工作 黒金星と呼ばれた男
工作 黒金星と呼ばれた男 | |
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공작 | |
監督 | ユン・ジョンビン |
脚本 |
クォン・ソンヒ ユン・ジョンビン |
出演者 |
ファン・ジョンミン イ・ソンミン チョ・ジヌン チュ・ジフン |
音楽 | チョ・ヨンウク |
撮影 | チェ・チャンミン |
編集 |
キム・サンボム キム・ジェボム |
製作会社 |
サナイピクチャーズ 映画社月光 |
配給 |
CJエンタテインメント ツイン |
公開 |
2018年5月11日(CIFF) 2018年8月8日 2019年7月19日 |
上映時間 | 137分 |
製作国 | 韓国 |
言語 |
韓国語 中国語 日本語 |
工作 黒金星と呼ばれた男 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 공작 |
漢字: | 工作 |
発音: | コンジャク |
英題: | The Spy Gone North |
『工作 黒金星と呼ばれた男』(こうさく ブラック・ヴィーナスとよばれたおとこ、原題:공작)は、2018年公開の韓国映画[1]。北朝鮮に潜入した韓国の工作員「黒金星」と南北の権力者たちの闘争を描く、実話「北風工作[2]」を基にしたスパイ映画[3]。監督はユン・ジョンビン、主演はファン・ジョンミン。第71回カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング公式招待作品[4]。
ストーリー
[編集]1992年、北朝鮮の核兵器開発を巡って緊張状態が高まる朝鮮半島。韓国軍情報部隊の将校パク・ソギョン(ファン・ジョンミン)は、国家安全企画部に北派工作員としてスカウトされ、チェ・ハクソン海外事業部室長(チョ・ジヌン)から、コードネーム「
パクは北朝鮮の外貨獲得の責任者であるリ・ミョンウン審議所長(イ・ソンミン)から信頼を得ることに成功すると、広告事業の仲介をカモフラージュとしつつ北朝鮮の権力層に食い込み、北朝鮮の最高権力者であるキム・ジョンイルに会う機会を得るまでに至った。
しかし1997年、パクの工作活動があと一歩のところで停滞する中、同年の大韓民国大統領選挙に際して、政権交代による組織の解体再編を恐れたチェ室長などの国家安全企画部が与党政治家と組み、大統領選を与党有利に進めるべく、北緯38度線の停戦ライン周辺で武力攻撃を行うよう北朝鮮と裏取引を行った。これを知ったパクは、祖国への忠誠と自身の工作活動の存亡との間で葛藤する。
最終的にパクは、裏取引が南北朝鮮の関係を冷却化するとして反対するイ所長と協力し、ある事を実行に移す。
キャスト
[編集]- ファン・ジョンミン:パク・ソギョン(国家安全企画部諜報員・コードネーム:黒金星、元陸軍少佐・国軍情報司令部[6]工作官)
- イ・ソンミン:リ・ミョンウン(北朝鮮対外経済委員会審議所長)
- チョ・ジヌン:チェ・ハクソン(国家安全企画部海外情報部室長)
- チュ・ジフン:チョン・ムテク(北朝鮮国家安全保衛部課長)
- チョン・ソリ:ホン・ソル(北朝鮮安全企画部工作員)
- キム・ウンス:キム・ミョンス(北朝鮮対外経済委員会部長)
- チェ・ヨン:ファン・ビョンチョル(北朝鮮核物理学者キム教授の門生)
- パク・チニョン:キム・チャンヒョク(中国技術大学教授、朝鮮族の核物理学者)
- ナム・ムンチョル:韓国国会議員 パク
- チェ・ビョンモ:韓国国会議員 ユ
- キム・インウ:キヨハラ・ヒサシ(対外経済委員会に顔が利く朝鮮総連系の在日朝鮮人)
- ギ・ジュボン:金正日
- パク・ミンス:リ・ミョンウンの息子
- パク・ソンウン:ハン・チャンジュ 広告代理店 アジアコミュニケーション ※友情出演
- キム・ビョンオク:チャン博士 チャン・スピョン(張修平) 朝鮮族華僑 ※友情出演
- イ・ヒョリ ※特別出演
スタッフ
[編集]- 監督:ユン・ジョンビン
- 脚本:クォン・ソンヒ、ユン・ジョンビン
- 音楽:チョ・ヨンウク
- 美術:パク・イルヒョン
- 衣装:チェ・ギョンファ
- ヘアメイク:キム・ヒョンジョン
- 撮影:チェ・チャンミン
- 照明:ユ・ソンムン
- 編集:キム・サンボム、キム・ジェボム
- 武術:ホ・ミョンヘン、チェ・ボンノク
- 製作会社:サナイピクチャーズ、映画社月光
- 配給:CJエンタテインメント
製作・公開
[編集]実在した工作員「黒金星」は、史実では朴采書(パク・チェソ)によって行われている[7][8][9]。1997年、次期大統領選で与党である自由韓国党党首の李会昌を当選させることを目的に国家安全企画部によって北風工作が立案されているが、パクが野党第一党であった金大中陣営に対し北風工作をリークしたことで事件が未然に防がれている[7]。韓国当局から国家保安法違反容疑で逮捕されているが最終的に無罪とされた[7]。なお、この逮捕により身元が割れたことで諜報機関からは解雇されている[7]。2008年には保守政党が返り咲き諜報機関トップが入れ替わった結果、2010年にソウルで再び逮捕され、裁判の結果有罪が確定し、6年の禁固刑に服している[7]。監督であるユン・ジョンビンが国家安全企画部(KCIA)をテーマにした映画を企画し、調査を進める中で存在を知ったことが製作のきっかけとなった[10]。
2017年1月25日から撮影開始[3]。 第71回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニングに公式招待され、2018年5月11日に同映画祭でワールドプレミアを迎えた[4][11]。
韓国では2018年8月8日に公開され、観客動員数497万人を記録[12][13]。
受賞歴
[編集]- 第39回青龍映画賞 - 監督賞(ユン・ジョンビン)[14]
- 第39回青龍映画賞 - 美術賞(パク・イルヒョン)[14]
- 第39回青龍映画賞 - 人気スター賞(チュ・ジフン)[14]
- 第55回大鐘賞 - 主演男優賞(ファン・ジョンミン、イ・ソンミン)[15]
- 第55回大鐘賞 - 美術賞(パク・イルヒョン)[15]
- 第55回百想芸術大賞 - 映画部門 作品賞[16]
- 第55回百想芸術大賞 - 映画部門 男性最優秀演技賞(イ・ソンミン)[16]
- 第27回釜日映画賞 - 最優秀作品賞
- 第27回釜日映画賞 - 脚本賞(クォン・ソンヒ)
- 第27回釜日映画賞 - 主演男優賞(イ・ソンミン)
- 第27回釜日映画賞 - 助演男優賞(チュ・ジフン)
- 第27回釜日映画賞 - 美術賞(パク・イルヒョン)
- 第38回韓国映画評論家協会賞 - 監督賞(ユン・ジョンビン)[17]
- 第38回韓国映画評論家協会賞 - 主演男優賞(イ・ソンミン)[17]
- 第38回韓国映画評論家協会賞 - 助演男優賞(チュ・ジフン)[17]
- 第38回韓国映画評論家協会賞 - ヨンピョン11選[17]
- 第5回韓国映画制作家協会賞 - 美術賞(パク・イルヒョン)[18]
- 第5回韓国映画制作家協会賞 - 撮影賞(チェ・チャンミン)[18]
- 第5回韓国映画制作家協会賞 - 照明賞(ユ・ソンムン)[18]
- 第18回ディレクターズ・カット・アワード - 今年の男性演技者賞(イ・ソンミン)[19]
- 第18回ディレクターズ・カット・アワード - 今年の特別言及[19]
- 第19回女性映画人賞 - 技術賞(チェ・ウナ〈音響編集技師〉)[20]
- 第19回女性映画人賞 - 広報マーケティング賞(エンドクレジット)[20]
- 第2回ザ・ソウルアワード - 映画部門 大賞[21]
- 第2回ザ・ソウルアワード - 映画部門 助演男優賞(チュ・ジフン)[21]
- 第39回黄金撮影賞 - 最優秀作品賞[22]
- 第39回黄金撮影賞 - 撮影賞 銀賞(チェ・チャンミン)[22]
- 第10回今年の映画賞 - 作品賞[23]
- 第10回今年の映画賞 - 主演男優賞(イ・ソンミン)[23]
- 第10回今年の映画賞 - 助演男優賞(チュ・ジフン)[23]
- 第6回 BIFF マリ・クレール アジアスターアワード - アジアスター賞(チュ・ジフン)[24]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “工作 黒金星と呼ばれた男”. twin 2019年9月12日閲覧。
- ^ “北朝鮮潜入の工作員は巧妙に…映画原案者が語る南北の“裏の裏””. AERAdot. (2019年7月26日). 2021年2月26日閲覧。
- ^ a b “ファン・ジョンミン&イ・ソンミン&チョ・ジヌン&チュ・ジフン、映画「工作 黒金星と呼ばれた男」に出演確定…1月クランクイン”. Kstyle (LINE). (2017年1月5日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ a b “「第71回カンヌ国際映画祭」チュ・ジフン出演映画「工作 黒金星と呼ばれた男」ミッドナイト・スクリーニングに公式招待”. Kstyle (LINE). (2018年4月30日) 2018年9月12日閲覧。
- ^ a b “ファン・ジョンミン主演、映画「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」7月19日(金)に日本公開決定!日本オリジナルポスター解禁”. Kstyle (LINE). (2019年3月19日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ 1990年、それまで陸海空軍で別々に存在していた情報部隊を統合する形で創設された大韓民国国軍の情報機関。同じ韓国軍の情報機関である国軍防諜司令部(旧:国軍機務司令部→軍事安保支援司令部)が防諜任務を主とするのに対し、こちらは北朝鮮を始めとした対外軍事・安全保障関連情報の収集や諜報活動(特にヒューミントに重きを置くとされている)を主としている。
- ^ a b c d e “コードネームは「ブラックビーナス」、故金正日総書記と面会した韓国人スパイ”. AFP (2018年10月7日). 2021年11月22日閲覧。
- ^ “金正日氏と会った韓国人スパイ 酒勧められ…賭けに出た”. 朝日新聞 (2019年7月22日). 2021年11月22日閲覧。
- ^ “ランボルギーニと「偽物」のロレックス、国情院の不幸を終わらせる道”. 東亜日報 (2018年8月15日). 2021年11月22日閲覧。
- ^ “北朝鮮で金正日に肉薄したスパイ 実在の物語を“リアルなエンタメ”として描く方法とは?『工作 黒金星と呼ばれた男』ユン・ジョンビン監督インタビュー”. ガジェット通信 (2019年7月18日). 2021年11月22日閲覧。
- ^ “【PHOTO】ファン・ジョンミン&チュ・ジフンら「第71回カンヌ国際映画祭」レッドカーペットに登場”. Kstyle (LINE). (2018年5月12日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ “「工作 黒金星と呼ばれた男」公開12日目にして観客動員数400万人突破…長期ヒットの予感”. Kstyle (LINE). (2018年8月20日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ “日本で上映される今月の韓国映画”. ユートラベルノート (ユートラベルノート). (2019年7月16日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ a b c “キム・ユンソク&ハン・ジミン「第39回青龍映画賞」で男女主演賞を受賞!最優秀作品賞は「1987、ある闘いの真実」に(総合)”. Kstyle (LINE). (2018年11月24日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ a b “イ・ソンミン&ファン・ジョンミン&ナ・ムニ「第55回大鐘賞映画祭」男女主演賞を受賞…最優秀作品賞は「バーニング」(総合)”. Kstyle (LINE). (2018年10月23日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ a b “チョン・ウソン&キム・ヘジャ「第55回百想芸術大賞」で大賞を受賞…「SKYキャッスル」は4冠(総合)”. Kstyle (LINE). (2019年5月2日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ a b c d “ハン・ジミンからユン・ジョンヒまで、女優が続々号泣…「第38回韓国映画評論家協会賞」授賞式の現場が話題”. Kstyle (LINE). (2018年11月14日) 2018年11月14日閲覧。
- ^ a b c “チュ・ジフン&ハン・ジミン「第5回韓国映画制作家協会賞」で主演賞を受賞…“今この瞬間、映画を撮っているよう””. Kstyle (LINE). (2018年12月19日) 2018年12月19日閲覧。
- ^ a b “EXO ディオからキム・テリまで…監督たちが選ぶ“今年の俳優”に!「第18回ディレクターズ・カット・アワード」受賞者に選定”. kstyle (LINE). (2018年12月12日)
- ^ a b “「2018 女性映画人祝祭」でハン・ジミンが演技賞を受賞…今年の映画人賞はキム・イルラン監督(総合)”. (2018年12月13日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ a b “「第2回THE SEOUL AWARDS」イ・ビョンホン、キム・ナムジュ、ハ・ジョンウ、ソン・イェジンが主演賞…大賞は「私のおじさん」「工作 黒金星と呼ばれた男」(総合)”. Kstyle (LINE). (2018年10月28日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ a b “チョン・ウソン&キム・ヒャンギ「第39回黄金撮影賞」演技大賞と最優秀女優賞を受賞…映画「証人」が主要部門トロフィー独占”. Kstyle (LINE). (2019年7月26日) 2019年7月26日閲覧。
- ^ a b c “イ・ソンミン&ハン・ジミン「第10回今年の映画賞」男女主演賞を受賞…作品賞は「工作 黒金星と呼ばれた男」(総合)”. Kstyle (LINE). (2019年1月31日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ “最旬俳優チュ・ジフン、釜山で2冠の快挙「今年も目覚ましい活躍」”. スポーツソウル日本版 (スポーツソウル). (2018年10月12日) 2018年10月12日閲覧。
関連項目
[編集]- 北派工作員
- KCIA 南山の部長たち
- ゼロ・ダーク・サーティ - ウサーマ・ビン・ラーディンを追った実話を基にした映画。