川道美枝子
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川道 美枝子(かわみち みえこ、1947年 - )は、日本の動物学者。関西野生生物研究所共同代表[1]。
略歴
[編集]北海道函館市生まれ。北海道大学理学部生物学科卒、同大学院単位取得退学、1994年「エゾシマリスにおける冬眠の生態」で京都大学博士号取得[2]。2002年関西野生生物研究所設立。野生生物の研究調査を実施[3][4][5][6][7][8]、ブナ林の生物など在来種について著述がある[9][10]。
特定外来生物の対策
[編集]2005年から特定外来生物アライグマ対策に従事し[11]、京都府舞鶴市、亀岡市など幾つかの地方自治体との協力でアライグマ個体数の削減に成功している[12][13]。特に社寺につけられたアライグマの爪痕で地域への侵入状態を把握[14]。文化財の外来生物からの保護活動にも携わる[15][16][注釈 1]。
著作
[編集]共編著
[編集]- 『森のシマリス』森信也 (共著)、岩崎書店〈カラー版自然と科学〉、1983年。
- 「夫婦二人三脚の研究三昧」高橋真理子 (共著)、『科学朝日』第48巻第8号、朝日新聞社、1988年8月、64-67頁、8-9頁。
- 『けものウォッチング』川道武男 (共編著)、京都新聞社、1991年。
- 『森の新聞 ツバメの街』須川恒 (共著)、フレーベル館、1998年。
- 『森をつくったのはだれ?』合地信生、山崎猛 (共著)、大日本図書〈科学で環境探検〉、1999年。
- 『移入・外来・侵入種 生物多様性を脅かすもの』岩槻邦男、堂本暁子共編、築地書館、2001年。
参考文献
[編集]- 『現代日本人名録』2002年
- 川道美枝子「移入植物種の問題点 (特集 日本列島に侵入した生きものたち)」『プランタ』第83号、研成社、2002年9月、18-24頁、ISSN 0915-2059、NAID 40005535427。
- 川道美枝子「書評 日本生態学会編、村上興正・鷲谷いづみ監修『外来種ハンドブック』」『学鐙』第100巻第2号、丸善、2003年2月、46-49頁、NAID 40005668852。
- 川道美枝子、川道武男、金田 正人「文化財等の木造建造物へのアライグマ侵入実態」『京都歴史災害研究』第11号、立命館大学歴史都市防災研究センター京都歴史災害研究会、2010年3月、31-40頁、ISSN 1349-3388、NAID 40017134366。
- 川道美枝子、川道武男、山本憲一、八尋由佳、間恭子、金田正人、加藤卓也「アライグマ侵入実態とその対策」『畜産の研究』第67巻第6号、養賢堂、2013年6月、633-641頁、ISSN 0009-3874。
- 川道美枝子、三宅慶一、加藤卓也、山本憲一、八尋由佳、川道武男「京都市内でのハクビシン(Paguma larvata)の社寺等への出没動向」『京都歴史災害研究』第16号、立命館大学歴史都市防災研究所 京都歴史災害研究会、2015年3月、11-15頁。[18]
- 川道美枝子、八尋由佳、川道武男「京都市内でのアライグマ(Procyon lotor)の出没動向 : 2005年から2015年までの捕獲数の推移」『京都歴史災害研究 = Historical disaster studies in Kyoto』第17号、立命館大学歴史都市防災研究所 京都歴史災害研究会、2016年3月、49-54頁、ISSN 1349-3388。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ くらし創造部. “アライグマについての講演会の開催”. 奈良県. 2019年9月8日閲覧。 “講師:関西野生生物研究所 代表 川道 美枝子 氏= アライグマの有効な対策手法の研究、また、全国各地でアライグマ対策の普及指導に努められています。”
- ^ 川道美枝子 (1994). "Ecology of hibernation in Siberian chipmunks" (Document). 京都大学. doi:10.11501/3077501。 乙第8641号 博士 (理学)
- ^ 川道武雄、川道美恵子「ツパイとシマリスの体毛刈こみによる個体識別法」『日本生態学会誌』第28巻第1号、一般社団法人 日本生態学会、1978年、65-67頁、doi:10.18960/seitai.28.1_65、ISSN 0021-5007、NAID 110001883017。
- ^ 川道美枝子「シマリスの食性と貯蔵行動の季節変化」『日本生態学会誌』第30巻第3号、一般社団法人 日本生態学会、1980年、211-220頁、doi:10.18960/seitai.30.3_211、ISSN 0021-5007、NAID 110001881597。
- ^ Kawamichi, Takeo、Kawamichi, Mieko「Gestation Period and Litter Size of Siberian Chipmunk Eutamias sibiricus lineatus in Hokkaido, Northern Japan.」『Journal of the Mammalogical Society of Japan』第18巻第2号、一般社団法人 日本哺乳類学会、1993年、105-109頁、doi:10.11238/jmammsocjapan.18.105、ISSN 0914-1855、NAID 130000823086。
- ^ 川道 美枝子「第9回国際冬眠シンポジウムに参加して」『哺乳類科学 = Mammalian Science』第34巻第2号、日本哺乳類学会、1995年3月30日、173-175頁、doi:10.11238/mammalianscience.34.173、ISSN 0385-437X、NAID 10019045880。
- ^ 川道 美枝子「単独生活をするエゾシマリスの生態」『哺乳類科学 = Mammalian Science』第39巻第1号、日本哺乳類学会、1999年6月30日、185-187頁、doi:10.11238/mammalianscience.39.185、ISSN 0385-437X、NAID 10013370928。
- ^ 2002 & プランタ, pp. 18–24.
- ^ 川道美枝子「ブナ林に生きる生物 (特集:ブナ林)」『プランタ』第106号、研成社、2006年7月、19-24頁、ISSN 0915-2059、NAID 40007428660。
- ^ 川道武男、川道美枝子「人とムササビの長い関係・妖怪から観察会まで (特集 民話と生きものの住まう環境づくり)」『ビオシティ』第46号、ビオシティ、2010年、60-65頁、NAID 40017374626。
- ^ 川道美枝子「「外来生物法」の背景 (特集 外来生物法)」『市民政策』第41号、市民がつくる政策調査会事務局、2005年6月、4-13頁、NAID 40007287637。
- ^ 京都歴史災害研究 2010, pp. 31–40.
- ^ 畜産の研究 2013, pp. 633–641.
- ^ 京都歴史災害研究 2016, pp. 49–54.
- ^ 学鐙 2003, pp. 46–49.
- ^ 京都歴史災害研究 2015, pp. 11–15.
- ^ “KNCFが支援したNGO一覧 関西野生生物研究所”. 日本経団連自然保護基金. 2019年9月8日閲覧。 “2009年度の支援プロジェクト : 外来攪乱生物の実態調査とその対策の研究による生物多様性と文化財の保全。2010年度の支援プロジェクト : 外来攪乱生物の実態調査とその対策の研究による生物多様性と文化財の保全(フェイズ2)。2011年度の支援プロジェクト : 外来攪乱生物の実態調査とその対策の研究による生物多様性と文化財の保全(フェイズ3)。”
- ^ ISSN 1349-3388。掲載誌の別題『Historical disaster studies in Kyoto』。