巡検
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- 巡検(じゅんけん)
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- 学術研究のための実地調査。フィールドワーク。
- 地理学、地質学では実地調査、現地調査を意味する用語。Field Excursionsの訳語である。一般に言うとフィールドワークであるが、実地に現場を見て資料収集をしたり、聞き取りをしたりして客観的な研究の材料を得るという研究手法のことである。研究活動の中では、「○○半島東部巡検」というような表現を使用する。また、地理学、地学分野で市民対象に社会教育という意味で、化石採集、地質・地層の観察会を催したりする場合も「巡検」という言葉を使用する。
- 1894年から1907年まで使われた李氏朝鮮(大韓帝国)警察官の階級の1つ。のちに巡査に改称した。
- 大日本帝国海軍、海上自衛隊、海上保安庁所属艦船等における日課の一つ。消灯前に副長、甲板士官、先任衛兵伍長(海上自衛隊では先任警衛海曹)が艦船内の点検を行う。初夜巡検(しょやじゅんけん)ともいう。
- 海上自衛隊
- 海上自衛隊においては陸上自衛隊や航空自衛隊のような消灯ラッパというものがなく、旧海軍時代には巡検ラッパが消灯ラッパであり、巡検は消灯された居住区を巡回、火の始末等を確認していた。海上自衛隊では甲板掃除終了後に巡検を行い、巡検終了後は消灯時間までは全くの自由時間とされている。上陸を許された者以外の当直員は24時間勤務であるが、海上自衛隊において巡検終了の「巡検終わり、明日の日課予定表どうり、夜食受け取れ。」との艦内放送が当番当直員以外の者の1日の課業終了を表す。
- 艦艇における巡検
- 停泊中の巡検
- 甲板掃除終了後に巡検時間になると信号員の吹奏する巡検ラッパ終了とともに当直士官が当直海曹に先導され各居住区等を巡回し清掃の状態、乗組員の健康状態の把握、各部異常の有無等の確認を行う。巡検の要領としては、当直海曹が「じゅんけ~ん」と言いながら当直士官を先導して居住区内に入ってくる。通常の当直員は自分のベッドの前などに整列して当直士官の点検を受ける。このように各居住区を巡回し当直士官として規律の維持その他状況の把握を行うものである。
- 航海中の巡検
- 航海中においては、巡検に代わり「火の元点検」を行う。内容は巡検と概ね同様であるが、一部が簡略化される。
- 停泊中の巡検
- 陸上部隊における巡検
- 海上保安庁
- 海上保安庁巡視船勤務においても巡検が行われており、旧軍の伝統を引き継いでいる。なお、幹部候補生教育機関である海上保安大学校においても当直学生が各部屋寝室自習室を回って「巡検! 第○○号寝室消灯巡検!」との掛け声で当直教官を先導して第3、4学年が行なっている。
- 海上自衛隊