山路みほ
山路 みほ(やまじ みほ、1972年2月17日 - )は、日本の箏曲演奏家。本名:山路 美保。Miho Yamaji
平成24年度文化庁文化交流使に指名され、ロシア国立モスクワ音楽院世界民族音楽コースで日本音楽講師を務めた[1]。
江戸時代後期の儒学者で公共事業家の山路機谷(熊太郎)の子孫にあたり、生殖細胞とRNAバイオロジーの研究者である山路剛史とは従弟である。
来歴
[編集]1994年に東京芸術大学を卒業後、リサイタル開催と同時に箏曲演奏家としての活動を開始する。コンサート活動以外にも、吉幾三公演(新宿コマ劇場 2000年)やNHK教育テレビ「芸能花舞台」(2003年)、NHK-FM「邦楽のひととき」にレギュラーとして出演。
2007~2008年には尺八奏者金子朋沐枝と全国ツアー(全15公演)を行う。国立文楽劇場主催「新進と花形による舞踊・邦楽鑑賞会」に出演(2017年)。諸外国においても、オーストラリア人尺八奏者アンドルー・マクレガーとオーストラリアツアー(全25公演、2001~2003年)を行い、国際尺八フェスティバルinメルボルン(2002年)では、公式箏講師として招聘され箏の指導を行なう。
アメリカ・ボストン(2010年)ではフルーティスト鷲尾真奈と(4公演)、東欧ツアーではピアニスト山口友由実と共演し(2013年 全22公演、山口とは6公演)、アメリカ人ギターリスト ピーター・ジョセフ・ジザとも共演(2023年)している。[2]
またモスクワ音楽院では、2011年より学生とのコンサートやソロリサイタルを度々開催し、2018年にはチャイコフスキーボリショイホールにてモスクワ音楽院管弦楽団と共演し箏コンチェルトのソリストを務めた。
洋楽器や民族楽器、オーケストラ・ブラスバンドとの共演はもちろんのこと、落語家4代目桂梅団治と共演するなど、ミュージカルや芝居音楽・朗読・落語の音楽プロデュースなど、邦楽の枠を超えた幅広い創作活動も繰り広げている。
演奏活動の一方で、2005年より岡山大学非常勤講師として学生に箏の指導を行ない、岡山大学の教授早川倫子と、2014年2015年には子供を対象とした和楽器ワークショップ「親子のための音のフェスティバルin岡大:見て・聴いて・さわって見つけよう!音の出るしくみ」、2021年2022年には「~親子で楽しく演奏体験in岡大~お箏に触れよう」を開催し箏講師として子供たちへの指導も行っている。その他にも国内での学校公演の他にも、シベリウス音楽院(フィンランド)、モスクワ音楽院、サラトフ音楽院、アストラハン音楽院(ロシア)、リスト・フェレンツ音楽大学付属学校(ハンガリー)など、諸外国の教育機関でも日本音楽についての講義を行い、和楽器の普及や伝承にも力を注いでいる。
受賞歴
[編集]- 長谷検校記念第5回全国邦楽コンクール最優秀賞受賞
- 第4回国際芸術連盟(JILA)音楽コンクール邦楽部門第1位
- 第4回賢順記念全国箏曲コンクール奨励賞受賞
- 第1回琴で弾くポップスコンクールにて特別賞受賞
- 平成14年岡山芸術文化賞準グランプリ受賞
- 平成17年倉敷市文化連盟奨励賞受賞
- 第10回福武文化奨励賞受賞
出版物一覧
[編集]CD録音
[編集]- 「Refrain リフレイン」(2000年)
- 「祈詩REN-MEN」(2001年)
- 「お箏ひとりで弾く みんなのうた‘わっ!!’」(2006年)
- 「Precious Time~かけがえのない時~」(2006年)
- 「二胡人生~20th DENSEN IN JAPAN」(2007年)
- 「玉響 たまゆら」(2009年)
- 『箏・尺八・歌による舩川利夫作品集「聲 Koe」』(2023年)
著作
[編集]- エッセー集「みっぽりん通信総喝っ編」(萌友出版 2006年)
- 歌集「山路壽子歌集」(萌友出版 2006年)
- 箏楽譜「お箏ひとりで弾く みんなのうた」(山路みほ編曲)(大日本家庭音楽会発行 2010年)
論文
[編集]- 「箏の指導に見る伝承と普及の現状と課題~諸外国との比較を通して~」(岡山大学 修士論文 2023年3月)
参考文献
[編集]- 文化庁文化交流使活動報告書
- 福武教育文化振興財団 教育文化活動助成 成果報告書アーカイブ
- 岡山大学 ワークショップ
- 箏曲演奏家 - コミュニケーションマガジンweb1304
- 『邦楽ジャーナル2012Vol.301』㈲邦楽ジャーナル(2012年2月,p.31.)
- 『Osera 晩秋号11-12 2012 No.060』㈱ビザビリレーションズ,(pp.155-157.)
- 『Япония』 весна 2013, Посольство Японии России, (2013. pp.14-15.)
- 『CHOGOKU 備後の経済情報誌 ビジネス情報』㈱中国情報出版(2014年8月10日,p.31.)
- 岡山県立玉島高等学校 卒業生