山東省化学工場爆発事件
山東省化学工場爆発事件(さんとうしょうかがくこうじょうばくはつじけん)とは、2015年8月22日午後8時40分(CST)ころ、中華人民共和国山東省淄博市桓台県果里鎮東付村の潤興化工廠で発生した爆発事故[1]。工場の周辺1km未満に住宅がある[2]。初期調査では、アクリロニトリルという有毒の化学物質が爆発の原因とみられる。
概要と人的被害状況
[編集]2015年8月22日午後8時50分頃、山東省北部の東営市麗景の工場地区にある化学工場で大きな爆発が起こった[3]。
同年9月2日現在で少なくとも5名が死亡、9名が負傷した[4]。工場から5キロメートル離れた地点でも揺れを感じたという。一部の中国メディアは「工場に保管されていた化学物質に由来する有毒ガスが漏れ出ている恐れもある」と伝えている[5]。
原因
[編集]現時点では詳細不明。工場は粘着剤を生産、新技術を導入し昨年、操業を始めたばかりだった[4]。アクリロニトリルという有毒の化学物質が爆発の原因とみられる。
警察は現場に通じる道路を封鎖し、工場から半径1キロの範囲に住む人たちが避難した。
アクリルニトリルは、石油化学製品(液体)の一種。気化しやすく燃えやすい性質がある。精製・合成し得られるモノマーであり、主にセーターやカーペットの原料となるアクリル繊維、自動車や家電製品に広く用いられるABS樹脂などの主原料として広く使われている。引火性の高い猛毒の液体である。厚生労働省によると、皮膚に触れたり、吸い込んだりすると生命に危険を及ぼすほか、がんになるおそれもあるといわれており、保管する際は容器を密閉することや火や熱から遠ざけることが必要である[6]。日系企業の中では旭化成等の化学メーカーの主力製品である[7]。
アクリロニトリルは2015年7月に米テネシー州メリービルで発生した貨物列車の脱線・炎上事故の原因のひとつともなっている。なお本現場では、アクリロニトリルの危険性を考慮して消火活動は行われておらず、危険物処理班の出動が要請された[8]。
被害状況
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中国当局の反応
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発表内容
[編集]情報統制
[編集]脚注
[編集]- ^ “山东桓台一化工厂发生爆炸起火”. 新华网. (2015年8月22日)
- ^ “山东淄博润兴化工厂爆炸9人受伤”. BBC中文网. (2015年8月22日)
- ^ “中国山東省 化学工場での爆発事故の犠牲者5人に”. Sputnik 日本. (2015年9月2日)
- ^ a b 共同 (2015年9月2日). “化学工場爆発の死者5人に 中国山東省”. 産経ニュース (産経新聞)
- ^ “中国・山東省で化学工場爆発 少なくとも9人負傷”. 日本経済新聞. (2015年8月23日)
- ^ “中国山東省の化学工場で爆発と火災”. NHKニュース (NHK(日本放送協会)). (2015年8月22日). オリジナルの2015年8月22日時点におけるアーカイブ。
- ^ “アクリロニトリル : 旭化成の事業戦略”. 旭化成グループ 新卒採用サイト. 2015年10月12日閲覧。
- ^ “有害物質運ぶ列車が脱線・炎上、住民5000人避難 米テネシー州”. AFPBB News. (2015年7月2日)