岩淵聡文
岩淵 聡文(いわぶち あきふみ[1]、1960年12月27日[2] - )は、日本の文化人類学者、海洋考古学者(社会人類学[1]・東南アジア民族誌[1]・海洋文化学[1])。東京海洋大学海事システム工学部門教授[1]。
人物情報 | |
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生誕 |
1960年12月27日(63歳) 日本・東京都中野区 |
国籍 | 日本 |
出身校 |
早稲田大学第一文学部 東京大学大学院総合文化研究科 オックスフォード大学大学院人類学地理学部 |
学問 | |
研究分野 |
文化人類学 水中考古学 |
研究機関 | 東京海洋大学 |
学位 | D.Phil(オックスフォード大学) |
学会 |
日本海事史学会 EASA 日本文化人類学会 European Association of South-East Asian Studies en:European Association of Social Anthropologists |
来歴
[編集]東京都中野区に生まれる[3]。1983年、早稲田大学第一文学部史学科日本史学専修卒業[4]、1985年、東京大学大学院社会学研究科文化人類学専門課程修士課程修了[4]、1990年、オックスフォード大学大学院社会人類学科博士課程修了[4]。博士号は、Doctor of Philosophy(オックスフォード大学・1990年)[4]。1994年、東京商船大学講師[4]、翌年に助教授[4]。2003年、東京商船大学と東京水産大学が統合され、国立大学法人東京海洋大学が発足したことに伴い、同年に東京海洋大学助教授、2005年より東京海洋大学教授[4]。この間、1993年から1994年まで東京大学東洋文化研究所研究員、1996年から1997年までオックスフォード大学客員研究員、2000年から2001年までミュンヘン国立民族学博物館客員研究員(アレクサンダー・フォン・フンボルト財団)、2007年にベトナム国家大学ホーチミン市校人文社会科学大学客員教授(フォード財団)、2016年にインドネシア国立アンダラス大学招聘講師[5]。
1986年から1988年までインドネシア共和国アチェ州においてアラス族、2011年から2012年まで同国バンカ・ブリトゥン州のポンゴ島において漂海民セカ族のフィールドワーク。アチェ戦争中、オランダ軍による大虐殺に直面し、閉鎖的となっていたアラス峡谷では、呪術師の養子となり、フィールドワークを実施する[6]。2012年にパンカルピナンにおいて、セカ族協会(Organisasi Suku Sekak)を結成[7]。
2021年10月にユネスコ政府間海洋学委員会は、岩淵聡文がその研究チームの代表をつとめる「現地住民、伝統的な生態学上の知識、気候変動:象徴的水中文化遺産としての石干見」を国連海洋科学の10年(2021年‐2030年)の行動プロジェクトの一つとして採択した。副代表は、グアム大学のビル・ジェフリー(William Frederick Jeffery)准教授。SDGs(持続可能な開発目標)関連の本プロジェクトには、ユネスコ水中考古学大学連携ネットワークのメンバー校である東京海洋大学、グアム大学、ワルシャワ大学の他、筑紫女学園大学、木浦大学校、フィリピン大学、トリニティ・カレッジ (ダブリン大学)、ネルソン・マンデラ大学が参加をしている[8]。
国際記念物遺跡会議(イコモス)国際水中文化遺産委員会日本代表委員[9]、日本海事史学会副会長(会長代行)[10]、海洋立国懇話会理事 [11]、NPO法人アジア水中考古学研究所理事 [12]。
著作
[編集]単著
- The People of the Alas Valley: A Study of an Ethnic Group of Northern Sumatra, Oxford: Clarendon Press, 1994年
- 『文化遺産の眠る海:水中考古学入門』京都:化学同人、2012年
- On the Frontier of Climate Change: The Underwater Cultural Heritage of Stone Tidal Weirs, Blue Papers: Water and Heritage for Sustainable Development, vol. 1 (1): 88-95, 2022年
共著
- 『ギリシア世界からローマへ:転換の諸相』(地中海文化を語る会編)東京:彩流社、2001年
- Indonesian Houses: Survey of Vernacular Architecture in Western Indonesia, vol. 2, ed. R. Schefold and P. J. M. Nas, Leiden: KITLV Press, 2008年
- 『水中文化遺産:海から蘇る歴史』(林田憲三編)東京:勉誠出版、2017年
翻訳
- T. M. フレーザー『タイ南部のマレー人:東南アジア漁村民族誌』東京:風響社、2012年
- ユネスコ水中考古学大学連携ネットワーク(編)『安全な水中考古学ダイビング実践モデルコード』東京:東京海洋大学、2019年[13]
脚注
[編集]- ^ a b c d e 岩淵聡文「東京海洋大学教員総覧データベース:社会連携情報」- 東京海洋大学。
- ^ 岩淵聡文:Webcat Plus- 国立情報学研究所。
- ^ 「達人対談:岩淵聡文 vs. ビートたけし」 - 『新潮45』2015年4月号。
- ^ a b c d e f g 岩淵聡文「東京海洋大学教員総覧データベース:経歴等」- 東京海洋大学。
- ^ 「フロントランナー:岩淵聡文さん」 - 『朝日新聞be』2015年8月1日。
- ^ 「交遊抄(大塚ひかり)」 - 『日本経済新聞』2020年7月4日。
- ^ 日本の大学教授がセカ族協会をとりまとめ - Badar Bangka。
- ^ Decade Actions - 国連海洋科学の10年(英語)。
- ^ Akifumi Iwabuchi - イコモス国際水中文化遺産委員会(英語)。
- ^ 学会について - 日本海事史学会。
- ^ 役員一覧 - 海洋立国懇話会。
- ^ ARIUAについて - アジア水中考古学研究所。
- ^ 『安全な水中考古学ダイビング実践モデルコード 』- ユネスコ水中考古学大学連携ネットワーク。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 岩淵聡文 - researchmap
- 岩淵聡文 - J-GLOBAL
- 岩淵聡文 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
- 論文一覧(KAKEN)
- 日本の研究.com:270418(「岩渕」名義で登録)
- 研究者総覧 - 東京海洋大学
- 国際連合教育科学文化機関(ユネスコ):水中考古学大学連携ネットワーク
- 国際記念物遺跡会議(イコモス):国際水中文化遺産委員会
- 日本海事史学会