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孔鉉佑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
孔鉉佑
外交部副部長在任時の孔鉉佑(2019年4月)
プロフィール
出生: 1959年7月(65歳)
出身地: 中華人民共和国の旗 中華人民共和国 黒竜江省
職業: 外交官
各種表記
繁体字 孔鉉佑
簡体字 孔铉佑
拼音 Kǒng Xuànyòu
和名表記: こう げんゆう
発音転記: コン シュエンヨウ
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孔 鉉佑(こう げんゆう、簡体字: 孔铉佑、発音:コン・シュエンヨウ[1]朝鮮語: 공현우、発音:コン・ヒョヌ、1959年7月 - )は、中華人民共和国朝鮮族出身の外交官中華人民共和国外交部副部長兼朝鮮半島事務特別代表、中国人民政治協商会議委員を経て、第12代駐日中華人民共和国特命全権大使として日本に駐在していた[2]

人物・経歴

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黒竜江省出身の朝鮮族[1][3]。黒竜江省林業勘察設計局勤務を経て、上海外国語学院(現・上海外国語大学)日阿語系で日本語を専攻し、1983年に卒業後[4]外交学院入学。中国外務省に入り外交官の道を歩む。日本での勤務経験も10年を超える[5]

1985年在大阪中華人民共和国総領事館職員。外交部アジア局三等書記官、駐日中華人民共和国大使館二等書記官、駐日中華人民共和国大使館一等書記官等を経て、1999年外交部アジア局一等書記官。2000年開封市長助理。2002年外交部政策研究室参事官。2003年外交部アジア局副局長。2005年駐日中華人民共和国大使館公使参事官。2006年駐日中華人民共和国大使館公使。2011年駐ベトナム特命全権大使。2014年外交部アジア局長[1]。2015年、外交部長助理に昇格。2017年8月、朝鮮半島問題特別代表に武大偉の後任として就任。同年12月13日には、国賓として来訪した文在寅大韓民国大統領を空港で出迎える役を担ったが、「大臣ではなく外務次官補が出迎えたのは冷遇である」として韓国内で議論となった[6]

2018年1月2日、外交部副部長に昇格。同月中国人民政治協商会議委員に選出[7]

駐日大使として

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2019年5月30日、程永華の後任として日本へ赴き、駐日中華人民共和国大使に就任[2]。同年6月7日、皇居信任状を捧呈した[8]。同年10月22日、皇居正殿松の間で今上天皇即位礼正殿の儀が執り行われ[9]王岐山国家副主席と共に参列[10]

2020年1月8日、安倍晋三内閣総理大臣が日本語を話す駐日各国大使18名および次期駐日大使1名を総理公邸に招いて昼食会を主催したが、孔大使も参加した各国大使のうちの一人であった[11]

2020年5月28日、第13期全国人民代表大会第3回会議において香港民主派への取り締まりを可能にする香港特別行政区が国家安全を守るための法律制度と執行メカニズムの確立・健全化に関する全国人民代表大会の決定香港国家安全法制)が賛成票99.7%で採択されたことにより、これまで一国二制度のもと2047年までの期限付き中国語版で担保されていた香港における言論の自由や高度な自治の有名無実化が不可避となった[12]。これを受けて同日、秋葉剛男外務事務次官が孔大使を呼び出し、香港における自治権の事実上の剥奪や香港情勢に対する憂慮を表明した上で、従来の通り自由で開かれた一国二制度を維持することを重視する姿勢が日本の一貫した方針であると伝達した[13]。秋葉外務次官が挙げた懸念に対して孔大使は、同決定はあくまでも中華人民共和国憲法香港基本法に則った正当な審議を経て採択されたものであり、中国がいかなる外部勢力からの干渉にも反対する立場であることを断言した上で、日本に対して香港の件で客観的かつ公正な立場を取り、国家の安全を守る中国の努力を尊重、支持することを強く求めた[14]

約3年9ヶ月の任期を経て2023年2月24日に都内のホテルで離任レセプションを開き、日本の政財界関係者の前で離任の挨拶をした[15]岸田文雄総理に対する表敬訪問の申請も行っていたが、日本政府は日程上の都合を理由にこれを断り、代わりに林芳正外務大臣が面会したが、外務省は当初この事実を公表しなかった[16]。2月28日には王秀君夫人と共に帰国し[17]、後任の駐日大使は呉江浩外務次官補が着任した[15]。岸田総理との面会が実現しなかった経緯については、同年4月11日の参議院外交防衛委員会にて林外務大臣が改めて先述のような説明を行い、大使離任時の総理表敬訪問は慣例ではないとの認識を表明している[18]

脚注

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  1. ^ a b c 中国駐日大使に知日派の孔鉉佑氏 日本で勤務経験15年 朝日新聞デジタル2019年4月3日21時31分
  2. ^ a b “「新しい時代の関係構築に全力」=中国の新駐日大使着任”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2019年5月30日). https://web.archive.org/web/20190606143302/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019053001155&g=int 2019年5月31日閲覧。 
  3. ^ 中国、知日派が外務次官に昇格=香港紙「日本との関係改善望むサイン」”. Record China (2018年1月4日). 2023年7月27日閲覧。
  4. ^ 外大教授 「中日韓協力二十周年記念シンポジウム」出席 18 April 2019 | By X.M. | SISU 上海外国語大学
  5. ^ 中国政府、知日派の孔鉉佑氏を外務次官に昇格”. iza (2018年1月2日). 2018年4月13日閲覧。
  6. ^ 中国、文大統領を冷遇 「格下扱い」に懸念広がる韓国メディア”. 産経新聞 (2017年12月14日). 2018年4月13日閲覧。
  7. ^ 中国人民政治协商会议第十三届全国委员会委员名单”. 网易. 2018年1月26日閲覧。
  8. ^ 駐日中国大使の信任状捧呈 | 外務省
  9. ^ 即位礼正殿の儀 | 首相官邸ホームページ
  10. ^ 外交青書 2020 | 即位礼正殿の儀参列者(外国元首・祝賀使節等及び駐日外国大使等) | 外務省
  11. ^ 安倍総理大臣と日本語を話す駐日各国大使との昼食会 | 外務省
  12. ^ 香港に国家安全法導入 「一国二制度」有名無実化―中国全人代:時事ドットコム
  13. ^ 秋葉剛男外務事務次官から孔鉉佑駐日中国大使への申入れ|外務省
  14. ^ 孔鉉佑大使,香港国家安全法制決定で厳正な立場表明
  15. ^ a b 離任の中国大使、日中は「助け合うパートナー」”. 産経新聞 (2023年2月24日). 2023年3月5日閲覧。
  16. ^ “中国の孔鉉佑・前駐日大使の離任時、面会せず 岸田首相”. 日本経済新聞. (2023年3月25日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2531C0V20C23A3000000/ 2023年4月11日閲覧。 
  17. ^ 驻日本大使孔铉佑离任回国”. 中华人民共和国驻日本国大使馆 (2023年3月1日). 2023年3月5日閲覧。
  18. ^ “外相「首相と日程合わず」 中国前大使の面会要請で”. 産経新聞. (2023年4月11日). https://www.sankei.com/article/20230411-7GAJI455TJLYZHWXO6NQ5UEZYA/ 2023年4月11日閲覧。 

外部リンク

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中華人民共和国の旗中華人民共和国
先代
程永華
駐日特命全権大使
第12代:2019年5月 - 2023年2月
次代
呉江浩
先代
孫国祥中国語版
駐越特命全権大使中国語版英語版
第16代:2011年8月 - 2014年4月
次代
洪小勇中国語版