岡奈津子
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岡 奈津子(おか なつこ、1968年 - 2022年1月27日)は、中央アジアを対象とする地域研究者。主たる専門はカザフスタンの政治と社会、および同地域のディアスポラ朝鮮人。日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センターガバナンス研究グループ長を務めた。第15回樫山純三賞一般書賞を受賞。
略歴
[編集]長野県茅野市出身。長野県諏訪清陵高等学校を経て、1992年東京大学教養学部卒業[1]。1994年、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻を修了。修士の学位を取得[1]。 同年、独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所入所。2008年、リーズ大学政治国際関係学科より博士号(PhD)取得。 アジア経済研究所主任研究員を経て、新領域研究センターガバナンス研究グループ長兼任。2022年、死去[2]。
著書
[編集]単著
[編集]- 『〈賄賂〉のある暮らし:市場経済化後のカザフスタン』白水社、2019年。ISBN 978-4-560-09728-1
- 『〈賄賂〉のある暮らし:市場経済化後のカザフスタン』新版、白水社、2024年。ISBN 978-4-560-09283-5
共著
[編集]- (半谷史郎)『中央アジアの朝鮮人:父祖の地を遠く離れて』東洋書店〈ユーラシア・ブックレット 93〉、2006年。ISBN 978-4-88595-633-1
編著
[編集]- 『移住と「帰郷」:離散民族と故地』日本貿易振興機構アジア経済研究所、2008年。ISBNなし
分担執筆
[編集]- 「CISにおける経済統合:カザフスタンの戦略」清水学編『中央アジア:市場化の現段階と課題』アジア経済研究所、1998年。ISBN 978-4-258-04489-4
- 「ソ連における朝鮮人強制移住:ロシア極東から中央アジアへ」岩波講座世界歴史・24巻『解放の光と影:1930年代-40年代』岩波書店、1998年。ISBN 4-00-010844-1
- 「中央アジア諸国をめぐる新経済関係の構築」西村可明編著『旧ソ連・東欧における国際経済関係の新展開』日本評論社、2000年。ISBN 978-4-535-55175-6
- 「中央アジア諸国における米軍のプレゼンス:歴史的チャンスか、新たな紛争の種か」酒井啓子編『「テロ」と「戦争」のもたらしたもの:中東からアフガニスタン、東南アジアへ』日本貿易振興会アジア経済研究所、2002年。ISBN 4-258-26024-X
- 「カザフスタンにおける民族運動の翼賛化:予想された紛争はなぜ起きなかったのか」武内進一編『国家・暴力・政治:アジア・アフリカの紛争をめぐって』日本貿易振興機構アジア経済研究所、2003年。ISBN 978-4-258-04534-1
- 「「近い外国」のロシア人:同胞法と国籍法にみるロシアのジレンマ」田畑伸一郎・末澤恵美編『CIS:旧ソ連空間の再構成』国際書院、2004年。ISBN 978-4-87791-132-4
- 「カザフスタンにおける地方政治エリート」酒井啓子・青山弘之編『中東・中央アジア諸国における権力構造:したたかな国家・翻弄される社会』岩波書店、2005年。ISBN 978-4-00-009970-7
- 「カザフスタン:権威主義体制における民族的亀裂の統制」間寧編『西・中央アジアにおける亀裂構造と政治体制』アジア経済研究所、2006年。ISBN 978-4-258-04555-6
- 「民族化するカザフスタンにおけるコリアン・ディアスポラ:エスニック・マイノリティとしての生き残り戦略」高全恵星監修『ディアスポラとしてのコリアン:北米・東アジア・中央アジア』新幹社、2007年。ISBN 978-4-88400-061-5
- 「「帰還民」へのまなざし:カザフスタンの在外カザフ人呼び寄せ政策と現地社会」山根聡・長縄宣博編著『越境者たちのユーラシア』ミネルヴァ書房〈シリーズ・ユーラシア地域大国論・5〉、2015年。ISBN 978-4-623-07453-2
訳書
[編集]- アナトーリー・チモフェーエヴィチ・クージン『沿海州・サハリン近い昔の話:翻弄された朝鮮人の歴史』田中水絵共訳、凱風社、1998年。ISBN 978-4-7736-2213-3
受賞歴
[編集]脚注
[編集]- ^ a b "マイポータル."researchmap(科学技術振興機構). 2025年5月23日閲覧。
- ^ "【訃報】岡奈津子ガバナンス研究グループ長逝去のお知らせ."アジア経済研究所公式サイト(2022年2月3日付). 2024年5月23日閲覧。
- ^ 第15回樫山純三賞《一般書賞》受賞記念インタビューアジア経済研究所