子共著 青丘文化社 2003
翻訳
[編集]記念論文集
[編集]脚注
[編集]- ^ 『現代日本人名録』
- ^ おくやみ、姜在彦氏:東京新聞[リンク切れ]
- ^ “歴史物語 朝鮮半島(朝日選書)|姜 在彦,姜 在彦|本|通販|Amazon”. Amazon. 2019年1月31日閲覧。
- ^ a b “特集ワイド:在日の歴史学者、姜在彦さん逝く 司馬さんとの旅、光の中に 病床で赤ペン握り、隣人同士の友好願う”. 毎日新聞. 2019年1月31日閲覧。
- ^ 姜在彦とは - コトバンク
- ^ 姜在彦文庫