富加町のポルターガイスト
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富加町のポルターガイスト（とみかちょうの- ）とは、岐阜県富加町の団地で2000年前後にかけて起きたポルターガイスト騒動。「幽霊団地騒動」とも[1]。
概略
[編集]現象が起きた場所は1998年建築の4階建ての公営住宅[2]であり、24世帯のうち報告があったのは15世帯[3]。
たとえば次のような現象が起きたと言う。
- テレビのチャンネルが、住民は何もしていないのに、勝手に変わる
- ドライヤーが、電源コードをコンセントに差し込んでいないのに、勝手に動き出す
- 食器棚から皿が水平方向に数メートル飛び出す （茶碗が食器棚から飛び出して奇妙な形に割れた）
- 水道の蛇口から勝手に水が流れる
- 缶がどこかから部屋の中に飛び込んできた[4]。
2000年10月13日に地元の新聞の中日新聞がこの出来事およびそれにまつわる騒動を記事にして報じた[5]。それを皮切りに、報道各社がこの公営住宅に押し寄せて取材合戦が起き、いつしか原因はポルターガイストであるとされた。テレビ朝日の人気番組ニュースステーションもこの件を扱い、現場から中継放送（住宅内に取材カメラが入って現場の住宅内や食器棚の撮影や、住民へのインタビューなど）も行われた[1]。なお中継放送中にはポルターガイスト現象は特には起きなかった。いくつかの週刊誌なども取材を行いこの件を記事にした。
報道や週刊誌で扱われるうちに全国各地から霊能者や降霊術師、あるいは自称する人物がやってきて、「みて（視て、診て）さしあげる」とか、「除霊してさしあげる」などと申し出があった。なかには最初から高額の金額を要求する明らかに金銭目的の詐欺師の類もいたとされる。
国際総合研究機構（IRI）の小久保秀之が2000年11月15日から17日にかけての3日間、磁力計および赤外線カメラによる物理計測での調査を行った[4]。11月15日に奇妙な電気信号がコンピューターモニター上で観測された[4]。何らかの理由で電気回路の増幅率が突発的に増大するという現象が発生したと考えられる[4]。
2000年11月の物理調査の後、住民全員参加の除霊の儀式も行われ、この除霊の儀式の後、騒動は次第に沈静化した[4]。
現地に計測装置を持ち込み物理調査を行った小久保秀之が2005年の論文で述べた分析では、（1)心理要因 （2）物理要因 （3）超心理要因の3要素が絡んで起きた複合的な現象だった、と結論づけた[4]。
ちなみに、後述の2022年公開の映画『N号棟』公開時に、スポーツ新聞の中日スポーツ（東京スポーツ）の記者は映画の紹介記事において、あくまでスポーツ新聞の記事でしかないが、学者の見解とも異なり何を根拠にそう書いているか全く不明だが、『「建付けの問題」と結論が出て、02年ごろに終息。』という書き方をした[1]。
なおこの公営住宅には2021年時点では当時の住人はほとんど残っておらず、当時のことを知る人はほとんど残っていない。当時の自治会長もすでに没している。
2022年の映画『N号棟』（後藤庸介監督）は、この事件・事象をモチーフに製作された作品である[6]。
出典・脚注
[編集]- ^ a b c 萩原みのり主演 岐阜県富加町で実際に起きた「幽霊団地騒動」の真相に迫る…「誰もが敵で、でも誰もが味方でした」：中日スポーツ・東京中日スポーツ
- ^ “平成のホーンテッドマンション！ 岐阜県で起きたポルターガイスト騒動”. エキサイトニュース (2016年12月14日). 2022年4月26日閲覧。
- ^ 松閣オルタ『オカルト・クロニクル』洋泉社、2018年、ISBN 978-4800315434
- ^ a b c d e f 小久保秀之. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsppj/10/1-2/10_KJ00003991211/_pdf/-char/ja+2024年8月30日閲覧。
- ^ 「食器飛ぶように落ちシャワー勝手に 幽霊? 住民避難騒ぎ 岐阜・富加町営住宅 祈とう師呼び厄払い」『中日新聞』中日新聞社、2000年10月13日、夕刊、15面。
- ^ “実在の幽霊団地事件を基にした「N号棟」の“異常さ”が際立つ特報 トラウマ必至の光景ばかり : 映画ニュース”. 映画.com. 2022年4月26日閲覧。
関連論文
[編集]- 小久保秀之（2005）、近年における国内のボルターガイスト事例調査[1]