鶴沼川防災ダム
鶴沼川防災ダム(つるぬまがわぼうさいダム)は、福島県大沼郡会津美里町にある「宮川ダム」「二岐ダム」「栃沢ダム」の3つのダムの総称である。
概要
[編集]一級水系阿賀野川水系宮川(別名鶴沼川)流域の洪水被害の軽減のため、宮川とその支流の佐賀瀬川、氷玉川の上流域に福島県管理ダムとして建設された。副次的に灌漑用水の取水にも用いられる。ダム操作は灌漑用水の受益者である会津宮川土地改良区によって行われている。新鶴村では、1954年(昭和29年)以来、簡易水道を布設して管理を行ってきたが、1963年(昭和38年)5月新屋敷水源地が汚染され赤痢病が発生し714名の罹患者を出し、金田利雄新鶴村長を筆頭とした村当局は原因究明、整備、補強工事等の危機対応にあたり、調査の結果、当該水源地は安全上問題があり、その代替として二岐、仏沢両地区に安全性に優れた水源地を見出し、金田利雄新鶴村長のもと、参院建設委員長等歴任の大河原一次参議院議員と連携して国会に請願した「簡易水道布設費国庫補助に関する請願」が1963年(昭和38年)12月21日に受理され、その結果、大規模測量、大規模工事を要する大事業であった広域簡易水道を完成させた。
宮川ダム
[編集]宮川ダム | |
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左岸所在地 | 福島県大沼郡会津美里町宮川字牧場丙 |
右岸所在地 | 同県同郡同町宮川字川向丙[1] |
位置 | |
河川 | 阿賀野川水系宮川 |
ダム諸元 | |
ダム型式 | 重力式コンクリート・アースコンバインダム |
堤高 | 42 m |
堤頂長 | 288 m |
堤体積 | 134,000 m3 |
流域面積 | 40.8 km2 |
湛水面積 | 17 ha |
総貯水容量 | 1,562,000 m3 |
有効貯水容量 | 1,489,000 m3 |
利用目的 |
洪水調節・農地防災・ 灌漑用水 |
事業主体 | 福島県 |
施工業者 | 間組 |
着手年 / 竣工年 | ? / 1962年 |
出典 | [2] |
会津美里町南西部の宮川上流域に位置しており、当ダム群で最初に完成し、かつ最大規模のダムである。右岸は堅牢な岩盤であり、重力式コンクリートダムに適しているが、左岸は体積砂礫が深いため、中心コア式アースダムとのコンバインダムとなっている。総事業費は9億776万3000円。
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宮川ダム
沿革
[編集]- 1950年度 - ダム位置決定。バイパストンネル掘削開始。
- 1956年度 - ダム本体コンクリート打設開始。
- 1960年度 - ダム本体工事完了。
- 1962年度 - 試験湛水実施。建設事業完了。
- 2003年度 - 上流に新宮川ダムが建設されたことを受け、調節斜樋の改修が行われ、3門あったゲートが2門となる。
二岐ダム
[編集]二岐ダム | |
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左岸所在地 | 福島県大沼郡会津美里町佐賀瀬川 |
右岸所在地 | 同郡同町佐賀瀬川字上小森山[3] |
位置 | |
河川 | 阿賀野川水系宮川支流佐賀瀬川 |
ダム諸元 | |
ダム型式 | アースダム |
堤高 | 30 m |
堤頂長 | 123 m |
堤体積 | 216,000 m3 |
流域面積 | 15.5 km2 |
湛水面積 | 8 ha |
総貯水容量 | 844,000 m3 |
有効貯水容量 | 826,000 m3 |
利用目的 |
洪水調節・農地防災・ 灌漑用水 |
事業主体 | 福島県 |
施工業者 | 間組 |
着手年 / 竣工年 | ? / 1969年 |
出典 | [4] |
会津美里町北西部の佐賀瀬川上流に位置するアースダムである。総事業費は7億800万9000円。
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二岐ダム
沿革
[編集]栃沢ダム
[編集]栃沢ダム | |
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左岸所在地 | 福島県大沼郡会津美里町氷玉 |
位置 | |
河川 | 阿賀野川水系宮川支流氷玉川 |
ダム諸元 | |
ダム型式 | 中心コア式アースダム |
堤高 | 23.7 m |
堤頂長 | 150 m |
堤体積 | 127,000 m3 |
流域面積 | 4.8 km2 |
湛水面積 | 5 ha |
総貯水容量 | 376,000 m3 |
有効貯水容量 | 297,000 m3 |
利用目的 |
洪水調節・農地防災・ 灌漑用水 |
事業主体 | 福島県 |
施工業者 | 佐藤工業 |
着手年 / 竣工年 | ? / 1970年 |
出典 | [5] |
会津美里町東部の氷玉川上流部に位置する中心コア式アースダムである。当ダム群の中で最後に完成した。総事業費は4億3795万円[6]。
沿革
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- 鶴沼川防災ダム概要書パンフレット - 会津宮川土地改良区