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岡倉古志郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

岡倉 古志郎(おかくら こしろう、1912年5月6日 - 2001年4月2日)は、日本国際政治学者、経済学者。

同志社大学教授、大阪外国語大学教授、中央大学教授、日本学術会議副会長、原水爆禁止日本協議会専門委員、日本平和委員会及び日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会の各常任理事などを歴任。『茶の本』『東洋の理想』等の著書で知られる日本美学界の泰斗・岡倉天心の孫に当たる。息子に岡倉徹志がいる。

来歴

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朝日新聞記者で天心の伝記も編纂した岡倉一雄の子として、東京に生まれる。東京帝国大学を卒業後、東京電灯(現東京電力)に入社。その後、企画院を経て1938年には東亜研究所に入る。同年の企画院事件(企画院判任官グループ事件)にて治安維持法違反で検挙。なお、岡倉を逮捕した特高官僚橋本清吉は、後に衆議院議員となった[1]

戦後間もない1947年世界経済研究所の設立に関わる。また、同志社大学大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)、中央大学等で教鞭を執る傍ら、1961年アジア・アフリカ研究所を立ち上げ、初代所長に就任。非同盟運動イデオローグとして、アジアアフリカ地域における民族運動を研究した。また、1983年から2年間にわたり、大東文化大学東洋研究所所長も務めた。

2001年4月2日、急性肺炎のため東京都渋谷区の病院で死去。88歳[2]

著書

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  • 『イギリス計画経済』世界計画経済・河出書房 1938.
  • 『濠洲の社会と経済』(電通出版部、1943年)
  • 『世界労連と日本』世界評論社 1948
  • 『労働組合のABC』労働教育協会 組合ライブラリ 1948
  • 『アメリカの政治体制』世界評論社 1949
  • 『国際情勢の見方』労働教育協会 組合ライブラリ 1949
  • 『東南アジア経済論』三笠書房 経済学全書 1950
  • 『パレスチナ物語』(日本評論社、1950年)
  • 『新しいアジア』福村書店 中学生歴史文庫 世界史 1951
  • 死の商人岩波新書 1951/講談社学術文庫 2024
  • ネール首相の秘密』(弘文堂、1951年)
  • 『日本再軍備』(月曜書房、1952年)
  • 『日本の死の商人』要書房 1952
  • 『植民地』 社会をみる眼を養うために 東洋書館 1953
  • 『第三勢力 中立と平和』要書房 1953
  • 『財閥 かくて戦争はまた作られるか』光文社 カッパ・ブックス、1955
  • 『世界政治学 第1 (世界政治論) 』日本評論新社 1956
  • 『スキャンダル 税金を食う怪物』光文社 カッパ・ブックス、1957
  • 『民族 アジア・アラブの十四億人』光文社 カッパ・ブックス 1958
  • 『国際情勢の見方』1960 三一書房・三一新書
  • 『アジア・アフリカ問題入門』1962 岩波新書
  • 『死を売る会社』青春出版社 1966
  • 『ベトナム戦争とわたくしたち』(労働旬報社、1966年)
  • 『汚職の政治経済学』労働旬報社 1967
  • 『民族解放運動』勁草書房 1967
  • 岡倉古志郎国際政治論集』全5巻 勁草書房 1968-69
  • 『植民地主義と民族解放運動』(勁草書房、1974年)
  • 『非同盟運動』(大月書店、1987年)
  • 『非同盟研究序説』(新日本出版社、1989年) - 第15回野呂栄太郎賞受賞[3]
  • 『祖父岡倉天心』(中央公論美術出版、1999年)

共編著

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  • 『国際問題用語人名辞典』小椋広勝共編 1951 青木文庫
  • 『民族解放統一戦線 アジアの現状分析』鈴木正四共編 三一書房 1953
  • 『戦争と平和の諸問題』杉江栄一共著 三一書房 1955
  • 『世界現代史事典』小椋広勝共編 合同出版社 合同新書 1958
  • 『戦後の世界政治』戦後世界の政治と経済 寺本光朗共著 三一書房 1959
  • 『新植民地主義』蝋山芳郎共編著 岩波書店 1964
  • 『キューバからベトナムまで アメリカの侵略工作」陸井三郎共編 1965 新日本新書
  • 『たたかうベトナム」甲斐静馬,坂本徳松共著 日本アジア・アフリカ連帯委員会, AA新書 1965
  • 『ベトナム戦争と労働運動』坂本徳松,陸井三郎,吉岡吉典共著 労働旬報社 1966
  • 『民族解放の思想と行動』寺本光朗共著 労働旬報社 A・A学習シリーズ 1966
  • 『新植民地主義入門 独立と平和のために』佐野明共著 平和書房 平和新書 1967
  • 『民族解放運動の歴史』犬丸義一共編著 労働旬報社 A・A学習シリーズ 1967
  • 『日米安保条約 その解説と資料』渡辺洋三共編 労働旬報社 1968
  • 『安保・沖縄問題の焦点』畑田重夫,長谷川正安共編 労働旬報社 1969
  • 『資料沖縄問題』牧瀬恒二共編 労働旬報社 1969
  • 『アメリカ帝国主義 その侵略と干渉の一世紀』編著 1970 新日本新書
  • 『沖縄返還協定 真の返還をめざして』宮崎繁樹共編著 労働旬報社 1971
  • 『スパイ大作戦 現代アメリカの謀略』編 1971 新日本新書
  • 『70年代のアジア 2.問題編 アジアの焦点』時事通信社 1973
  • 『民族の基本的権利』長谷川正安共編 法律文化社 現代の人権双書 1973
  • 『チリにおける革命と反革命』寺本光朗共編著 大月書店 1975
  • 『平和の探求』丸山益輝,関寛治共編 時事通信社 市民の学術双書 1975
  • 『非同盟・中立』土生長穂,立木洋共著 1977 新日本新書
  • 『アメリカの世界戦略 ニクソンからカーターへ』唐沢敬共著 1979 新日本新書
  • バンドン会議と五〇年代のアジア』編著 大東文化大学東洋研究所 1986

翻訳

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  • リッデル・ハルト『軍拡下のヨーロッパ』清和書店 1938
  • 岡倉天心『理想の再建』岡倉一雄共訳編 河出書房 1938
  • D.H.ブカナン『印度の近代工業』河出書房 東亜研究叢書 1943
  • I.C.A.ノールス『イギリス植民地経済史』第1,2巻 栗田書店 1943-44
  • アルバート・E.カーン『叛逆」筑摩書房 1953-54
  • ジョージ・ソール『オートメーション時代』紀伊国屋書店 1957
  • サンプソン『現代のアフリカ』朝日新聞社 1961
  • スカルノ『わが革命の再発見』理論社 1962
  • D.W.W.コンデ『アジアの枢軸 アメリカー日本』青木書店 1966
  • 『ベトナム問題入門 「ベトナム研究」誌編』1967. 新日本新書
  • D.W.W.コンデ『CIA黒書』岩崎昶共訳 労働旬報社 1968
  • D.W.W.コンデ『アメリカは何をしたか 第1 解放朝鮮の歴史 1945-50』(監訳) 太平出版社 1967-1968
  • D.W.W.コンデ『アメリカはどこへゆく』監訳 汐文社 解放新書 1969
  • D.W.W.コンデ『朝鮮 新しい危機の内幕』監訳 新時代社 1969
  • D.W.W.コンデ『現代朝鮮史 1 (1945-50年 解放朝鮮の歴史) 』監訳 太平出版社 1971
  • 『非同盟運動基本文献集』土生長穂共編訳 新日本出版社 1979

関連項目

[編集]

脚注

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  1. ^ 特高が戦後、国会議員になったの?2005年3月16日しんぶん赤旗
  2. ^ 岡倉古志郎氏死去/元日本学術会議副会長2001年4月4日付四国新聞
  3. ^ 野呂栄太郎賞とは?2003年8月14日付しんぶん赤旗