左近司祥子
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左近司 祥子(さこんじ さちこ、1938年4月12日[1] - )は、日本の哲学者・西洋古典学者・ギリシア哲学研究者。学習院大学名誉教授。主な研究対象はネオプラトニズム、ピタゴラス。東京出身。
人物
[編集]父は中国哲学研究者の内野熊一郎、母方の祖父は内野台嶺。妹は音楽学者の内野允子(のぶこ、1943- 上野学園大学名誉教授)[2]。
かなりの猫好きで、多くの野良猫を保護し、自宅に猫を40匹以上飼っている。猫に関する著作が多数ある。著書『「本当に生きる」ために』のあとがきによれば、「『できることなら、あらゆる猫を救いたい』『私の目の前で猫殺しなど許さない』」が「たった一つの私の存在価値」だとのこと。
夫との間に三人の娘がおり、著書『哲学するネコ』の中ではそれぞれ「お助けレイディー一号・二号・三号」と呼ばれる。翻訳家で元タレントの左近司彩子は三女。
履歴
[編集]- 1961年3月、東京大学文学部哲学科卒業。
- 1966年3月、東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程満期退学。
- 1970年4月、東京大学文学部哲学科助手。
- 1972年4月より学習院大学文学部哲学科助教授、のち教授。
- 2009年3月、退職。
- 2017年11月、瑞宝中綬章を受章[3]。
著書
[編集]- 『はじめての哲学』(北樹出版) 1989
- 『「本当に生きる」ために』(学習院教養新書) 1994、のち改題『本当に生きるための哲学』岩波現代文庫 2004
- 『哲学するネコ - 文学部哲学科教授と25匹のネコの物語』(小学館文庫) 1998
- 『悪なんて知らないと猫は言う - 悪とヒトの優雅な哲学』(講談社) 2001
- 『謎の哲学者 ピュタゴラス』(講談社選書メチエ) 2003
- 『自分を知るための哲学 - 「私」を考え、「私」を変えて、「私」を幸せにするために』(ナツメ社) 2003
- 『ソクラテスになった猫』(勉誠出版) 2005
- 『哲学のことば』(岩波ジュニア新書) 2007
- 『なぜねこは幸せに見えるの? - 子どものための哲学のおはなし』(講談社) 2012
共編著
[編集]- 『面白いほどよくわかるギリシャ哲学 ソクラテス、プラトン、アリストテレス…現代に生き続ける古典哲学入門』(小島和男共著、日本文芸社、学校で教えない教科書) 2008.3
- 『西洋哲学の10冊』(岩波ジュニア新書) 2009.1
翻訳
[編集]- 『トゥーキューディデース 神話的歴史家』(コーンフォード、大沼忠弘共訳、みすず書房) 1970
- 『恋の形而上学 フィレンツェの人マルシーリオ・フィチーノによるプラトーン『饗宴』注釈』(国文社) 1985
- 『世界神話辞典』(アーサー・コッテル、瀬戸井厚子共訳、柏書房) 1993
- 『『ピレボス』注解 人間の最高善について』(フィチーノ、木村茂共訳、国文社) 1995
- 『古代哲学の根本諸概念』(ハイデッガー、ヴィル・クルンカー共訳、創文社、ハイデッガー全集) 1999
- 『哲人アリストテレスの殺人推理』(マーガレット・ドゥーディ、左近司彩子共訳、講談社) 2005
- 『美について』(プロティノス、斎藤忍随共訳、講談社学術文庫) 2009
注
[編集]- ^ 「内野熊一郎博士年譜」『東洋学論集』
- ^ 内野熊一郎訃報・毎日新聞社
- ^ “平成29年秋の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 8 (2017年11月). 2023年3月1日閲覧。