孤高のストレンジャー
『孤高のストレンジャー』 | ||||
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リッチー・ブラックモアズ・レインボー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | マサチューセッツ州ノース・ブルックフィールド Long View Farm Studios | |||
ジャンル | ハードロック | |||
時間 | ||||
レーベル | RCA/BMG | |||
プロデュース | リッチー・ブラックモア、パット・リーガン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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レインボー アルバム 年表 | ||||
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『孤高のストレンジャー』(原題:Stranger in Us All)は、リッチー・ブラックモア率いるハードロック・バンドのレインボーが1995年に発表したスタジオ・アルバム。『ストリート・オブ・ドリームス』(1983年)以来の新作で、ブラックモアと新しいメンバーによって製作された。
解説
[編集]経緯
[編集]ブラックモアは1993年11月にディープ・パープルを再び脱退して[注釈 1]、ソロ・プロジェクトに着手した。バンド名は当初の発表ではムーン(Moon)だったが、レインボー・ムーン(Rainbow Moon)に変更され[8]、最終的にはレコード会社によってレインボーに決められた[9]。
新生レインボーにはミッドナイト・ブルーやプレイング・マンティスで活動したドゥギー・ホワイトがボーカリストとして参加[9][注釈 2]。彼は最初の2日間のリハーサルでブラックモアと新作3曲を共作したという[9]。他にポール・モリス(キーボード)、グレッグ・スミス(ベース)、ジョン・オライリィ(ドラムス)がメンバーに迎えられた。
内容
[編集]後にブラックモアとブラックモアズ・ナイトを結成するキャンディス・ナイト[注釈 3]が、バックグラウンド・ボーカルを担当し、4曲をブラックモアらと共作した[10][注釈 4]。
「ホール・オブ・ザ・マウンテン・キング」はエドヴァルド・グリーグの『ペール・ギュント』の「山の魔王の宮殿にて」を編曲したもの[8][注釈 5]。「スティル・アイム・サッド」はヤードバーズが1965年に発表した楽曲のカヴァーで、レインボーが取り上げるのはデビュー・アルバム『銀嶺の覇者』(1975年)に続いて2度目だった[8][注釈 6]。
反響・評価
[編集]本作は英米では大きな成功を収められなかったが、ヨーロッパの一部の国や日本では大ヒットを記録。フィンランドのアルバム・チャートでは6位に達し、6週連続でトップ40入りした[1]。日本ではオリコンチャートで7位に達し[2]、1995年9月度に日本レコード協会によってゴールド・アルバムに認定された[11]。スウェーデンでは2週連続で8位となり、レインボーのアルバムとしては4作目のトップ10ヒットとなった[3]。
ブレット・アダムスはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け、「ホワイトは真っ当で極めて有能なハードロック・ボーカリストだが、ロニー・ジェイムス・ディオ、グラハム・ボネット、ジョー・リン・ターナーほど突出していない」と評した[12]。ただし彼は「ハンティング・ヒューマンズ(インセイシャブル)」と「ブラック・マスカレード」を「かつてのレインボーのエネルギー、ドラマ、ダイナミクスを再現しているという意味で突出した2曲」と評した[12]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はリッチー・ブラックモアとドゥギー・ホワイトの共作。
- ウルフ・トゥ・ザ・ムーン - "Wolf to the Moon" (Ritchie Blackmore, Doogie White, Candice Night) – 4:16
- コールド・ハーテッド・ウーマン - "Cold Hearted Woman" – 4:31
- ハンティング・ヒューマンズ(インセイシャブル) - "Hunting Humans (Insatiable)" – 5:45
- スタンド・アンド・ファイト - "Stand and Fight" – 5:22
- アリエル - "Ariel" (R. Blackmore, C. Night) – 5:39
- トゥー・レイト・フォー・ティアーズ - "Too Late for Tears" (R. Blackmore, D. White, Pat Regan) – 4:56
- ブラック・マスカレード - "Black Masquerade" (R. Blackmore, Paul Morris, D. White, C. Night) – 5:35
- サイレンス - "Silence" – 4:04
- ホール・オブ・ザ・マウンテン・キング - "Hall of the Mountain King" (Edvard Grieg, C. Night / arr. by R. Blackmore) – 5:34
- スティル・アイム・サッド - "Still I'm Sad" (Paul Samwell-Smith, Jim McCarty) – 5:22
日本盤ボーナス・トラック
[編集]- エモーショナル・クライム - "Emotional Crime" (R. Blackmore, D. White, P. Regan) – 3:50
参加ミュージシャン
[編集]- リッチー・ブラックモア - ギター
- ドゥギー・ホワイト - ボーカル、バックグラウンド・ボーカル
- ポール・モリス - キーボード
- グレッグ・スミス - ベース、バックグラウンド・ボーカル
- ジョン・オライリィ - ドラムス
アディショナル・ミュージシャン
- キャンディス・ナイト - バックグラウンド・ボーカル
- ミッチ・ワイス - ハーモニカ
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 最初の脱退は1974年4月。
- ^ ホワイトによれば、当初はブライアン・アダムスのスタイルを持ったボーカリストが起用されたが、ブラックモアの音楽もジャムを通じてアイディアを得る手法も理解していなかったので、代わって彼が起用された。
- ^ 現ブラックモア夫人。
- ^ ブラックモアと共作した「アリエル」はブラックモアズ・ナイトのライヴでも演奏された。映像作品『パリス・ムーン』には2006年のパリ公演における演奏が収録された。
- ^ 同じ『ペール・ギュント』の「朝」も引用されている。
- ^ 『銀嶺の覇者』ではインストゥルメンタルとして取り上げた。セカンド・アルバム『虹を翔る覇者』(1976年)の発表に伴った1976年のワールド・ツアーでは、ロニー・ジェイムス・ディオのによって原曲の歌詞が歌われた。1976年9月のドイツ公演の音源がライブ・アルバム『レインボー・オン・ステージ』(1977年)に収録された。
出典
[編集]- ^ a b finnishcharts.com - Ritchie Blackmore's Rainbow - Stranger In Us All
- ^ a b ORICON STYLE
- ^ a b swedishcharts.com - Ritchie Blackmore's Rainbow - Stranger In Us All
- ^ Offizielle Deutsche Charts
- ^ norwegiancharts.com - Ritchie Blackmore's Rainbow - Stranger In Us All
- ^ Ritchie Blackmore's Rainbow - Stranger In Us All - hitparade.ch
- ^ dutchcharts.nl - Ritchie Blackmore's Rainbow - Stranger In Us All
- ^ a b c 日本初回盤(BVCP-862)ライナーノーツ(酒井康、1995年7月14日)
- ^ a b c “Interview with DOOGIE WHITE”. DMME.net (2002年3月). 2023年2月2日閲覧。
- ^ Candice Night Biography | Ritchie Blackmore & Blackmore's Night - 2014年7月19日閲覧
- ^ THE RECORD No.432 (.pdf format) p.5 - 2014年7月19日閲覧
- ^ a b Stranger in Us All - Ritchie Blackmore's Rainbow | AllMusic - Review by Bret Adams