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山口政二

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山口政二

山口 政二(やまぐち まさじ、1887年明治20年)8月6日[1] - 1927年昭和2年)2月23日[2])は、衆議院議員弁護士

経歴

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埼玉県比企郡小見野村(現在の川島町)に山口喜一郎の二男として生まれる[3]1910年7月に第一高等学校大学予科[4]を、1914年東京帝国大学法科大学独法科[5]を卒業した。高等文官試験に合格[6]し、同年、朝鮮総督府試補に任ぜられ[7]、翌1915年朝鮮総督府道事務官[8]。その後、陸軍省御用掛、青島守備軍民政部事務官[9]を歴任した後、1921年10月に弁護士登録[10]し、開業した[11][12]

1924年大正13年)、第15回衆議院議員総選挙に埼玉県第3区から立候補し[13]、当選した[14]。無所属であったが、1924年5月30日に中正倶楽部設立に参加し、同年10月23日に立憲政友会に移るも、1925年6月1日には新正倶楽部設立に参加した[15][16][17]。「国民生活ノ安定」を訴え、治安維持法反対、婦人参政権を含む普通選挙法制定などを主張した[18][19]

過労が原因で1927年2月、国会内で倒れ[20]、そのまま帰らぬ人となった。墓所は多磨霊園(4-1-7)[21]

幼時に木から落ちて左目を傷つけていたため、一高時代は独眼竜野次将軍とあだ名された[22]

妻は第一高等学校教授で歴史学者の斎藤阿具の長女絢子[23]で、次男に歴史学者の山口啓二[24]がいる。

脚注

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  1. ^ 衆議院 編『第49回帝国議会衆議院議員名簿』〈衆議院公報附録〉1924年6月20日、9頁。NDLJP:1338227/9 
  2. ^ 『官報』第46号、昭和2年2月26日、p.607
  3. ^ 『人事興信録 第7版』人事興信所、1925年8月5日、や78-や79頁。NDLJP:1704004/903 
  4. ^ 『第一高等学校一覧 自明治43年至明治44年』第一高等学校、1910年12月25日、286頁。NDLJP:812884/150 
  5. ^ 『東京帝国大学一覧 從大正3年至大正4年』東京帝国大学、1915年1月16日、98頁。NDLJP:940165/291 
  6. ^ 署名なし 1914
  7. ^ 『官報』第696号、大正3年11月26日、p.565.NDLJP:2952803/4
  8. ^ 『官報』第1010号、大正4年12月13日、p.282.NDLJP:2953121/2
  9. ^ 『職員録 大正9年』印刷局、1921年2月12日、291頁。NDLJP:986602/226 
  10. ^ 『官報』第2772号、大正10年10月27日、p.633.NDLJP:2954887/8
  11. ^ 第二東京弁護士会所属(『日本辯護士名簿 大正15年7月現在』日本弁護士協会、1926年8月1日、198頁。NDLJP:1902910/101 
  12. ^ 『衆議院要覧(乙)大正13年6月』衆議院事務局、1924年、137頁。NDLJP:1337695/86 
  13. ^ 山口の日記のうち、選挙活動の時期の部分は東松山市教育委員会事務局市史編さん課 1984に翻刻されている。
  14. ^ 衆議院事務局 編『第15回衆議院議員総選挙一覧』衆議院事務局、1926年6月25日、10頁。NDLJP:1337792/133 
  15. ^ 衆議院・参議院編『議会制度百年史 院内会派編 衆議院の部』衆議院、1990年、 pp.297-322
  16. ^ 衆議院; 参議院 編『議会制度七十年史 第11 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1962年、529頁。NDLJP:3000139/292 
  17. ^ 青野権右衛門「新正倶楽部」『日本政党変遷史』安久社、1935年、333-334頁。NDLJP:1079277/181 
  18. ^ 東松山市市史編さん課 1986
  19. ^ 村田静子 1993
  20. ^ 衆議院事務局 編『衆議院先例彙纂 全 昭和11年3月改訂』衆議院事務局、1936年3月31日、723頁。NDLJP:1441084/408 
  21. ^ 歴史が眠る多磨霊園 山口政二 - ウェイバックマシン(2011年8月18日アーカイブ分)
  22. ^ 加藤紫泉「獨眼龍将軍」『新代議士名鑑』国民教育会、1924年、68頁。NDLJP:972140/46 
  23. ^ 帝国時事通信社 編『新興日本名士録 : 帝都復興之現勢』帝国時事通信社、1927年9月1日、27-28頁。NDLJP:1175681/279 
  24. ^ 山口啓二 2009

参考文献

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  • 署名なし「文官高等試験合格者」『読書世界』第5巻第3号、讀書會、1914年、58頁、NCID BB16890848 
  • 東松山市教育委員会事務局市史編さん課 編「比企のデモクラシー」『東松山市史 資料編 第4巻 (近・現代編)』東松山市、1984年、360-375頁。 
  • 東松山市市史編さん課 編「第四節 大正デモクラシーと地方政治」『東松山市の歴史 下巻』東松山市、1986年、289-295頁。 
  • 村田静子「代議士山口政二と婦人参政権獲得運動:付 山口政二の議会活動」『歴史評論(歴史科学協議会編)』第517号、校倉書房、1993年、83-99頁、NAID 40003834771 
  • 山口啓二『山口啓二著作集 第5巻 時代に向き合って生きる』校倉書房、2009年。 
  • 山口政二関係文書(MF:個人蔵)”. 国立国会図書館. 2017年8月17日閲覧。